寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

大阪の学校経営コンサル会社/株式会社ワイズコンサルティングが、学校経営に関する情報を収集し発信するブログです。

私大下宿生への仕送り過去最低

昨日はちょっと長くなってしまったので、

本日のブログは端的に。

日経新聞から、こんな統計のご紹介です。

 

www.nikkei.com

(有料会員限定記事となっております。ご了承ください)

 

この調査は2020年5~7月に実施されたもので、

埼玉、千葉、東京、神奈川の4都県の私立大9校に入学した

新入生の保護者5382人から回答が得られたものです。

 

首都圏の私立大に2020年度入学した下宿生への仕送り(6月以降の平均)は月額8万2400円で、1986年度の集計開始以降、過去最低だったことが5日、東京地区私立大学教職員組合連合(東京私大教連)の調査で分かった。東京私大教連は「新型コロナウイルスの影響で保護者の収入が減ったため」と分析し、国による支援拡充が必要としている。

 

下のグラフを見ると、概ね減少傾向が続いていることが分かります。

2019年度に上昇に転じたことがむしろイレギュラーと言えるかもしれません。

 

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減少の原因は何なのか、といった点も紹介されています。

自由回答では「以前は学費の心配をしたことはなかったが、(最初の)緊急事態宣言後は大幅な減収になり不安が募る」「(子どもが)予定していたアルバイトができず、授業料の支払いが困難。中退も考えなければならない」などと新型コロナの影響で家計が悪化したとの訴えが目立った。

 

仕送り額から家賃を除いた生活費は1日当たり607円と

こちらも過去最低だったそうです。

仕送り額全体としては8万円台ですが、

1日600円では生活はかなり苦しいでしょう。

 

私学にとって家計の状況は募集や収入に大きな影響を及ぼします。

状況を注視して、必要な施策を打ちたいですね。

 

(文責:吉田)

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未踏のデジタル学校改革

コロナ禍で一気に進んだ学校のデジタル化。

ただ、そう言えるのはそれまでがあまりにもお粗末だったから?

そんな内容の記事が掲載されていました。

日経新聞より。

 

www.nikkei.com

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学校教育のデジタル化を掲げる「GIGAスクール」構想。もともとその目玉にタブレット配布はあった。前倒しになったのは、新型コロナウイルスによる昨春の一斉休校で、海外ではリモート授業が行われているのに国内でできないという現実に直面したからだ。政府は補正予算で計3千億円の端末代を計上。4月からは高校にも配備される。「環境整備はあとから追いかける」(文部科学省関係者)にわか仕込みの政策である。

 

記事の書き出しから辛辣な表現になっていますが、

私たちは自校園、あるいは目の前の状況だけを見て

「かつてない進歩だ」と評価しがちなのに対し、

本記事の筆者が比較しているのは海外の状況です。

 

日本の立ち遅れは深刻だ。経済協力開発機構OECD)の調査では学校の授業でICT(情報通信技術)を活用する度合いは最下位にある。

学校へのICT導入に30年以上携わってきた内田洋行の大久保昇社長は2000年以降、学校のデジタル化で日本がシンガポールや韓国に追い抜かれるさまを目撃してきた。「学校だけではない。日本はついこの間まで経団連会長の机にもパソコンがなかった。あわてないで今こそ着実に進めるべきときだ」と話す。

 

経団連会長の机にパソコンがなかった、というコメントに失笑したのですが、

なるほど、学校だけでなく、社会そのものが

デジタル化に後ろ向きだったのかもしれませんね。

 

今後、学校のデジタル化をさらに進めるための課題を、

この記事は整理してくれています。

私学経営にも大きく関わる点かと思いますので、

以下見ておくことにしましょう。

 

まず1つめ。通信環境の課題です。

かなりの教室の通信環境がクラウドを活用できる水準に達していない。文科省の昨年3月の調査によるとWi-Fiが使える普通教室は48%にすぎない。すでにタブレット学習を始めている学校もあるが、子どもたちがWi-Fiにつなぐと回線が容量を超えて画面がフリーズする例が相次いでいる。

