寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

大阪の学校経営コンサル会社/株式会社ワイズコンサルティングが、学校経営に関する情報を収集し発信するブログです。

ネット広告費、TV超え

マス広告の代表、そして広告効果の高さが言われてきたTVCM。

今は昔、ということなのでしょうか。

日経新聞より。

 

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電通は11日、2019年にインターネットの広告費が地上波のテレビ向け広告費を初めて上回ったと発表した。ネット広告は前の年と比べて19.7%増の2兆1048億円となり、媒体別で首位になった。テレビの視聴時間が減る一方、動画などをスマートフォンで見る人が増え、広告主が従来型のメディアからネットへシフトした。

 

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上のグラフを見るとネット広告の増え方のすさまじさを感じます。

二次関数的ですね。

対してテレビ広告はじりじり下げています。

この理由が「スマホ」にあるとのこと。

ネット広告の伸びを支えているのがスマホの普及だ。博報堂DYメディアパートナーズの調べでは、10年から19年にかけて1人当たりのテレビの視聴時間は2時間52分から2時間33分に減った。一方、携帯電話を操作する時間は25分から1時間57分に増えた。スマホで自宅や通勤時間に動画などを見る生活スタイルが定着しつつある。

 

さて、私学でも広報、生徒募集は大きな課題ですよね。

塾頼みの広報活動が現時点では最大の方法論なのでしょうが、

自らの発信がなされている私学のほうが魅力がある、

と映るのは私だけではないでしょう。

 

方法もいろいろ、媒体もいろいろ。

貴校園の広報活動を一度見直してみてはいかがでしょうか。

 

(文責:吉田)

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高校の文・理コース分け 労働生産性低迷の要因に

働き方改革の大前提は「労働生産性向上」。

しかし、その課題にはこんな要因があったという指摘です。

日経新聞より。

 

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村田治・関西学院大学長は、国際学力テストの数学の成績と国の経済成長率や生産性は正の相関関係にあるのに、数学の成績がトップクラスの日本が当てはまらないのは、高校の2、3年で文系・理系に分かれ、数学の学習をやめる生徒が多いからだと指摘する。

 

上の文章を読むだけで、なるほどなあ、と思わされます。

私は文系でしたが、私立文系の受験者は軒並み

数学の履修がなくなっていたことをおぼろげながら思い出します。

 

この記事で紹介されているいくつかのエビデンスによりますと、

・国際学力テストの数学スコアと経済成長率等の間には

 正の相関関係が観察されるとの研究成果がある

・日本の数学の学力はOECD加盟国でトップクラスにありながら、

 近年の労働生産性労働生産性成長率は下位に低迷する

という事実が浮かび上がっています。

確かに、記事に掲載された下の図を見ると、

日本が全体の傾向からやや外れた位置にプロットされているのが

見て取れますね。

 

 

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このようなことがなぜ起こるか。

その原因が文理選択にある、と筆者は指摘します。

 

多くの高校は早ければ2年生、遅くとも3年生になると文系と理系にコースを分ける。13年3月の国立教育政策研究所「中学校・高等学校における理系選択に関する研究最終報告書」によると、高校3年生全体に占める理系コースの比率は約22%である。

(中略)

高校1年生段階まではOECD加盟国でトップクラスの数学リテラシーを誇っていたわが国の高校生は、その後、文系と理系のコース分けによって、80%近くが数学を学ばなくなってしまう。このため、十分な数学リテラシーを伴った人的資本の蓄積が進まず、わが国経済において技術進歩やイノベーションが起こりにくく労働生産性上昇率が鈍化していると推察される。

 

自分の高校時代を再び思い出しますと、

数学は得意と苦手がはっきりする教科の代表格で、

好きなら伸びるし、嫌いになると足を引っ張られてしまう、

場合によってはそのことが他教科にも影響する、

といった性格を持つ科目だったような気がします。

 

筆者の提案はこうです。

一刻も早く、高校段階での理系と文系のコース別編成を止め、全ての生徒が数学3まで学べようにすべきだと考える。さらに、AIの理解に必要な微分が数学3の範囲であることを考慮すると、現在の高校段階での文理の区別を止めることは喫緊の課題である。そのためには、初等・中等教育段階から数学それ自体の面白さを生徒に伝える工夫も必要となる。

 

今後の進展が大いに期待される、

データサイエンスや人工知能(AI)の世界においては、

数学の素養が欠かせません。

少なくとも高校までであれば「面白い数学」を実現することは

十分可能な気もしますので、

特に私学においては将来を見据えた科目選択、

そして授業の改善を進めていただければと思います。

 

