運動会シーズンはそろそろ終わりでしょうか。
今年もあちこちでその様子を見かけましたが、
確かにその多くが午前だけだった気がします。
日経新聞より。
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小学校の運動会で午前中だけの「時短」開催が定着してきた。新型コロナウイルスの影響は和らいだが、教員の勤務時間削減や熱中症予防にもなるとして引き続き種目を絞る学校が目立つ。弁当づくりが不要になるケースもあり歓迎する保護者も多いという。一大行事の姿が様変わりするなか、地域と子どものつながりの維持へ工夫を求める声もある。
運動会は当然のように朝から夕方まで、となっていたものが、
午前だけの開催に変化している昨今。
当たり前と思っていたことが、いろいろな背景のもと、
形を変えていくことは決して難しくない、
という好例と捉えてもよいのではないでしょうか。
下の絵を見ながら、自分の頃はあったなあ、と思いつつ、
でもそれがなくなっても教育効果が低くなったとは全く思えません。
記事が整理してくれている時短の目的は、1つに「教員の負担軽減」。
もう1つが「酷暑対策」です。
運動会の本番が短時間になれば、練習に充てる時間も短くできます。
考えてみれば、学校や幼稚園の行事では
「練習」に相当の時間が割かれているケースが少なくありません。
そう考えると、行事当日の時短以上に、その効果は大きくなるようにも感じますね。
一方、寂しさを感じる人もいる。今秋に午前開催した埼玉県の小学校の男性教員は「教員の負担は減ったが保護者の間では『盛り上がりに欠ける』との意見は根強い」と明かす。次回以降に向け全日開催に戻すことも含め校内で協議するという。
行事をはじめ、教育内容の変化には賛否両論が付きまといます。
100%の賛成を得られるように、と進めることは不可能と言ってもいいでしょう。
そこで重要なのが「目的」の確認と共有です。
何を狙っての教育活動なのか、をはっきりさせることで、
そのための手段としてこれまでの方法以上に適切なものがあるのではないか、
という発想に結び付けることが可能です。
運動会を丸一日やるよりも、半日にして別の活動を新たに加えるほうが、
よりよい教育が実現できるということを説明すれば、
おそらく多くの保護者にご理解をいただけることでしょう。
貴校園の行事は以前と同じ、あるいはコロナ禍を経て、
一度変化したものの元に戻ってしまった、
ということはないでしょうか。
子どもの育ちを中心に置いたうえで、
それが最善だと判断されたのであれば否定されるものではありませんが、
時代背景が変化する中で、以前やっていたことが最善、
ということは大きく減ってきているようにも思います。
ゼロベースで検討し、よりよい方法を見出したいものですね。
(文責:吉田)