今日のブログでは2つの記事をご紹介します。
同じテーマを扱ったものです。日経新聞より。
(会員限定記事となっております。ご了承ください)
文部科学省は(3月)22日、2025年度から中学校で使う教科書の検定結果を公表した。学習用端末で読み取って音声や動画などのデジタル教材を再生する2次元コード(QRコード)が100点中97点に載った。全小中学生に配った端末の活用を前提とした教科書づくりが加速している。
というわけで、自然な流れではありますが、
教科書にもデジタル素材がどんどん入ってきています。
実際に授業参観などにお邪魔してみると、
紙面ベースの教材に加えて、デジタル教材や映像などが
組み合わされることによって、興味関心を引きやすくなりますし、
理解が深まっている様子も見て取れます。
今回合格した英語教科書は全てで大半のページにQRコードが載り、
掲載数は中1で現行教科書の約1.6倍に増加したそうです。
発音チェック用のリスニング教材や会話の手本動画、
意見を書き込むシートに誘導する例が目立つとのこと。
三省堂の担当者は、生徒が自らのレベルに合った学び方を選べるようになるとし、
「自己調整をしながら学んでいく力を身につけてほしい」と話しています。
さてそこに課題はあるのか。もう1つの記事を見てみましょう。
同じく日経新聞より。
(会員限定記事となっております。ご了承ください)
2025年度から中学で使われる教科書の内容が発表され、生成AI(人工知能)に関する記述が登場した。子どものスマートフォン保有率が高まるなどインターネットに触れる時期が低年齢化するなか、ネット上のいじめや情報リテラシーを題材とした教科書も目立った。
ある中3道徳の教科書では「AIさんは僕の助っ人」という文章を題材に、
長い文章を読んだり書いたりするのが苦手な主人公が、
兄の助言でAIの力を借りて感想文を書いてもらった結果、
先生にも褒められ、クラスで発表するよう頼まれることになったが、
この文章に自分の考えや価値観は入っているのか、
と主人公が悩む様子が描かれているそうです。
他の教科でもAIの記述はいろいろあるようで…
中3公民のある教科書は「フェイクニュースにご用心」とのコラムで、近年はAIが大量の情報をもとに作成したディープフェイクと呼ばれる偽画像も出回ると指摘した。
技術科でも、AIの発達を中心に、モノがインターネットにつながる仕組み「IoT」や翻訳機械、遠隔手術の例を取り上げる教科書があった。
中2理科の教科書はコラムで生成AIを「対話型AI」として紹介した。問いかけに対してまとまった回答を出すため膨大な情報を吟味する必要がない半面、正確さなどを自分自身で判断しなくてはならないとした。
さて、このように見てきますと、教材はデジタル化やAI社会を反映したものに
どんどん変わってきている様子が見て取れます。
一方で、教える側の知識や技量はそれに見合ったものになっているでしょうか。
学校教員に限らず、日本の大人は勉強しない、研鑽しない、
というのがひとつの特徴にすらなってしまっていますが、
教鞭をとる先生方には決してそうなっていただきたくありません。
これまでの経験を土台にしつつ、新たな知識や教養、教育技術を身に付けて、
子どもたちのよりよい学びのために最善を尽くしていただきたいと思います。
そして、そのために経営側が準備できる環境とは何か、
校園として検討を続けていくことも同様に重要だと感じます。
学びの環境、働く環境が向上していくように努めたいものですね。
(文責:吉田)