 

私学の場合はさすがにこれよりも高い数字になるのだろうと思うのですが、

それでも通信環境が脆弱というケースは私も見聞きしています。

施設面の問題もあるため簡単にはいかないという学校も多いでしょう。

下のグラフを見ても、まだまだデジタル機器の利用時間は短いのが現実。

通信環境整備が今後の大きな課題であることは間違いなさそうです。

 

 

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2つ目はデジタル人材が学校現場に足りないこと。

本記事の筆者はこんな経験をされたそうです。

筆者が経験したのはある教委とのメールのやり取りがすべてBCCで返送されてきたことだ。BCCは通常、送り先には知られたくない相手に同報する際に使う。そうではなく、自動的にすべてのメールをBCCにすることで、誤って別の人に同報してもアドレスが流出しないようにしているのだ。リスクは減ってもメールのマナーは育たない。

情報教育が専門で教委で働いた経験もある中川一史放送大教授は「何かが起きる前に『臭いものに蓋』の風潮がないとはいえない。それならば外部とつながらない環境で失敗する経験を積ませ、そのプロセスを学校で段階的に共有していくことが子どもの学びにつながる」と話す。

 

危うきに近寄らないだけでなく、何が危ういのかを知ることこそ学び、

とも言えるでしょう。

それをしっかり教えられる人材が学校には必要です。

 

最後の3つ目の課題は「ゴールの設定」。

このブログでも何度か書かせていただいていますが、

デジタル化は手段であって目的ではありません。

この記事にもこう書かれています。

端末の配布は、学校改革の始まりであって終着点ではない。デジタル化で得られる学習データを教育の高度化に生かす必要がある。

ゆとり教育で、東大生の学力は低下傾向が見受けられた。だが別の能力が上がっているかもしれない。学習データがあればそれがわかる。授業中に子どもがつまずいたところがわかり、即座に直すこともできるようになる」

東大生産技術研究所の退職記念講演で、喜連川優同大特別教授(国立情報学研究所長)はデータを活用した教育改革についてこう話した。

 

さてGIGAスクール構想は今後どんなふうに

デジタル化を進めることになるのでしょうか。

ハードの普及の先には、「確かな内容」が求められること必至です。

ぜひ貴校園でもソフトの充実に向けてお取組を深めていただければと思います。

 

(文責:吉田)

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外国人留学生1割減 コロナ影響で28万人

留学生にとって、この1年は途方に暮れる時間だったかもしれません。

日経新聞より。

 

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日本学生支援機構は(3月)30日、2020年5月1日時点で日本の大学や日本語学校などに在籍する外国人留学生が27万9597人で、前年から1割減ったと発表した。文部科学省などによると、新型コロナウイルスの影響で来日できず、海外からオンラインなどで授業を受けた学生2万人程度も集計に含んでいるという。

 

下のグラフが状況をつかむのに分かりやすいと思います。

オンラインで授業を受けた留学生2万人程度を含めたとしても、

前年より1割減った、と報じられています。

 

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特に前年から大きく減らしているのは、以下2つのカテゴリです。

・大学の非正規課程(1万169人)→前年比54.6%減

日本語教育機関(6万814人)→同27.4%減

 

私学では短期留学のプログラムをお持ちのケースもかなり多いと思いますが、

それも軒並み中止されたことと思います。

海外への留学が難しかったのと同様に、海外からの留学も難しく、

大学側が短期受け入れプログラムを中止・延期した影響が

上記「大学の非正規課程」の大幅減に至った主因といえます。

 

貴校園にとっての国際交流は、これまでどんな形で展開されてきたでしょうか。

そして、今後はそれをどのように継続、あるいは変化させるご予定でしょうか。

子どもの時期に異なる文化に触れることは大切ですよね。

その機会をどう確保していくか。

難題ですが、教育機関としての知恵の出しどころかもしれません。

 

