こういう動き、広がっていくんですかね。日経新聞より。
(会員限定記事となっております。ご了承ください)
東京都は2024年度から東京都立大の授業料を免除する学生の対象を拡大する。これまで478万円未満だった世帯年収の条件を910万円未満に広げる。経済的理由で授業料の納付が難しい学生に教育の機会を提供し、子育て世帯の支援の充実を図る。
教育や子育てへの政策的援助と考えれば望ましいことなのですが、
そうとだけ考えていいものなのか、少し立ち止まってしまいました。
ちなみに、表題だけでは分かりにくいのですが、
先月の時点でこんな記事も出ていたんです。日経新聞より。
この記事自体は、関西万博の実施に向けた政治的アピール?
とも思える記事なのですが、
その中にさらっとこんな記述がありました。
また、両府県が進める公立大学の授業料無償化について、全国での実施を政府に呼びかける方針で一致。23年秋中をめどに、政府や担当の大臣らに要望活動を行うとした。大阪府は26年度までに、府内在住者を対象に大阪公立大学の入学金と授業料を完全無償化する方針を示しており、兵庫県も24年度から県立大学の授業料などを段階的に無償化する計画を明らかにしている。
これに対し、こんな記事もありました。
神戸新聞より。
兵庫県が表明した県立2大学の無償化方針を巡り、神戸市の久元喜造市長は22日の定例会見で「市の公立大で無償化は現時点で考えていない」と述べた。無償化に伴い、市内の私立大などへの影響や課題を見極める必要性があるとして慎重な姿勢を示した。
同市の公立大は市外国語大(同市西区)と市看護大(同)の2大学。久元市長は学生の世帯ごとに所得水準が異なることを挙げ、「所得に関係なく無償化することが公費の使い方として公正で適切なのか」と言及。「市の考えを市会に示し、議論していただくことが大事だ。その上で2024年度予算編成での方向性を見いだしたい」と話した。
大阪では先般より、私立高等学校授業料無償化という題目での施策が
実施に向け前進していますが、周辺自治体とそこに立地する私学を巻き込む
事態となっています。
公的な予算の使途はそれに見合った効果を生むこととともに、
他に使えばより効果的であろう事柄はないのか、といった観点も必要でしょう。
そして当然ながら、私学という存在そのものへの影響も考慮する必要があります。
公平な土台で切磋琢磨しあえる社会であってほしいと願うばかりです。
一方で、貴校園でも予算の使途は「去年と同じ」では芸がありません。
なりたい学校になるために、どのような分野にお金を重点配分するのか、
しっかりと考えて予算を決定する必要があるでしょう。
限られた財源をより効果的に、というのは国も自治体も貴校園も同じです。
今こそ将来ビジョンを明確にし、その計画を予算に反映させていきましょう。
(文責:吉田)