転退学者の行く先は通信制、という話を
各校園で頻繁に耳にするようになりました。
通信制高校の人気はもはや定着した感すらあります。
さてその実態は。日経新聞より。
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今回ご紹介する記事は、通信制高校の質の確保・向上に向け提言をまとめた
文部科学省の有識者会議の副座長を務めた私立高校長からの寄稿です。
通信制高校の開校は続いている。学校基本調査によると、生徒数は20年5月1日時点で20万人を超え、高校生全体に占める割合は6.3%に達した。少子化が進む中での拡大の原動力となっているのが角川ドワンゴ学園の「N高」に代表される私立通信制高校の人気校化である。
インターネットを活用して個々の生徒の希望に応じた学習や課外活動を提供するだけでなく、教員業務のICT(情報通信技術)化で6割以上の時間を生徒との関わりに充てる方針など、新たな施策を積み重ねる経営姿勢は評価に値する。ほかにも規模拡大に積極的な通信制高校は複数あり、多様に工夫された手法で教育を展開している。
このように現代において人気を博している通信制高校ですが、
質保証を巡る問題は後を絶たない、と筆者は指摘しています。
ウィッツ青山学園高の問題発覚がきっかけです。
就学支援金の不正受給、さらには遊園地で買い物をした際のおつりの計算を
数学として扱うなど、驚きの実態が当時報じられました。
4泊5日の集中スクーリングで朝から午後9時半まで、
1日13コマもの授業が設定されている事例もあったとのこと。
2008年に開校した通信制高校が経営難を理由に閉校、
生徒が学習中断、転学を余儀なくされたそうです。
不登校の生徒をはじめ、転退学の先として選ばれることの多い
通信制ですが、経営上の不安、カリキュラム上の不安を感じられる方も
決して少なくはないと思います。
ただ、その不安は、通信制だからということに限られるのではなく、
保護者や生徒にとってはどの学校に在籍していても、
多かれ少なかれ感じるものかもしれません。
中にいるのと外から見るのとでは、情報の非対称性もあり、
全く異なる景色が広がっていることも珍しくはないのです。
そのような視点で、自校園のことを捉えてみるのもまた、
学校経営を考える際には重要な気がいたします。
貴校園の学習の質はいかがでしょうか。
貴校園の経営の質はいかがでしょうか。
ぜひとも客観的に振り返ってみてください。
(文責:吉田)