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デジタル教科書で自ら学ぶ 24年度から小中で導入

デジタル教科書がいよいよ本格導入されますね。

日経新聞より。

 

www.nikkei.com

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2024年度から小中学校の英語で導入されるデジタル教科書について、従来型の一斉授業を転換させるという期待が教育現場で高まっている。自分のペースで課題に取り組める利点があり、実証事業では児童生徒から「勉強への興味がわいた」という声が多かった。教員の活用方法にはばらつきがあり、ノウハウの蓄積はこれからだ。導入効果を高めるためには指導力の向上が必須だ。

 

この記事に登場するのは東京学芸大付属小金井小学校。

今年4月から、5~6年の英語や小5の算数、全学年の国語と書写で

デジタル教科書の使用を開始されたそうです。

紙の教科書との併用で、児童は使いやすい方を自ら選んで

授業を受けているとのこと。

同校の担任教諭は「楽しんで授業を受ける児童が増えた」と

手応えを感じている、とあります。

大半がデジタル教科書を選択し、タッチペンで自由に書き込める仕様や

朗読の機能が理解の助けになるといいます。

 

授業の進め方も変わった。冒頭で教員が課題を示すと、児童はそれぞれ端末を操作して学習コンテンツを表示させ、ほかの児童と相談・議論しながら取り組む。教員はサポートに回ることが多く、一方的に内容を説明する時間は大幅に減ったという。

(中略)

約1万2千校が参加した21年度の文部科学省の実証事業では、主体的な学習に活用できたという声が多い。英語ではネーティブスピーカーによる音声機能を使い、自分が確認したい単語や文章の発音を繰り返し聞いたという事例があった。算数では各自が答案を端末上に書き込み、他の児童と共有して議論する取り組みが報告された。

 

一方で、大きな課題はその活用への意識なのかもしれません。

上記実証事業のアンケートでは、

教員の17%が「デジタル教科書を週に60分以上使う」と答えた一方、

「使わない週がある」とした教員が54%となっています。

そして、使わない理由として6割が

「効果的な活用法が分からない」と答えています。

もちろん、最初から効果的な使い方が分かるはずもなく、

試行錯誤を繰り返す必要があると思うのですが、

そこに意識や時間を振り向けることができるのか、

というのが根本的な課題なのかもしれません。

 

日経新聞には別の記事でこういったものもありました。

www.nikkei.com

 

文部科学省の実証事業に参加した児童生徒へのアンケートによりますと、

「デジタル教科書を使うようになって

 学習内容に興味を持てるようになったか」という質問について、

「当てはまる」「少し当てはまる」と答えた割合は、

全ての教科で5割を超えたそうです。

児童生徒が感じたデジタル教科書の利点は

「情報を集めやすい」「図や写真が見やすい」という点が多かったのに対し、

紙の教科書は「学んだことを残しやすい」という回答が多かったようです。

下のグラフでもその様子はよく分かります。

 

当然、各ツールには利点も欠点もあるだろうと思います。

そのいいトコ取りができるよう、各校園で各種ツール活用の意識を高め、

よりよい学びにつなげていただければと思います。

 

(文責:吉田)

www.ysmc.co.jp