(文責:吉田)

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授業の質をAIで分析

そういう時代が来ているんですね。

日経新聞より。

 

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「AIなんかに評価されてたまるか」

と、表題を見ただけで毛嫌いされる教員さんもいらっしゃるでしょう。

お気持ちはよく分かります。

が、授業をより良くしていくためのひとつの視点としてAIを活用してみる、

ということはあってもいいのではないでしょうか。

 

コニカミノルタは2022年度にも、小中学校の教員向けに自身の授業を分析できるサービスを発売する。授業の映像などを人工知能(AI)が分析し、生徒の様子や習熟度合いなどを確認する。データを活用して、若手教員の育成を効率化する。

 

教室にカメラとマイクを設置。教員と生徒の動きや発言を記録することで、

「教員が重要なポイントを板書で示した時に生徒が注目したか」

「意見を求めた時に発言があったか」などを数値化するそうです。

さらには、生徒がデジタル教材を使って課題を解いた時のデータとも

組み合わせて、習熟の遅れや課題の取組時期なども把握できるとのこと。

客観的なデータを取れるという意味では活用の余地が大きそうです。

 

教員の採用倍率が低くなっている中で、

人材不足を何かしらで補う必要性も高くなっています。

本記事のAIデータを基に、指導役の教員が若手教員に助言することで、

教員の研修効果を高めるねらいもあるそうです。

なかなか興味深いですね。

 

(文責:吉田)

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公立小35人学級 本格始動

クラス当たりは少人数化が進みそうな気配です。

日経新聞より。

 

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公立小学校の1クラスの定員の上限を40人から35人にする改正義務教育標準法が(3月)31日、成立した。すでに導入済みの小1を除き、4月1日から小2、1年後には小3と段階的に対象とし、2025年度には全学年で「35人学級」となる。教室内を広く使えたり、個別指導がしやすくなったりと歓迎する声がある一方、教員の確保や質の維持などで課題も多い。

 

以前のこのブログでも採り上げましたが、

日本の学級規模は国際的にみて大きくなっていることはご承知かと思います。

それを副担任等の配置によって補うことで、

子ども1人あたりの教員数は一定の水準を確保しているのが現状です。

 

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そういう現状がありつつ、今後はクラスあたりの人数そのものを少なくする、

ということにするようですね。

小1については2011年度からすでに35人学級となっていますが、

今回の改正法により、残る5学年の定員を2021年度から5年かけて減らすそうです。

「教室が広く使えるのは『密』になりにくく子どもたちが安心できる」

という都内の小学校教員のコメントも紹介されていますが、

時節柄、そういった意味での少人数化は避けられないかもしれません。

 

ただ、一方では少子化が進んでいる日本社会。

学校基本統計などによりますと、2019年度に36人以上の学級となっているのは

実に9%止まり。しかも大都市に集中して存在しており、

東京、埼玉、愛知、神奈川、大阪でその56%が占められています。

 

となると、今後の課題は大都市を中心とした地域における、

教室の確保、教員の確保です。

貴校園のクラス内児童・生徒数は現状、どのくらいでしょうか。

私学の場合には経営面を考慮せざるを得ませんので、

極力1クラス当たり人数を大きくして、固定費を抑制する、

といった方針の学校園も多いことでしょう。

 

今後、公立を中心に少人数学級が増えていくことになります。

私学はどう考え、実際に何人学級にしていくのか。

中長期を見据えたプランニングが重要です。

 

(文責:吉田)

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遠隔授業、非常時容認へ

これもひとつの規制緩和、といえるのでしょうか。

日経新聞より。

 

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政府は(3月)29日、新型コロナウイルスで特例を認めている遠隔授業について、2021年度以降も非常時に限り容認することを決めた。コロナ以外の感染症や災害発生時にも、小中学校では一定の条件を満たせば授業と位置づけるほか、高校や大学では単位制限を緩めるなど、教育現場でのオンラインの積極的な活用を促す。

