連日、やや重いニュースのご紹介となりますがご容赦ください。
ここは目を背けてはならないと思うからこそです。
日経新聞より。
(会員限定記事となっております。ご了承ください)
NPO法人「全国不登校新聞社」などが18日に記者会見し、文部科学省が4日に公表した2022年度の問題行動・不登校調査で、不登校につながるいじめの「重大事態」の大半が見過ごされて実態を反映していない恐れがあるとして、調査方法の見直しを求めた。子ども本人が回答する形式が必要だとしている。
一昨日と昨日、ご紹介した統計の前提を確認しておきましょう。
統計調査の主体は文科省。
そして、その統計では、不登校となった児童生徒のうちで、
学校が判断した不登校理由が「いじめ」なのは0.2%(674人)となっています。
あくまでも、理由は学校側が判断しているんですね。
一方で、2020年度に実施された、別の文科省調査では、
学校に行きづらくなったきっかけを不登校の子どもや保護者らに尋ねており、
こちらの結果では「嫌がらせやいじめ」を選んだ割合が2割を超えています。
「0.2%」と「2割超」。誤差と言えるレベルではなさそうです。
統計調査というのは、一定の「事実」を物語るものとして
とても重要なものですが、形式的・客観的に要件が定まるものと、
そこに主観や恣意性が混入するものがあるように思います。
今回は調査主体によって事実の捉え方がまるで異なる例のようですが、
この捉え方によって重大事態に至ってしまうかどうかまで変わるとすれば、
とても怖いことだとも言えます。
ひとつに、統計を読む際には、きちんと条件設定を確認することの
重要性を改めて覚えておきたいと感じます。
さらには、同じような事柄の論拠を複数押さえておくことで、
それが客観的事実であるのかどうかをより強く証拠づけることができる、
とも感じました。
例えば弊社が皆様にご提供するデータにおいても、
そういったことに注意すべきことを再確認できました。
そしてやはり、いじめの重大事案が1件でも減ることを願いたいと思います。
(文責:吉田)