対象はもちろん、大学だけではないでしょう。
日経新聞より。
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少子化で大学の生き残り競争が一段と激しくなる。文部科学省は(7月)14日、大学入学者数が2040年に51万人、50年に49万人になるとの推計を示した。総入学定員が現状のままなら2割分が過剰な状況が続くが、見積もりが甘いとの指摘も出ている。学生の質を高めるには定員の削減とともに、各校が教育改革で競う仕組みをつくることが求められる。
と、いきなり厳しめの文章から始まっているこの記事ですが、
人口の予測が私たちを裏切ることは少ないのも事実です。
下のグラフをみますと、進学率は上がったとしても
入学者数は大きく落ち込んでいくことは避けられないようです。
そして残念なことに、この推計は「楽観的」との指摘もあります。
少子化のスピードは予想以上であって、今回の推計のもととなっている
国立社会保障・人口問題研究所の18歳人口は、
2040年で82万人と見込まれている一方、
2022年の出生数は日本人だけで77万人、外国籍の子を入れても79万人。
2022年の出生児が2040年に18歳になることを考えれば、
楽観的であるとの指摘は外れていないようにも思います。
さて、入学者数や在籍者数が減れば当然、授業料や入学金が減少します。
そして私学の場合、頼みの綱となっている補助金も
おそらく減少してしまうでしょう。
日本私立学校振興・共済事業団によると、22年春の入学者が定員割れした私大は47.5%(284校)と調査開始以来、最も高くなった。私大の3割は赤字だ。
既に女子大では学生募集を停止する動きが広がりつつある。リクルート進学総研の小林浩所長は「不採算の大学部門から撤退する学校法人は今後も増えるだろう」と語る。
記事にはこうも書かれています。
生き残りのため学力不問の入試や極端な学費値下げといった安易な学生集めも広がりかねない。選抜機能の低下や資金不足による教育環境悪化は人材の質を劣化させ、国際的な競争力の衰退をもたらす恐れがある。
貴校園では、今後の更なる少子化を前提に、
どんなふうな中長期の想定や計画をされているでしょうか。
私学は大型船、舵を切ってもすぐに曲がれるわけではありません。
中長期を見据えての計画が、貴校園の永続を支えてくれます。
ぜひとも適切な規模設定をし、
そこに向かう道筋を明らかにしていただければと思います。
(文責:吉田)