人口減が学校数の減少を促しそうです。
日経新聞より。
(会員限定記事となっております。ご了承ください)
文部科学省は公立大学の新設を抑制する。学生を確実に集められる場合のみ認可するよう審査を厳格化し、教育の質の向上につなげる。2025年度以降に開設予定の大学、学部・学科に適用する。少子化でも30年で2.5倍に増えた公立大は転機を迎える。
まずは下のグラフをご覧ください。
これは今回の記事に付されていたものですが、
公立大学の学生数と学校数は概ね比例的に伸びてきていますね。
文部科学省の今年7月の推計によりますと、
全国の国公私立大の入学者数は、
2022年の63万人から2050年には49万人になるとのこと。
仮に入学定員が現状のままなら、定員充足率は80%まで落ち込みます。
このブログではずいぶん以前からお伝えしていることではありますが、
いよいよ規模適正化という名の縮小がすぐそこまでやってきた、
と感じます。
中でも公立大は、その新設が自治体判断に任されていることもあり、
また一方で経営に苦しむ地方の私大を公立化する動きも加わって、
ここ最近はかなりのペースで数を増やしてきました。
そこで、文部科学省は新たな申請書類作成の手引を
公立大、そして私大にも示すこととしました。
重視するのは競合校の状況分析だ。定員規模や学問分野などの類似性から「なぜその大学を競合としたのか」を説明させる。大学側は教育内容や奨学金制度、取得できる資格で優位性を証明する必要がある。開設から10年間、どの都道府県からどの程度の入学者が見込まれるかも示させる。
本来、学校の設置で求められるべきは「教育内容の質の確保」であって、
「入学者数の確保」ではないはず。
しかしながら上の文章を読みますと、
同業他社に勝てる要素があることを示すことが新設条件である、
と読めます。
学校同士を競争させる気満々、といったところでしょうか。
こういった文科省のスタンスを是とはしにくいのですが、
一方で、経営の健全化が大学をはじめ学校にも求められることは
今さら言うまでもないでしょう。
明日のブログでも私大のニュースを採り上げたいと思っていますが、
貴校園の健全な経営を維持するために、入学者数をはじめ、
経営要素への適時適切な目配せはもはや必須の時代です。
今回の記事を他山の石とされて、
貴校園の経営が永続するように配慮いただければと思います。
(文責:吉田)