先週末は公務員の週休3日制についてお伝えしましたが、
本日は教員の残業代について。働き方改革の本丸、かもしれません。
日経新聞より。
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若者らの教職離れが深刻になるなか、文部科学省が公立学校に優れた人材を呼び込むための待遇改善を本格的に検討する。有識者会議が(4月)13日、残業代を認めない代わりに給与を上乗せする制度の約50年ぶりの見直しや新たな手当を創設する案を示した。実現には財源の確保に加え、業務のデジタル化などによる働き方改革も急務となる。
学校業界に属していらっしゃる方にはすでによく知られていることですが、
現状、公立校では、残業代を支払わない代わりに
月額給与の4%相当を「教職調整額」として基本給に上乗せする制度が
存在しています(いわゆる給特法の定めです)。
法律ができた頃には残業時間が月8時間程度だったそうで、
これが4%の根拠になっているようですが、
2016年度の勤務実態調査では、教員の時間外労働は
小学校で月59時間、中学校で月81時間となっており、
実態に全く合っていません。
ただ、今回の有識者会議では多面的な検討がなされたようで、
記事にはこう書かれています。
有識者会議が13日に公表した論点整理は「制定当時の想定を大きく超える実態が明らか」とする一方、授業準備や研究など勤務時間の線引きが難しい特殊性を指摘した。民間企業のような時間に応じた残業代を支給すると、効率的に仕事を終える教員らの給与が相対的に減ることへの懸念も示した。
この有識者会議は教職調整額を引き上げる案を示していますが、
割合などには触れていません。その要因はやはり財源でしょう。
現状の残業時間に応じて引き上げるとなれば、
国費だけで年3000億円超の追加予算が要るとの試算もあります。
ちなみに、記事には海外の例も掲載がありました。
意外と残業代を支払う例は多くなさそうにも見えます。
そもそも残業時間の多さが全く異なっているのかもしれませんね。
今回の有識者会議では、現状からの変化の方策として、
職責や仕事の負担に応じた手当を創設する案が示されたり、
外部スタッフの拡充や教員が担うべき役割の絞り込みも議論されたそうです。
もちろん、制度の対象は公立校ですが、
その公立校のルールを準用している私学も少なくないでしょう。
ぜひとも公立校に先んじた変化を遂げていただきたいと願っております。
(文責:吉田)