公立校はどうあるべきか、ということを改めて感じさせられるニュースでした。
日経新聞より。
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特異な才能を持ち学校生活に悩みを抱える児童生徒らへの支援策が2023年度から本格化する。文部科学省の有識者会議が(9月)26日、学校現場での対応を求める提言をまとめた。突出した才能は「ギフテッド」とも呼ばれ、認知は広がりつつあるが定義は曖昧だ。教員らが特性を見いだし、効果的な指導・支援につなげられるかが課題になる。
今回の提言と文科省の予算要求についてまとめた図が
記事に付されていましたので、まずはそちらをご覧ください。
提言は「習熟の程度に応じた自由度の高い学習を取り入れる教育環境であるべきだ」として、過度な横並び教育からの脱却を促した。特性に応じた別教室での学習や、大学やNPOによるオンライン教育プログラムへの参加を可能とする環境整備を求めた。
「過度な横並び教育」は確かに問題がありますが、
公立校が備えるべきはむしろ
「誰しもが等しく一定基準以上の教育を受けられる環境整備」
ではないかと常々私は思っています。
ギフテッドがよりよく育つことはもちろん大切なことですが、
公立校においては、ギフテッドに限らず、すべての子どもたちに
標準的な学びの環境が与えられるべきであり、
ギフテッドだけに手厚さを、というのは少し疑問を感じます。
この点はむしろ公私間の役割分担において、
しかるべき教育機関にそれを任せるという考え方も
あっていいのではないか、とすら思います。
というわけで、私学のことに話を移しますと、
各校園で個々の子どもたちのよりよい育ちを実現しようとすれば、
ギフテッドをはじめ、個性を理解して教育を提供することが
求められるような気がします。
今回の提言や文科省が進めようとしていることを
自分事として捉えていただき、
よりよい学びや育ちの実現を図っていただければと思います。
ご参考までに、この記事に掲載されていた「実情」を
以下、引用させていただきます。
学校生活に困難を抱える子どもらの状況は深刻だ。提言に先立って有識者会議が実施したアンケートでは、算数や芸術などで特異な才能のある小学生約500人のうち28%に不登校やその傾向があった。
個別には「授業の雰囲気を壊さないように分からないふりをするのが苦痛」「自分のレベルに合わせた勉強は許されず、周囲に合わせるように叱られた」といった回答があり、悩みが浮き彫りになった。
私学に通う子どもたちがよりよい学びを実現できるよう、
各校園が継続して成長されることを願っております。
(文責:吉田)