寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

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コロナ下、学校の「日常」探る

貴校園でも「日常を探る」状況は続いておられますでしょうか。

日経新聞より。

 

www.nikkei.com

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新型コロナウイルスに感染する子どもが多い中、重症化リスクなどを考慮して各地で感染対策の緩和に踏み切る学校が出てきた。多発するクラスター(感染者集団)の件数に比べると、足元で休校や学級閉鎖は少なくなっている。部活動などで制限をなくし、日常の学校生活に近づけていく動きもある。対面再開が海外で本格化する中、教育現場の模索が続く。

 

この記事は今月初めに掲載されたものですが、

当時の厚生労働省の最新データによりますと、

5月23~29日に確認されたクラスター約650件のうち、

「学校・教育施設」は208件となっており、場所別で最多。

これに「児童福祉施設」の113件を加えますと、

子ども関連施設が全体の49%に上っています。

学校はクラスターが発生しやすい場所であることがここから分かります。

 


感染者全体に占める子どもの割合も高くなっていて、

5月31日までの1週間の年代別の新規感染者を見てみますと、

最多が10歳未満の18.8%、10代が15.9%となっており、

10代以下の新規感染者は全体の35%を占めています。

 

私自身も各校園にお邪魔する機会が増えているのですが、

都度耳にするのは、感染者はむしろ日常的になっている、

ということ。上記の統計が裏打ちされるような状況です。


そのような中で、学校での活動は止まっているのかといえば、

決してそうではなく、逆に、これまでの知見を活かしつつ、

集団での活動を実施する方向で組み立てている校園が多いように感じます。

文部科学省では、学校で新型コロナ感染者が出た場合の休校や

学級閉鎖の目安を示してはいますが、記事には

「大型連休明けの5月9日時点で、この目安に従い、

 休校か一部の学年・学級閉鎖を行った公立校は

 全国で612校(1.8%)にとどまる」

と書かれており、私学のみに関わっている私の実感に近い印象があります。

自治体の独自基準が設けられるケースもあるほか、

世界的にも学校での活動は平常時を想定してのものに移りつつあるようです。

 

厚労省の専門家会議は6月1日、子どものコロナ対策に関する提言を公表した。学校閉鎖について「健全な発達教育を阻害するばかりでなく、学習能力の低下が将来における社会全体の経済損失を起こす恐れがある」と指摘。運動会などの行事も「極めて重要な教育活動」とし、できるだけ実施するよう求めた。
感染症対策に詳しい関西福祉大の勝田吉彰教授は「子どもの重症化の事例は少ない。こまめな換気などの基本的な対策をしながら教育活動を両立させることが望ましい」と説明。「子ども自身に基礎疾患がある場合は、児童生徒同士が近づきやすい体育の授業を免除するなどの配慮も欠かせない」と話している。

 

学校関係者の皆様には体力的にも気力的にも大変なことと思いますが、

子どもたちにとってかけがえのない時期であることを改めて思い起こし、

決して無理のないよう、それでいて教育環境の確保に最善を尽くして

いただきたいと願っております。

 

(文責:吉田)

www.ysmc.co.jp