(文責:吉田)

 

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「仕事と対価」に入念な点検

労務の話題が続きますがご容赦ください。

今日は同一労働同一賃金に関する注意点についてです。

日経新聞より。

 

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4月から始まる正規と非正規の従業員の間で不合理な格差を禁じる「同一労働同一賃金」ルールの施行を前に、大企業が対応に追われている。正社員や派遣社員の雇用状況や待遇、各種の手当てなどを確認したり見直したりする過程で、様々な問題が浮かび上がっている。労務トラブルを防ぐためにも「仕事と対価」の入念な点検が必要になっている。

 

近時、企業の労務担当者と顧問弁護士の間で、

賃金や手当の支給根拠についての確認がなされることが増えているようです。

正社員と非正規労働者の業務内容が同じ場合には、

基本給や手当などの待遇差が禁じられるようになる中で、

何の職務の対価か説明できない手当などがあると、

途端に違法状態になる危険性が否定できないからです。

 

さて、貴校園にはそのような給与、手当等はありませんでしょうか。

同一労働同一賃金ももちろんのことですが、

給与制度を考えるにあたって、

「何のための支給なのか」

が明確でないものは極力なくしていくことが望ましいでしょう。

 

そして、記事の中には、こんな気になる内容が指摘されていました。

 

正規・非正規の待遇差を禁じる厚生労働省ガイドラインには、対象に「家族手当」や「住宅手当」が入っていない。住宅手当は、正社員に転勤の可能性があるかといった企業や職場の事情に合わせて判断する必要がある。家族手当も価値観の多様化や独身者の増加を背景に「見直す企業が増えている」(水町氏)。

 

賞与など賃金体系の見直しが必要になる場合もある。ここでもポイントは合理的かどうかだ。賞与を単純に「基本給の数カ月分」と機械的に決める仕組みが不合理と認定される可能性があるという。安西愈弁護士は「基本給に職能制を導入したり賞与に成果を反映させたりするといった見直しが必要」と指摘する。

 

特に後段の賞与の記述はかなり引っかかるところがあります。

学校の場合、基本給の○ヶ月分としているケースが圧倒的、と言えます。

これが不合理だとすると…各校園での見直しは必須ということになります。

この点については慎重に情報を集め、状況を見極める必要がありそうです。

 

記事には給与制度のチェックポイントが分かりやすく図示されていましたので、

最後にそちらを引用させていただきます。

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(文責:吉田)

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「未払い残業代払って」急増

転職希望者が増えている昨今。

こんな問題も出てきているようです。

日経新聞より。

 

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企業が未払いの残業代を請求されるケースが増えている。人手不足で転職者が増え、新しい会社に移る前後に残業代の支払いを求める人が増えた。4月からは法改正で請求できる期間も延長される見通しだ。働き方の見直しが進み、企業も厳格な労務管理を迫られる。

 

記事によれば、残業代を巡るトラブルが増えている背景として、

2つの要因が挙げられるようです。

1つめは働き方改革の本格化によって、当局の監視が厳しくなったこと。

労働基準監督署の勧告を受けて残業代支払いに応じた企業数は、

2018年度に1768社と、5年前より25%も増えたそうです。

まずはこの点、私学においては十分に留意しておくべき情報ではないでしょうか。

 


そして2つめが人手不足を一因とする転職者数の増加。

在職中は人間関係や処遇など、働く環境の悪化を懸念して

権利主張に関して控えめな労働者が多いものですが、だからこそ、

未払い賃金の請求は退職を機に行われることが多くあります。

そして、未払い賃金の請求を受けた場合には

気をつけるべきことがもう一つあります。

 

未払い分を請求された企業が支払いを拒むケースは少ない。裁判になり企業側の対応が悪質と判断された場合は、制裁として未払い分と同額の付加金が課される可能性がある。

 

さてこの4月から施行予定の法改正の影響で、

残業代請求が急増するとの懸念があるようです。

残業代を含む未払い賃金を企業に請求できる期間(消滅時効)は

これまで2年と定められていましたが、4月以降は3年になる見込みです。

そしてこれが将来的に5年になるかもしれない、ということです。

 

 

学校でまず行うべきは労務管理、時間管理でしょう。

誰がどのくらいの勤務時間になっているのか、

その情報をしっかりと集めて管理することが重要です。

そのうえで、残業が発生する場合にはお互いがそのことを認識して、

責任ある業務遂行がなされる必要があります。

 

