寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

大阪の学校経営コンサル会社/株式会社ワイズコンサルティングが、学校経営に関する情報を収集し発信するブログです。

「楽しい」を軽視するな

教育において、忘れてはならないことかもしれませんね。

日経新聞の投稿欄より。

 

www.nikkei.com

(会員限定記事となっております。ご了承ください)

 

学校でも、会社でも、家庭でも、誰もが「なぜそれをするのか」と説明責任を求められる。この問いに対しては筋道の通った理由を示すことが当然のように期待され、「楽しいから」と答えることは、どこか稚拙で、無責任でさえあるかのように扱われてしまう。

こうして「正しい」と「楽しい」の綱引きは、いつも前者の勝利で終わる。正しさの裏づけを探すうちに、楽しいは片隅へと追いやられていく。説明責任と正しさは相性がいい。「なぜ?」と問われると、自然と「正しさ」を根拠に据えざるを得ない。

 

大人になると特に、こういう機会が増えるようにも思います。

仕事の場ではなおのこと、なぜそんなことをしたのか?と問われ、

楽しいと思ったから、ではまったく理由にならない、

とされることもきっと多いことでしょう。

(楽しい、では説明にならないことも実際に多いとは思いますが)

 

ただ、人生におけるいろいろな選択において、

楽しいという要素はそれなりに大きいものだとも感じます。

私自身、学校選択や職業選択において、

楽しいという要素を抜きに考えたことはないように記憶しています。

日常の活動においてもそれは同じです。

楽しい、ということだけで選んでいることはそれほどないかもしれませんが、

楽しさがあるからこそそれを選んだ、ということは数多くあります。

 

この投稿の筆者は、他者への説明、というところに

重きを置いておられるようで、楽しさは正しさにいつも負けてしまう、

と書いておられますが、そこから少し離れて、

楽しさが自分の背中を押してくれるという観点から考えれば、

教育という活動において楽しさという要素を忘れないように、

との示唆は教育に携わる人たちにとって

非常に重要だと思うのですがいかがでしょうか。

 

私自身は与えられたものを前にしたとき、興味を持とうとし、手を動かし、懸命に取り組み、そのなかで楽しさを見いだしていく。その連続で、やっているだけである。そんななかで発見したことがある。与えられたものであっても、楽しく遊ぶことはできる。子どものころ、身の回りのものすべてが遊び道具になったように、大人になってもその感覚は失われていないはずだ。

 

貴校園での活動は、子どもたちに「楽しさ」を感じてもらえているでしょうか。

楽しいからこそ興味を持ち、楽しいからこそ続けられる。

勉強は辛く厳しいもの、ということの手前に、

いろんな楽しさが感じられる学びであればと願います。

学びの楽しさを感じてもらえる学校でありますように。

 

(文責:吉田)

www.ysmc.co.jp

限界試す中学受験 偏差値より自分らしさ

昨日のブログで書かせていただいた内容とも少し関連しそうな、

脱・偏差値の話題を採り上げます。

 

が、先にこちらから見ておきます。

日経新聞の同じ連載記事なのですが、真逆、とも言えそうな内容です。

www.nikkei.com

(会員限定記事となっております。ご了承ください)

 

「やった、できた! どんどん進めていい?」。パズルで図形の学習に取り組んでいた幼児4人が講師から花丸をもらうと笑顔を見せる。栄光ゼミナールは今年度、幼稚園年長児向けの中学受験対策コースを開いた。

 

中学入試の準備をいつ開始するか、という話題は

私自身が学習塾に勤務していた25年ほど前からすでになされていました。

当時は小4が標準的だと言われ、そんなに早くから…と驚いたものですが、

今や幼稚園年長からとは、驚きを通り越してしまいます。

 

ただ、実際にはその過熱ぶりに葛藤を覚える保護者もいるようで、

記事には祖父母世代との温度差に悩む40代女性の様子も載っていました。

さらにはこんな傾向も。

最難関重視の流れが変わる兆しはある。昨年の首都圏入試では「御三家」と呼ばれる麻布や桜蔭などの志望者が減少。森上教育研究所の森上展安は「偏差値でなく適性を重視して学校を選ぶ例も出ている」と分析する。

 

そして翌日掲載された、本連載の最終回が以下の記事でした。

www.nikkei.com

(会員限定記事となっております。ご了承ください)

 

「塾がつくる偏差値表をみると、我が校は下から数えた方が早い。それでも2018年度に84だった出願数は、25年度に355まで増えた」。神田女学園中学校高等学校(東京・千代田)の広報部長・奥田礼章は話す。

