今週はずっとAIのことを採り上げてきた気がします。
その流れで、これまでのブログにあえて水を差してみたいと思います。
日経新聞より。
(会員限定記事となっております。ご了承ください)
ノルウェー政府は小学校での人工知能(AI)の利用を禁止する。AIに依存して学力が落ちることを避ける狙いがある。教育現場でAIやタブレット端末の利用を制限する動きは世界で広がりつつあり、北欧では紙の教材に戻そうとするケースも出始めた。

ノルウェーのストーレ首相は6月19日、
小学校でのAI使用をほぼ禁ずる、と発表しました。
新学期が始まる8月に新ルールを導入し、上の表にもある通り、
6~13歳は利用を原則禁止、
14~16歳は教師の監督下で利用を段階的に認め、
17~19歳は学習や就職のための適切なAI活用法を学ぶ、
という手順をたどることになるそうです。
ストーレ首相は、児童の学力が低下傾向にあると指摘したうえで
「学校で生成AIを無批判に使うと、
学習の重要な段階を飛ばしてしまうリスクが高まる」
「学校教育で最も重要なのは読み書きや計算を身につけることだ」
と述べています。
そして、ノルウェー教育研究省の担当者も、
AIの利点とリスクを見極めるまでは
「学校教育では予防的なアプローチを取る必要がある」
とコメントしています。
仕事を効率化するAIと教育現場で使うAIは区別するべきだ、
とも説明されています。
すでにご承知の通り、ノルウェーは教育先進国として
日本では以前から紹介されてきていました。
デジタル教育にも力を入れ、1990年代にパソコン、
2010年以降にタブレット端末を教育現場に導入しました。
ところが近年学力低下が進んだとされ、PISAの順位も下がってきています。
そこで2024年に小学校から高校でスマホ使用を制限。
するとこんな結果が出たそうです。
ノルウェー公衆衛生研究所によると、女子中学生を対象とした研究ではスマホの使用禁止後に平均成績が向上し、進学校への進学率が上昇した。いじめの件数も減り、精神的不調で専門医を受診する回数は6割減った。
国連教育科学文化機関(ユネスコ)では2023年、
教育現場での生成AIの利用指針を策定し、
その中ではAI依存で生徒の主体性が損なわれ、
「知的能力の発達を阻害するおそれがある」と提起しています。
各国でAI使用に制限を加える例が増える中、
私たちはどのように対応すべきなのでしょうか。
まだまだ知見が十分ではない中、それでも舵取りをせねばならないとすれば
どのようにそれを進めていくのが賢明なのでしょうか。
将来社会でAIが一定の存在感を示すことは間違いないでしょう。
その用い方を子どもたちが学び、実践していくことは必要なことです。
一方で、情報の真偽の判別もつかないままに鵜呑みにすることは
非常に危険なことだと言えます。
その意味で、ノルウェーの首相の言葉にあった
「無批判に使う」というところがキーワードになるのかもしれません。
批判的に使えるよう、AIを学んでいきたいと感じました。
(文責:吉田)





