現場で働いておられる教職員各位、
そしてそれを管理しておられる管理職各位には、
何を今さら、という内容かもしれません。
日経新聞より。
(有料会員限定記事となっております。ご了承ください)
新型コロナウイルスの感染による休校が明け、首都圏など多くの学校で授業が再開された。こうしたなか、長時間労働に拍車がかかる懸念が出ているのが私立校の教員だ。私立校は労働基準法が完全に適用されるが、残業時間に関する労使協定(三六協定)が未締結だったり、公務員である公立校にならって残業代を抑え込まれたりしている例が目立つ。
私学に籍を置かれる皆様は既にご存知だったかもしれませんが、
今回の記事にはこんなことが書かれています。
私立校は働き方改革の遅れが目立ち、三六協定を結ばないまま残業をさせたり、残業代がきちんと支払われなかったりする例が目立つ。公益社団法人の私学経営研究会が2017年に実施した調査によると、回答した私立高の25%が勤務時間の管理に関する調査を労働基準監督署から受けた。指導にいたる例も目立ち、是正勧告を受けた例も8.5%あった。
正直なところ、学校であれば働き方は公私の別でそれほど大きく変わらないもの。
ところが公立校は教職調整額という伝家の宝刀?がある一方で、
私学にはそれが適用されません。
本来であれば公立校のしくみこそが非難されるべきところですが、
今回の記事においても「私学がルール違反を犯している」という論調です。
公私問わず、学校という職場においては、働き方を変えていく必要があります。
現状、なし崩しになっている勤務時間の長さは、
少なくとも質の高い業務、教育が実現できるくらいにまで
短縮を図る必要があります。
と同時に、教職調整額が固定残業代である以上、私学はもちろん、
公立校であっても、追加的に残業代を支払うのが当然です。
私の知る私学では、残業代をきっちり払っているケースがちゃんとあります。
が一方で、そうでない私学が数多く残っていることも知っています。
残業代を払っては経営がもたない。
そうおっしゃる私学経営者さんは未だに多いのですが、
社会のルールに則って経営し、そのうえできちんと活動を続けられる、
そんな学校経営こそがいい経営なのだと認めらるように、
各校園の意識と行動が変わって行くことが重要です。
そのためには、世間の認識も変えていく必要があるのかもしれません。
私学は公立校に比べ人的リソースが限定され、
かつ公立校であれば教育委員会が担っている「経営」も各校に委ねられ、
よりいっそう多忙であることも決して珍しくありません。
嘆きたい私学関係者さんもたくさんいらっしゃることでしょう。
が、あるべき姿に私学経営を持っていくために、
ゼロベースで経営を組み立ててみませんか。
限られた財源をどう配分するか、を考える際に、
教職員の働き方は最大の要素と言えるかもしれません。
この機会にぜひともご検討いただきたいテーマです。
(文責:吉田) www.ysmc.co.jp