 

神田女学園の人気に火をつけたのは、同校が2014年から取り組む

探究学習「ニコルプロジェクト」とのことで、

「香りと記憶の関係性」や「エスカレーターでの歩行をなくすには」など

個人の気づきを基にしたテーマを設定し、

週2~4コマの授業と放課後や週末に学習をするそうです。

こういった取組みは私学の多くで進んできているのではないでしょうか。

 

偏差値重視だけではない学校選びを、複数の「変化」が後押しする。一つは高校の私学無償化。26年度から国は高校生向けの「就学支援金」の支給上限額を引き上げ、所得制限をなくす。「公立志願の家庭でも私立中高一貫校を目指しやすくなった。中位校狙いの層は今後増える」と森上教育研究所の森上展安は予測する。

もう一つは大学入試改革。「面接や小論文などで合否が決まる総合型選抜が広がり、探究学習の成果をアピールしやすくなった」。栄光ゼミナールで入試情報センター責任者を務める藤田利通は分析する。「保護者の価値観も、偏差値だけでなく『学校方針・校風・学びの質』を重視する方向へ動きつつある」

 

貴校園では今年の中学入試を無事終えられたでしょうか。

その結果、志願者数、受験者数をはじめ、

貴校園が設定された目標は達せられましたでしょうか。

ひょっとすると上記高校無償化の影響等によって、

受験率が上がった自治体も多くなるのかもしれません。

その中で、自校園の規模設定をどうするか、そして何より、

教育内容をどのようなものにしていくのか、

しっかり考える機会にしたいですね。

偏差値以上に大切にしなければならないもの、

きっとあるはずです。

 

(文責:吉田)

www.ysmc.co.jp

大学の質を学部単位で評価 脱・偏差値、成果や学生の成長重視

どんな「評価」になるのか、興味津々です。

日経新聞より。

 

www.nikkei.com

(会員限定記事となっております。ご了承ください)

 

大学運営を第三者が審査する「認証評価制度」について、教育の質を学部・学科ごとに3~4段階で評価する見直し案を文部科学省が検討している。現在は運営全体を2段階で評価しており、受験生らが進学先を選ぶ際の参考にしにくかった。

 


この「認証評価制度」は、

大学関係者や識者らで構成される「認証評価機関」が、

成績評価や単位認定の適切な実施等の基準に照らして審査するもので、

現行制度においては7年以内に1回、受審が義務付けられています。

入試の難しさを示す「偏差値」やブランドイメージではなく、

教育実践の中身や成果で選ばれるような環境を整え、

優れた大学が生き残れるようにするという狙いがあります。

 

しかしながら現状、評価は「適合」「不適合」のいずれかのみで、

不適合となるのは法令違反等のみですから、

大学選択の際の参考にするまでには至っていません。

この制度を改定し、評価を以下の3段階にしたうえで、

頻度を6年に1回に短縮することが検討されているようです。

 (1) 学部・学科が基準を満たしていない

 (2) 基準を満たしている

 (3) 基準を満たしたうえで、教育上の優れた取り組みがある

 

さらに、記事にはこうも書かれています。

学部・学科とは別に大学全体のマネジメントも評価する。一方で財務状況など経営に関する項目は削減し、教育の質に重点を置く。

 

大学に限らず、現状の学校選択においては

「偏差値」が極端に重視されている傾向がありますが、

それを変えることができるか、本制度の改正案とともに、

運用を注視したいと思います。

と同時に、教育内容のみならず、マネジメントの質も良好であることが

学校経営に強く求められることと言えます。

財務情報はやや軽視されているようにも読める記事ですが、

学校の永続性はもちろんのこと、教員や教育への還元度も

財務情報からは見えてくるはずですから、

私学としてはぜひそちらも重視しておきたいですね。

 

(文責:吉田)

www.ysmc.co.jp

受験生、文系回帰の兆し 8年ぶり比率上昇

大学入試シーズンですね。

理系人材の育成が課題とされている一方で、

実際には文系志願者が相対的に増えているようです。

日経新聞より。

 

www.nikkei.com

(会員限定記事となっております。ご了承ください)

 

大学入学共通テストが(1月)17、18日に実施され、一般選抜が本格的に始まる。予備校が受験生の志望動向を分析したところ、理系より文系の人気が高まる「文高理低」の兆しが見えるという。受験生の志望動向は社会情勢を映すとされ、今回は就職活動で学生優位の「売り手市場」が影響したとの見方がある。