 

密を避けねばならない、となったときの学校運営の難しさは、

この1年で各校園ともに嫌になるほど経験してこられたことでしょう。

一方で、そんな事態の中でも学習環境を確保し続けるため、

現場の先生方はもちろんのこと、学校に関わる方々は皆知恵を絞り、

また数々の手配をし、1年を乗り切られたことと思います。

 

その際のひとつのハードルになったのが

「遠隔授業は授業として認められない」という規制。

コロナ禍は早く収束してほしいと強く願ってはいるものの、

そうならない場合、さらには別のウィルス等で同様の事態が起こった場合、

遠隔授業をはじめとしていろいろな形の学びが展開できるように、

制度が後押ししてくれることはとても大切なことですよね。

 

通信制を除く高校は卒業に必要な74単位のうち36単位までの遠隔授業を認め、大学では上限60単位としてきたが、コロナ下の遠隔授業については制限内に数えなくてもよいとした。こうした対応を21年度以降も非常時に限り認める。

 

上限がどのように定められているのか、詳細は存じませんが、

授業時間数全体の半分を下回るように、

といった安直?な決め方でないことを願うばかりです。

この1年間の経験を基にするならば、

対面の授業でなくてはならないカリキュラムが明確になった裏返しで、

遠隔授業でも十分であるカリキュラム、あるいは

オンラインのほうがむしろ適したカリキュラムもまた、

明確になってきたのではないかと思います。

それは教科によっても異なるでしょうし、インフラによっても異なるでしょう。

このあたりの裁量があれば、

学校の授業はこれまで以上に有用なものになる気がするのですが…

 

記事にはこんなことも書かれていました。

非常時以外には、不登校や病気で学校に来られない子どもが自宅や病院で遠隔授業を受けた場合、出席扱いとして学習成果を評価することも認める。同時双方向型やオンデマンド動画などを活用し、対面と遠隔を融合させた柔軟な指導も促す。

 

非常時にどうするか、も当然考えておくべき大切な事柄ではあるのですが、

よりよい学びのためにどんな授業形式が適しているのか、

というのは日常により深く関わる問題です。

規制は致し方ないとして、貴校園なりの望ましい形を確立すべく、

今年の授業でもチャレンジがなされることを期待しております。

 

(文責:吉田)

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都内人口 2カ月連続減

人の動きがやはり変わってきているようです。

先月のニュースですが共有させてください。

日経新聞より。

 

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東京都が(3月)29日発表した3月1日時点の推計人口は1394万2024人で、前年同月に比べて9767人減った。2カ月連続で前年を下回った。新型コロナウイルスの影響でテレワークが普及し、都心部を中心に他県へ人口が流出。転出者数が転入者数を上回る「転出超過」の状況が続いている。

 

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上のグラフは縦軸に省略部分があるので極端に見えてはいますが、

それでも東京都の人口減は確実に進行しているように見えます。

直近の数字としては、前月比で1万891人減となっていて、

これで8カ月連続の減少だそうです。

東京23区に関してはすべての区で人口が減っていて、

江戸川区、世田谷区の順に減少数が大きかったとのこと。

 

2020年5月には1,400万人を突破するなど、

他地域からみれば羨ましくなるほど、

これまで東京都の人口は安定的に増えていた印象があります。

しかしながら今年2月に、なんと24年8カ月ぶりに前年を下回り、

3月も前年を下回りました。

コロナ禍は人の流れを大きく変えたようです。

 

 

貴校園が立地する地域の人口はどんな推移でしょうか。

そして今年は、出生率が大幅に減少する見通しも出されています。

人口は市場規模を推定するための、確実性の高い基礎情報です。

今後の計画立案のために、しっかりと情報収集しておきたいですね。

 

(文責:吉田)

www.ysmc.co.jp