寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

大阪の学校経営コンサル会社/株式会社ワイズコンサルティングが、学校経営に関する情報を収集し発信するブログです。

国立大、遊休地の賃貸次々

学校も自ら稼ぐべし。

そういったニュースが目につくようになってきました。

日経新聞より。

 

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 (有料会員限定記事となっております。ご了承ください)

 

遊休地を民間に貸し付ける都内の国立大学が増えている。国の規制緩和を受けた動きで、活用法は駐車場からオフィス、老人ホームまで多様だ。大学側からみると、安定した賃料収入に加え、民間が建てた施設を産学連携などに活用し大学力を高められるメリットがある。

 

学校の遊休地活用ですぐに思いつくのは駐車場。

東京医科歯科大は「タイムズ」の駐車場として運用し、

5年契約、賃料は年間約2,600万円というからすごいものです。

もちろん、立地の良さは必須条件でしょう。

 

この記事で驚いたのは大規模開発を含む長期の貸し付けという例。

東京工業大学は付属高校の跡地をNTT都市開発などのグループに

2026年から75年契約で賃貸する予定で、ここには

地上36階建ての超高層オフィスビルが建つそうです。

東工大の土地の賃料は年間45億円。さらにはこのビルの一部に

国際的な産業・研究拠点をめざす産学連携施設などが入るそうで、

民間資金で研究施設ができれば大学側のメリットは大きいでしょう。

 

 

賃料収入を得るというだけではなく、

学術研究に役立てるという意味合いでの開発、運用がなされるのが

とても興味深いですね。

大学以外の学校種ではそこまでまとまった運用ができるケースは

多くないと思いますが、それでもこのような発想は

学校経営のヒントにし得るような気がします。

 

今後、学校の敷地はこれまでよりも余剰が大きくなる可能性が高まります。 

貴校園でも自立財政に向け、

頭の体操よろしく知恵を絞ってみてはいかがでしょうか。

 

(文責:吉田)

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コロナ、進路検討に影響

それはそうですよね、とうなずいてしまう記事です。

日経新聞より。

 

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新型コロナウイルスの感染拡大を機に「進路変更を考えた」と答えた高校3年生が19.4%に上ることが大学受験の情報サイト運営のパンタグラフ(東京・渋谷)の調査で分かった。2020年8~12月、中高生と浪人生1077人に運営サイト上で尋ねた。

 

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コロナ禍で受験方法や志望校の変更を検討したのは中高生など全体の12.7%、

と記事は報じていますが、もしこれが正確な数値だとすれば、

残りの9割近い子どもたちの精神力の強さに驚きます。

 

そして上のグラフは「コロナ禍の不満」の要因を示したもので、

「集中力を保って勉強するのが難しい」が59%に上っています。

「学校行事の中止」も4割強と、学校行事への期待感の高さもうかがえます。

 

ちなみに、授業のオンライン化は51%が賛成と答えています。

賛否拮抗しているという結果が興味深いですね。

賛成の中には「巻き戻して何度も見られる」という評価がある一方、

「塾に行けないので周りの友達の進捗が分からない」の声もあったそうです。

塾で友達の進捗を知るのか、と驚きと残念な気持ちが入り混じりましたが、

その場が塾でなく学校であっても、やはり友と切磋琢磨することの

大切さも改めて感じるところです。

 

新年度の学習環境も依然として気を遣うところかと思います。

各校園におかれましては、子どもたちのよりよい学びのために、

検討と工夫をお続けいただければ有難く存じます。

 

(文責:吉田)

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拡大する通信制高校

転退学者の行く先は通信制、という話を

各校園で頻繁に耳にするようになりました。

通信制高校の人気はもはや定着した感すらあります。

さてその実態は。日経新聞より。

 

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今回ご紹介する記事は、通信制高校の質の確保・向上に向け提言をまとめた

文部科学省有識者会議の副座長を務めた私立高校長からの寄稿です。

 

通信制高校の開校は続いている。学校基本調査によると、生徒数は20年5月1日時点で20万人を超え、高校生全体に占める割合は6.3%に達した。少子化が進む中での拡大の原動力となっているのが角川ドワンゴ学園の「N高」に代表される私立通信制高校の人気校化である。

