昨日に続き、日経新聞に掲載された「教育の経済学」から。
本日は教育産業への企業参入の話題です。
(会員限定記事となっております。ご了承ください)
日本の社会は多様性を重視し、組織の強さの源泉ととらえるようになってきた。画一的な教育が変わる一つのきっかけになったのが企業による学校運営だ。
生徒に個別最適な学校が必要、という考えで2004年に作られたのが
通信制のアットマーク国際高等学校。
リクルート出身の日野公三氏が設立者です。
日野氏は発達障害にも対応した別の通信制高校を2009年に設置。
このように、通信制の高校はかなり増えていて、
全日制・定時制の生徒数はピークの1989年から半減する中で、
通信制は1.6倍になっています。実に、高校生の12人に1人が通信制。
特に私立の通信制高校は20年前の3倍にも達しているようです。
もちろん、背景には不登校の増加もあります。
ただ、なぜ不登校生が増えているのか、との問いに対して、
慶応大教授の中室牧子氏は「既存の学校が対応できていない」
と答えていらっしゃいます。
「従前の学校は明治時代以降の一斉授業から大きく変わっていない」
「通信制は一歩早く、仮想空間と現実を高度に融合させ、
一人ひとりに最適な学びを実現した学校もある」と話しておられます。
「起業したり、大人顔負けのプログラミングを書いたりと、
とがったことをする仲間と共に学べた」と話す小松史道さんは、
学校法人角川ドワンゴ学園が2016年に設立した、
通信制のN高等学校に通っています。
こういったことは全日制の高校では難しいのでしょうか。
もちろん、カリキュラムの制約はあると思いますが、
通信制しかとがったことができないというわけではないでしょう。
この20年ほどで働き方が変わり、デジタル技術の浸透で学校が提供できる教育の幅も広がった。学びの形も一つである必要はない。生徒の選択肢が増え、学校が個性を競い合うことで、革新を生む未来の人材が育ち、成長へとつながっていく。
おそらくどの学校でも、入学後の転退学者の増加が
経営上の問題になっているだろうと思います。
転退学が増えている要因を外にばかり求めていないでしょうか。
貴校園が変われば、卒業生が増える…のかもしれません。
(文責:吉田)