国の2024年度予算の編成が進んでいます。
毎年のことですが、年度の重点施策を見ておくことで、
貴校園の計画にも資するところがあると思います。
まずは少子化対策に関する予算措置について見ておきます。
日経新聞より。
(会員限定記事となっております。ご了承ください)
政府は(2023年12月)22日、少子化対策の強化に向けた「こども未来戦略」を発表した。2026年度までに国・地方合わせて年3.6兆円の追加予算を投じ、児童手当や育児休業給付を拡充する。税制改正では子育て世帯の優遇を盛った。巨額の支援策が出生増につながるかの検証も欠かせない。
主な施策をまとめた表が出ていましたので転載します。
貴校園に直接関連があるものもあるのではないでしょうか。
- 3人以上を育てる多子世帯の大学の授業料は2025年度から無償化
- 親の就労を問わず保育を利用できる「こども誰でも通園制度(仮称)」は2026年度から全国展開
- 4〜5歳児クラスの保育士の負担軽減のため、保育士1人がみる子どもの人数を25人にした場合に運営費を補助
といったところが私学経営への影響がありそうなところでしょうか。
ただし、こういった施策が出生増につながるかは不透明です。
京都大の柴田悠教授の試算によると、1人の女性が生涯に産む子どもの人数を示す「合計特殊出生率」の押し上げ効果は0.1ポイント程度にとどまるという。
柴田氏は「若者の結婚や出産を阻む一因は長時間労働だ。是正のために労働基準法の改正やデジタル化など政策が介入できる余地は大きい」と指摘する。
むしろ、職場環境の改善を図ることが、
貴校園でできる最善の募集対策になる、ということかもしれませんね。
もうひとつ、予算に関する記事を見ておきます。
同じく日経新聞より。
(会員限定記事となっております。ご了承ください)
政府が(2023年12月)22日決めた2024年度予算案は一般会計総額が112兆717億円と前年度から2.3兆円減らした。岸田文雄首相は「デフレからの完全脱却」に向け、医療から教育現場まで幅広い業種での賃上げに重点を置いた。
この記事では、「教育」関連の予算案として、
公立校対象の施策を中心にまとめられていました。
引き続き、キーワードは「働き方改革」になっています。
先ほどの記事からつながっているかのようです。
2024年度の文教関係予算は前年度比1.0%増の4兆563億円とした。公立小中学校の教職員給与に充てる国の負担金を増額し、初任給を5.9%引き上げる。教員の長時間労働の是正に向けて働き方改革の推進に重点を置いた内容とした。
- 負担軽減のため、小学校高学年で教科担任制を進め、必要教員を増員
- 教員が授業準備や指導に集中できるよう、代わりに事務作業を担う「教員業務支援員」をすべての公立小中学校で配置
- 長時間労働が深刻とされる副校長や教頭についてもマネジメント支援員を確保
- 学校への保護者の過剰な要求への対応を考慮し、学校管理職OBなどによる「学校問題解決支援コーディネーター(仮称)」を中心に行政も協力する体制を構築
といった内容が公立校で挙がっています。
さて私学はどうするか。
特に、事務との役割分担や、管理職の負担軽減などは
私学でも何らかの方策の実践が必要なのではないでしょうか。
次年度もぜひ、計画的に活動を進めてまいりましょう。
(文責:吉田)