 

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インターネットを活用して個々の生徒の希望に応じた学習や課外活動を提供するだけでなく、教員業務のICT(情報通信技術)化で6割以上の時間を生徒との関わりに充てる方針など、新たな施策を積み重ねる経営姿勢は評価に値する。ほかにも規模拡大に積極的な通信制高校は複数あり、多様に工夫された手法で教育を展開している。

 

このように現代において人気を博している通信制高校ですが、

質保証を巡る問題は後を絶たない、と筆者は指摘しています。

 

通信制高校の質保証が注目されたのは三重県伊賀市が認可した

ウィッツ青山学園高の問題発覚がきっかけです。

就学支援金の不正受給、さらには遊園地で買い物をした際のおつりの計算を

数学として扱うなど、驚きの実態が当時報じられました。

また、文科省による各地の通信制高校に対する実地調査では、

4泊5日の集中スクーリングで朝から午後9時半まで、

1日13コマもの授業が設定されている事例もあったとのこと。

さらに2020年3月末には、茨城県つくば市の認可を受けて

2008年に開校した通信制高校が経営難を理由に閉校、

生徒が学習中断、転学を余儀なくされたそうです。

 

不登校の生徒をはじめ、転退学の先として選ばれることの多い

通信制ですが、経営上の不安、カリキュラム上の不安を感じられる方も

決して少なくはないと思います。

ただ、その不安は、通信制だからということに限られるのではなく、

保護者や生徒にとってはどの学校に在籍していても、

多かれ少なかれ感じるものかもしれません。

中にいるのと外から見るのとでは、情報の非対称性もあり、

全く異なる景色が広がっていることも珍しくはないのです。

そのような視点で、自校園のことを捉えてみるのもまた、

学校経営を考える際には重要な気がいたします。

 

 

貴校園の学習の質はいかがでしょうか。

貴校園の経営の質はいかがでしょうか。

ぜひとも客観的に振り返ってみてください。

 

(文責:吉田)

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大学入試、プログラミング出題

プログラミングが入試科目になりそうです。

日経新聞より。

 

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大学入試センターは(3月)24日、2025年1月に実施する大学入学共通テストの教科・科目の再編案を公表した。プログラミングや、データサイエンスに必要な統計処理の知識などを試す「情報」を、国語や数学などと並ぶ教科に加える。

 

人材採用に関する記事でもよく見かけますが、

人工知能=AIが社会に急速に浸透する一方で、

情報技術=IT人材は不足しています。

今後の産業構造を考えても、ITに明るい人材は不可欠でしょうし、

教育課程にこの分野が入ってくることに大きな不思議はありません。

 

そして、入試科目に採用するかは各大学が判断することになるとはいえ、

入試の1科目として位置付けることで、

IT教育の充実を促し、人材の裾野拡大をめざす、

というのが文部科学省の目論見のようです。

 

共通テストの刷新は22年度から適用される高校の新学習指導要領に対応したもので、現在の中学2年生からが対象になる。情報のほか、新指導要領で必修となる新科目「公共」を追加する。

 

共通テストは近い将来、再編が予定されています。

一方で、以前にこのブログでも採り上げた「CBT方式」については、

機材確保の困難さなどから2025年の導入は見送りとなっています。

プログラミングのテストもマークシート式で、というのは

何だかなあ、という気もしますが、さてどうでしょうか。

 

貴校園の教育課程も入試に左右されることが大いにあり得ることでしょう。

将来を見据えて、よりよい教育現場を実現していただければと思います。 

 

(文責:吉田)

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令和の教育の課題

新年度が始まり、いよいよ学校も始動、ですね。

貴校園では今年度の経営課題は明確でしょうか。

本日ご紹介する記事は、先般中教審がまとめた答申の内容についての

中教審会長へのインタビュー記事です。

この記事は、学校が置かれている環境を踏まえた課題整理に役立つように思います。

年度初めの頭の整理にどうぞ。日経新聞より。

 