企業はトラブルを避けるため、これまで以上に「残業させる場合は明確に命令を出すようになるだろう」(労働問題に詳しい日本大学安藤至大教授)。例えば決められた時間内に仕事が終わらず、自発的に残業したいときや、時間外に仕事で必要な勉強をしたいときに、会社の許可を得なければ、設備が使えないなどの制限を受ける可能性がある。自発的な仕事でも後に発覚すれば、その分の賃金を払う必要が生じる可能性があるからだ。

 

新年度、新学期はもうすぐです。

労務管理のご準備も怠りないようにお願いいたします。 

 

(文責:吉田)

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資金繰り相談3万件

オリンピックの延期も決まりましたね。

昨今のウィルスの影響の大きさは計り知れません。

当然、事業者の資金繰りも厳しさを増しています。

日経新聞より。

 

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新型コロナウイルスの感染拡大により、企業の資金繰り対策が当面の重要課題となっている。公的機関窓口への相談件数は約3万件に達し、観光や飲食だけでなく、製造業を含む幅広い業種に影響が広がっている。政府はすでに支援策を打ち出したが、中小企業の手元資金は1カ月分程度とされる。優良企業でも事業継続が難しくなる恐れはなお残る。

 

まずは、貴校園の手元資金がどのくらいあるか、確認してみてください。

学校の場合、ここ1ヶ月のことで収入源が断たれたわけではありませんので、

現時点で資金繰りが悪くなっているケースはあまりないと思いますし、

通常のケースでいえば、私学には数ヶ月分程度の手元資金を確保されていることが

多いだろうと思います。

 

一方で、記事にある通り、中小企業の手元資金は1カ月程度しかないことが

少なくありません。

3月の1ヶ月がほとんど止まってしまうと、

企業はたちまち経営危機に陥ってしまうのです。

給食業者さんをはじめ、学校と取引のある事業者さんのことを思うと

なおのこと危機感が募ります。

 

政府が1月末に日本政策金融公庫や商工組合中央金庫などを通じて全国1千カ所以上に設けた窓口には、3月9日時点で企業から累計3万件を超える相談が寄せられている。うち9割が資金繰り相談だ。相談件数は5日間で約1.9倍に増えた。経済産業省は11日、同省として中小企業向け相談窓口を開設した。

 

 

下のグラフを見ても、相談数が多くなっているのが一目瞭然です。

 

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今は3月。

学校にとっては年度末で、保護者からの入金タイミングとは

異なる時期を迎えているのが不幸中の幸いです。

しかし、4月以降に休校等の措置が発生したらどうでしょうか。

万一入金が滞り、人件費をはじめとする支出が先行すると、

それだけの資金留保がなければたちまち経営に行き詰まります。

こう考えれば、手元資金の確認は非常に重要なテーマであることに

お気づきいただけるのではないでしょうか。

 

 

私学在校生にはご家庭が事業主というケースも少なくないでしょう。

そちらへの配慮も必要になってくるかもしれません。

一刻も早くこの状況が打開されることを願いつつ、

私学でもあらゆるシナリオを想定せねばならないでしょう。

 

(文責:吉田)

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進まぬ遠隔授業、休校に無力

昨日に続いて、近時の情勢を踏まえた学校の対応について考えてみます。

日経新聞より。

 

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休校措置で真っ先に問題視されたのは

「誰が子どもを預かるのか」

という点でした。

しかしながら、以前のこのブログでも書かせていただいた通り、

「子どもを預かる」のは学校の副次的な機能です。

もちろん、すでに学校や幼稚園は平日の子どもを預かる場所として

保護者の生活を組み立てる大前提になっていることは十分理解しています。

が、本来、その前に考えるべきは、

「授業をどうするか」「学習環境をどう確保するか」

であろうと私は考えます。

 

そこで出てくるのが「在宅での学習」という方法。

貴校園ではこれを実現できる手段をお持ちでしょうか。

記事にはこれを実現した学校の例が掲載されていました。

 

「この図形の問題は後期にやりましたね」「解答に三角形のマークを書かないと減点になりますか」。和歌山大学教育学部付属中学校(和歌山市)に通う1年生の女子生徒は私服姿で自宅の学習机に着き、タブレット端末を使った数学の「授業」を受けていた。

