新年度が始まり、いよいよ学校も始動、ですね。
貴校園では今年度の経営課題は明確でしょうか。
本日ご紹介する記事は、先般中教審がまとめた答申の内容についての
中教審会長へのインタビュー記事です。
この記事は、学校が置かれている環境を踏まえた課題整理に役立つように思います。
年度初めの頭の整理にどうぞ。日経新聞より。
(有料会員限定記事となっております。ご了承ください)
中央教育審議会は1月、「『令和の日本型学校教育』の構築を目指して」と題する答申をまとめた。土台となった問題意識や小中高校の教育が今後目指すべき姿について、渡辺光一郎会長(第一生命ホールディングス会長)に聞いた。
というわけでこの記事、結構長いです。
その全文をお読みになりたい方は日経新聞をご覧いただくこととしまして、
ここでは私学経営における論点になりそうなキーワードを拾ってみたいと思います。
キーワード1:日本全体のデジタルトランスフォーメーション(DX)の遅れ、世界の中での劣後状態
→コロナ禍で明確になった、との言及がありました。
キーワード2:令和の日本型学校教育は立体的な多様化を目指すもの
→ソサエティー5.0(超スマート社会)のような未来からバックキャスト的に見ると変革すべき点があり、過度の標準化・同調性のような水平的画一化と、偏差値のような垂直的な序列化への反省に立っています。
キーワード3:多様性とセーフティーネットとしての包摂を同時に実現する視点
→積み上げてきた日本型学校教育の歴史と、コロナ後のニューノーマルのような未来を調和、融合させる、とのこと。
キーワード4:学校現場でのICT(情報通信技術)の活用
→個別最適な学びと協働的な学び、創造的で深い学びによって、一人ひとりの可能性を伸ばすことを目指しています。
キーワード5:デジタル技術と教育産業の力で教育を革新するエドテック(EdTech)への向き合い
→GIGAスクール構想を本物にするため、端末だけでなく、情報の共有や探索、教育活動全体の管理を可能にする総合的なシステムの構築が不可欠、と言及されています。
キーワード6:(教科横断的な学習を通じて実社会での問題発見・解決にいかしていく)STEAM教育の必要性
→高校の改革として打ち出されているもので、将来の生き方、特に就業と高校進学を関連づけることが期待されているようです。
キーワード7:スクールポリシー、スクールマネジメントの強化
→「高校の設置者が各学校の理念を明確にすることが重要で、それに向かって各校がマネジメントをしていく。そうしないと地域性を含めた各学校の位置づけ、個性が分かれてこないだろう」とのコメントが掲載されています。
キーワード8:履修主義と修得主義のハイブリッド
→中教審では、個別最適な学びとの関連で、皆が一定時間の授業を受けて次に進む「履修主義」を基本に据えたまま行くのか、学習を終えた子は先に進める「修得主義」を考えるべきかが論点になりました。これに関し、会長はこう述べています。
「多様性と包摂の視点に立ったとき、どんどん先に行く学習体験をした人がリーダーとしてふさわしいか、私は疑問。経済界のリーダーも高潔性が一番重視される」
「今のような状況では履修主義と修得主義、遠隔と対面など議論が二項対立になりがちだ。その落とし穴にはまるべきではないことを、答申では強調した。これが答申の精神だと思う」
キーワードだけを拾っても長文になってしまいました。
ご容赦ください。
本年度以降の学校経営において、念頭に置いていただければと思います。
(文責:吉田)