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(有料会員限定記事となっております。ご了承ください)

 

中央教育審議会は1月、「『令和の日本型学校教育』の構築を目指して」と題する答申をまとめた。土台となった問題意識や小中高校の教育が今後目指すべき姿について、渡辺光一郎会長(第一生命ホールディングス会長)に聞いた。

 

というわけでこの記事、結構長いです。

その全文をお読みになりたい方は日経新聞をご覧いただくこととしまして、

ここでは私学経営における論点になりそうなキーワードを拾ってみたいと思います。

 

キーワード1:日本全体のデジタルトランスフォーメーション(DX)の遅れ、世界の中での劣後状態

→コロナ禍で明確になった、との言及がありました。

 

キーワード2:令和の日本型学校教育は立体的な多様化を目指すもの

ソサエティー5.0(超スマート社会)のような未来からバックキャスト的に見ると変革すべき点があり、過度の標準化・同調性のような水平的画一化と、偏差値のような垂直的な序列化への反省に立っています。

 

キーワード3:多様性とセーフティーネットとしての包摂を同時に実現する視点

→積み上げてきた日本型学校教育の歴史と、コロナ後のニューノーマルのような未来を調和、融合させる、とのこと。

 

キーワード4:学校現場でのICT(情報通信技術)の活用

→個別最適な学びと協働的な学び、創造的で深い学びによって、一人ひとりの可能性を伸ばすことを目指しています。

 

キーワード5:デジタル技術と教育産業の力で教育を革新するエドテック(EdTech)への向き合い

GIGAスクール構想を本物にするため、端末だけでなく、情報の共有や探索、教育活動全体の管理を可能にする総合的なシステムの構築が不可欠、と言及されています。

 

キーワード6:(教科横断的な学習を通じて実社会での問題発見・解決にいかしていく)STEAM教育の必要性

→高校の改革として打ち出されているもので、将来の生き方、特に就業と高校進学を関連づけることが期待されているようです。

 

キーワード7:スクールポリシー、スクールマネジメントの強化

→「高校の設置者が各学校の理念を明確にすることが重要で、それに向かって各校がマネジメントをしていく。そうしないと地域性を含めた各学校の位置づけ、個性が分かれてこないだろう」とのコメントが掲載されています。

 

キーワード8:履修主義と修得主義のハイブリッド

中教審では、個別最適な学びとの関連で、皆が一定時間の授業を受けて次に進む「履修主義」を基本に据えたまま行くのか、学習を終えた子は先に進める「修得主義」を考えるべきかが論点になりました。これに関し、会長はこう述べています。

「多様性と包摂の視点に立ったとき、どんどん先に行く学習体験をした人がリーダーとしてふさわしいか、私は疑問。経済界のリーダーも高潔性が一番重視される」

「今のような状況では履修主義と修得主義、遠隔と対面など議論が二項対立になりがちだ。その落とし穴にはまるべきではないことを、答申では強調した。これが答申の精神だと思う」

 

キーワードだけを拾っても長文になってしまいました。

ご容赦ください。

本年度以降の学校経営において、念頭に置いていただければと思います。

 

(文責:吉田)

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派遣時給、最高の1613円

先月の記事ですが、短く確認しておきましょう。

日経新聞より。

 

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(有料会員限定記事となっております。ご了承ください) 

  

新年度に向け需要の最盛期にある人材派遣市場で平均時給が上昇している。人材サービス大手エン・ジャパンの調査で2月の平均時給は調査開始以来の最高を更新した。相対的に時給が高いIT(情報技術)系や営業職の求人が回復し、全体の平均時給を押し上げた。主力の一般事務や販売などの需要は落ち込みが続き、コロナ下の回復の差が時給相場に表れている。

 

まずはIT人材の枯渇感を確認しておきましょう。

求人は増えている一方、希望にかなう人材が不足しているのでしょう、

時給はかなり上がってきています。

下のグラフでご確認ください。

 

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貴校園ではICTを担当される教職員さんは足りておられますでしょうか。