新型コロナウイルスの感染拡大に伴う政府の要請を受け、同校も2日から臨時休校となった。現在の1年生から入学時にタブレット端末を購入させていたため、急きょビデオ会議用アプリを使った補習を用意。数学の担当教諭は「30年の教師生活でカメラに向かって授業したのは初めて。まだ慣れない」と苦笑する。

 

公立校はまだまだこの点で遅れているのが現状です。

が、私学もまた、それほど状況に変わりがないとしたら…

それはこの機会にぜひとも一度考えてみていただきたいと思います。

 

 

経済協力開発機構OECD)の18年の調査によると、デンマークでは生徒の54%が日常的にコンピューターを使って宿題をしているが、日本は3%にとどまる。エストニアでは29%が学校のウェブサイトにある資料をほぼ毎日学習に利用しているが、日本では3%しかいない。

 

守るべきは「やり方」ではなく、「教育効果」ですよね。

つまり、効果を得るために、方法はより良いものを求めていく必要があります。

今回の事態で奇しくも、遠隔授業という方法を持つことの重要性が

理解されつつあるのではないでしょうか。

今こそ、よりよい方法論を考えてみたいものです。

 

(文責:吉田)

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休業、非正規にしわ寄せ

学校、幼稚園はそろそろ春休みの時期に入りますが、

今年は例年とは異なり、早いうちから休暇期間に入らざるを得なかった、

というケースが多くなっています。

その中で私がとても気になっていることは、

非常勤教職員さんの「生活」のことです。

日経新聞の記事を引きながら考えてみます。

 

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新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、立場の弱い非正規労働者が苦境に陥っている。感染拡大に伴い、従業員を休ませたり、在宅勤務を導入したりする企業が増えるなか、休業期間の扱いや賃金の支払いなどで正社員と比べて不利に扱われているためだ。

 

 

記事に最初に登場するのはある航空会社に勤務する女性の例ですが、

業種によって程度の差があるとはいえ、

勤務調整で最も影響を受けるのはいわゆる「非常勤」で働く皆さん、

ではないでしょうか。

続いて記事に出てくるのが非常勤教員です。

 

ある公立中学校の非常勤職員として勤める女性は、学校が臨時休校になり、翌日からの勤務停止を告げられた。休業中の手当はないと説明されたという。

 

さて、このたびの学校の休業によって、確かに業務がなくなり、

休暇を余儀なくされる教職員さんが多く出ることはやむを得ないでしょう。

しかしこの場合、休業補償の対象にはならないのでしょうか。

記事にもこの点が書かれています。

専門家の間では、新型コロナウイルス流行の影響で罹患(りかん)していない従業員を休ませるのは会社側の責任に基づくとみられている。「国が非常事態宣言を出した場合は別だが、現時点で会社の営業休止を判断するのは会社の自主的な行動」(労務問題に詳しい弁護士)として捉えられることが多いためだ。

労働基準法には、会社側の責任において労働者を休業させた時は休業期間中に「労働者の平均賃金の6割以上の手当を支給しなければならない」と定めている。森田多恵子弁護士は個別の事情にもよるが、「多くの場合で休業手当を支払う必要があるだろう」と指摘する。

 

私学でも対応が分かれているところではないか、と思うのですが、

収入が立たれてしまうことが生活困窮に直結するようなケースも

ないわけではないでしょう。

その一方で、私学の場合には今回の休業で授業料を返金する、

あるいは補助金が減額される、といったことにはならないだろう、

と思われます。

(もちろん、4月以降はそうはいかないと思いますが…)

であれば、短期的に資金繰りが悪くなることも考えにくいと思われます。

 

先行き不安な状況ではありますが、普段の学校の活動を支えて下さる、

非常勤教職員さんへの配慮も忘れないでいたいものです。

仮に休業手当を一律的に支給することが難しくても、

個々の事情に応じて支援することがあってもいいのではないでしょうか。

 

この記事にはこんなことも書かれています。

 

非正規労働者の間では今後は休業にとどまらず、雇い止めも多発するのではないかとの不安が広がる。連合の総合運動推進局の山根木晴久総合局長は「まず非正規など立場の弱い人たちが真っ先に切られる可能性がある。(派遣切りなど)リーマン・ショックの時のようなことが起きないように国が支援する必要がある」と政策対応を強く求めている。

 

それぞれの学校や幼稚園ができることは決して多くないかもしれません。

しかしながら、よりよい職場づくりのためにも、

今回のような事態を受けて、立場の弱いスタッフにも

気を配ることができる経営体でありたいものですね。

 

(文責:吉田)

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