 


今回の共通テストは新学習指導要領に対応した試験の2年目で、

前回新設された「情報Ⅰ」を含め、7教科21科目が実施されました。

得点調整なし、との発表もなされ、

すでに受験生は2次試験に向けて追い込みをかけていることでしょう。

 

そして、河合塾が2025年10月に実施した共通テストの全国模試では、

模試受験者(約23万人)のうち文系志望者が52%を占めたそうです。

上のグラフにもある通り、文系志望の割合は7年続けて

前年を下回ってきましたが、今回は増加に転じています。

河合塾教育研究開発本部の近藤治主席研究員はこうおっしゃいます。

 

「景気悪化で就職状況が厳しくなると

 医療や福祉など資格取得につながる理系学部の人気が高まり、

 良くなると受験生が自分の関心で学部を選ぶようになり文系人気が高まる」

「法や経済など実学志向の文系学部の人気が再び高まってきた」

 

こういうコメントを見るにつけ、

では今年の新入生が大学を卒業する時、つまり就職の際には

景気はどうなっているのだろうか、などと考えたりしてしまいます。

(私自身がバブル期に大学進学し、その崩壊後に卒業したからかもしれません)

社会の動きは進路に大きな影響があるとは思うのですが、

18歳の進路選択においてはそれ以上に、

自らの人生設計に思いを馳せる機会になればと願う気持ちもあります。

 

そして学校の進路指導も、

あまりに景気に左右されすぎてはならないのではないか、

とも思います。

上記河合塾の近藤氏は、

「どんな学部を選んでも、大学では文理横断の学びが待ち受けている。

 受験生には『文系だから』『理系だから』と一部の科目を切り捨てるのではなく、

 広く学んでほしい」

とおっしゃっています。

 

現代の子どもたちが生きていく未来はおそらく、

文系、理系で切り分けられたものではないでしょう。

専門性とは異なる経験や知識が専門性をより広く、深いものに

してくれることを先人たちは証明してくれてもいます。

高校までの時間が幅広で豊かなものになるように期待しております。

 

(文責:吉田)

www.ysmc.co.jp

学校経営情報No.96(2026年2月号)を発刊しました

本年度もあと2カ月となりました。

今年の冬は寒さが厳しいですね。元気にお過ごしでしょうか。

 

年度末が近づくと、学校は年度末ならではの事務処理に加え、

卒業生の送り出し、そして新入生の迎え入れと、

本当に慌ただしい日々が続くことと思います。

2月は日数も少なく、余裕を感じにくいひと月ではありますが、

だからこそ、一息ついて落ち着くことを大切にしたいですね。

 

さてこのたび、弊社情報誌を発行いたしました。

下記リンクからご覧ください。

www.ysmc.co.jp

 

今号の目次は以下の通りです。

  • 【巻頭言】たまには写真もいいもんだ
  • 2025年度セミナープレイバック!
  • 私学財務アカデミー第2期受講者募集のお知らせ
  • 【財務分析活用術】収入関連指標(1)
  • 【Y's NEWS】学校経営ブックレットがネット注文可能に!
  • 【School Management Review】学校地震対策、全国で差

 

今号では、本年度中に私が講師を担当させていただいた

セミナー・研修会をすべてご紹介しております。

他社様主催のものも含まれておりますが、

貴校園での研修企画にも多少のお役に立てるのではないか、

と思いますので、ぜひともご覧ください。

 

そして、私学財務アカデミーは来年8月から

第2期講座を開催いたします。

www.ysmc.co.jp

 

予算編成が佳境を迎えるこの時期、

本講座のご受講をお決めいただく絶好の機会かと存じます。

貴校園でも「次世代の財務のプロ」を育成いただきたく、

ぜひともご参加をお待ちしております。

残り2席となっておりますのでお申込みはお早めに。

 

なお、講座の詳細について知りたい、という方には

【無料個別ガイダンス】を随時開催しておりますので、

弊社宛にご連絡いただければ幸いです。

 

それでは今月も素敵なひと月になりますように。

 

(文責:吉田)

www.ysmc.co.jp

社長が若者に託すメッセージ

1月最後のブログ記事は、年始のひと月にふさわしいともいえる、

若者へのメッセージを採り上げます。

日経新聞より。

 

www.nikkei.com

(会員限定記事となっております。ご了承ください)

 