情報通信に関する技術は日進月歩、いやそれ以上のスピードです。

学校のインフラ整備とその後の安定運用のためにも、

人材は非常に重要な要素でしょう。

 

ではIT人材以外はどうかと言えば、派遣の案件自体が減っている、

と記事は伝えています。

 

全体の案件数は20年5月以降、前年同月を4割以上下回る推移が続いている。この中で2月はIT系が占める割合が14%と前年同月の約2倍。20年3月まで6割を超えていた主力の「オフィスワーク・事務系」は47%と5割を下回った。

 

新年度を迎え、各校園とも新たな体制で臨んでおられることと思います。

派遣職員さんを含め、自校園の人員構成については目の前のみならず、

中長期を見据えてのシナリオをぜひお持ちいただき、

本年度も恙ない学校運営を目指していただければと思います。

 

(文責:吉田)

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学校経営情報2021年4月号を発行しました

いよいよ新年度のスタートですね。

コロナ禍が話題の中心だった2020年度は終わりましたが、

まだまだその脅威が去ったわけではなく、

第4波も襲来しつつあります。

 

一方で、こういった状況の中でいかに学校運営を円滑に進めていくか、

新しいノウハウを得て始まるのが2021年度、と言えるかもしれません。

各校園ともに、自らの強みを生かした経営がなされることを

心から願っております。

 

さてその私学経営をご支援申し上げる弊社ですが、

今月は隔月で発行している情報誌の発行月となっております。

今月のメニューはこうなっております。

 

☆Let's SDGs! 1 貧困をなくそう

☆学校法人における給与制度改正の手順と心得
  第1回 給与制度を変えるとはどういうことか

☆《連載寄稿》 校園のファシリティについて
         Ⅰ 校園のファシリティとマネジメント

☆統計PickUp  教員採用倍率

☆Y's NEWS その1 小冊子新刊と2021年度セミナーのご案内
       その2 本誌データ化への移行に関するお知らせ

☆School Management Review  経営者が率先する「変革」

 

いかがでしょうか。これまでもお読みいただいていた方には

目新しいものが多くなっていることがお分かりいただけると思います。

前回まで4ページ構成だったのが今回は8ページ構成。

採り上げているテーマも

 SDGs

 給与制度

 ファシリティ

と幅広くなっています。

これまで以上に気合いを入れてお届けする情報誌、ぜひともご一読ください。

 

ダウンロードはこちらからどうぞ↓

www.ysmc.co.jp

 

 

そして重要なお知らせも掲載いたしました。

それはこの情報誌の紙面発行が今回をもって終了するということです。

 

以前からSDGsに沿った活動をしたい、と思い続けていた弊社ですが、

この4月を区切りに、それを実行することといたしました。

情報誌の扉でも連載させていただくことにし、

さらには地球環境を守るという観点から、

極力紙の使用を減らすことへシフトしていくことを決めました。

皆様にはご不便をおかけしますが、

次号以降の情報誌は上記HPからのダウンロードでお楽しみいただければと思います。

「誰一人取り残さない」

というSDGsの理念を、私学の皆様とも共有していけたらと考えておりますので、

ご協力とご理解のほどよろしくお願いいたします。

 

 

そして本年度のセミナーも日程とテーマを確定させました。

こちらも大きな変化。すべてオンライン開催に踏み切りました。

2020年度の私はオンラインセミナーを経験し続けましたが、

その結果、メリットを活用すれば集合型よりも

大きな効果を得られることを実感しましたので、

ぜひそのノウハウを皆様にも提供したいと思い、

この形にさせていただいた次第です。

 

料金も大幅値下げしてご参加いただきやすいセミナーを実現。

人数制限も20名と少人数にしておりますので、

ぜひとも早めのお申込をお願いいたします(先着順です)。

そしてプレミアム会員制も復活。さらにお得な料金設定ですので、

そちらも奮ってお申込みください。詳細はこちらからどうぞ↓

www.ysmc.co.jp

 

本日のブログはお伝えしたいことがたくさんあって、少々長くなってしまいました。

ご容赦ください。

そして、今月、今年度も素敵なひとときとなりますように。

 

(文責:吉田)