2010~24年ごろに生まれた「α(アルファ)世代」は人工知能(AI)とともに育ち、社会の分断や格差、気候変動など私たちとともに社会課題に向き合う。日本の有力企業は経営判断においてα世代を強く意識する。社長たちは未来を託す若者に何を伝えたいのか。

 

この記事は、日本経済新聞が2025年11~12月、

国内の主要企業の経営者を対象に実施したアンケート調査に基づくもので、

アンケートでは85人から回答が得られています。

 

まずは、α世代に向けたメッセージにはこのようなものがあったそうです。

「困難に直面した際に、誰からの指示がなくても主体的に動き、

 困っている人にも積極的に手を差し伸べる大人になってほしい」

西武ホールディングス・西山隆一郎社長)

「『異端』であることを恐れるな! 『異端』こそが将来のリーダーとなる」

名古屋鉄道・高崎裕樹社長)

「9勝1敗より10勝90敗たれ。

 たくさんの失敗から学ぶことが、より豊かで大きな成長につながる」

サントリーホールディングス・鳥井信宏社長)


記事には、テキストマイニングで作成された「ワードクラウド」も

掲載されていました(下図)。

「協働」「社会」という言葉と、

「一人ひとり」「多様」という、ごく表面的には相反しそうな言葉が

それぞれ大きく表示されているのが時代を映しているような気もしますが、

皆様はどうお感じになるでしょうか。

 


ちなみにこのアンケートでは、

学校教育で最も重視すべきだと思う項目も尋ねられていて、

最も多かった回答は「自分で考える思考力」(84%)、

続いて「他者と協働するコミュニケーション力」(71%)、

「新しい価値を生み出す創造力」(55%)となっています。

方向性としてはすでに学校現場でも認識されているものが

並んでいるようにも思いますが、さて実態はどうでしょうか。

 

 

日本経済新聞が2025年11~12月、

α世代1100人に対して実施したアンケート調査では、

未来に対して「明るい」との回答が「暗い」との回答と拮抗した一方、

経営者の96%は「明るい」と回答しています。

 

未来の社会を明るくできるかは、

若い世代にそれを残す責務を負う大人世代にかかっている、

とも思うのですが、

さて私たちはそのような責任を果たせるでしょうか。

学校もその重要な一部を担っていると思います。

ぜひ豊かな未来を残せるよう、頑張ってまいりましょう。

 

(文責:吉田)

www.ysmc.co.jp

社債買う宗教法人・学校

私学における資産運用の軸は債券と言えるかもしれません。

最近は社債が多く活用されているというニュースです。

日経新聞より。

 

www.nikkei.com

(会員限定記事となっております。ご了承ください)

 

国内社債市場の拡大が続いている。2025年度の発行額は過去最高ペースだ。26年度も起債額の増加が見込まれるなか、「買い手」として頼りにされる投資主体がいる。宗教法人や学校法人、財団法人といった非営利団体だ。物価高を受けて、ため込まれた現預金43兆円が動き出し、企業と証券会社が群がる構図となっている。

 


日銀の資金循環統計によりますと、2025年9月末までの3年間で、

学校法人を含む非営利団体は国内社債を3兆円買い越しています。

これは個人向け社債を積極的に購入する家計(同4兆円)に次ぐ大きさで、

社債発行残高に占める保有シェアは下のグラフの通り、

2003年以来の高さまで上昇しています。

 

 

このような状況になっている一つの理由は「物価高」にあるようです。

学校法人では校舎の建替えが必要となる時期が近づく中、

少子化等による生徒減によって収入確保に苦しむ例も多くなっています。

建築コストの上昇分を資産運用益で何とかしたい、

と考えるのは自然かもしれません。

 

宗教団体や学校法人といった諸法人はかつて高リスクの仕組み債に手を出し、痛手を負った。一部の学校法人は損失の大きさから社会問題にも発展した。そのトラウマから積極運用には及び腰だったとされる。日銀の資金循環統計によると非営利団体の現預金は43兆円に達し、保有資産の約6割を占める。

 

今後に向け、私学でも資産運用の必要性は高まっていくことと思われます。

その際、重要になるのは運用方針とルール、そしてガバナンスです。

大学法人は別として、規模の小さい法人においては

資産運用専属の担当者を置くことは難しいでしょうから、

難解な商品を対象とすることは控えたほうがよいでしょう。

そして法人として運用管理をしっかりしていくためのしくみを持ち、

貴法人の収入確保を図っていただければと思います。

 

(文責:吉田)

www.ysmc.co.jp