相談相手の重要性、必要性を考えさせられるニュースです。
日経新聞より。
文部科学省は6日、不登校を経験した小中学生へのアンケート結果を公表した。学校を休むことについて相談した相手は家族がほぼ半数だった一方、「誰にも相談しなかった」が40%前後に上った。
この調査は昨年12月、不登校になったことのある
小学6年と中学2年を対象に実施されたもので、
合計約2千人から回答が得られています。
学校を休みたい、と感じてから、誰に相談したのかを
複数回答で質問したところ、
「家族」が小6で53%、中2で45%といずれも最多であったものの、
「誰にも相談しなかった」が小6が36%、中2が42%に上っています。
家族が最多になることは当然だと感じる一方、その率の低さに驚きました。
自分のことをふりかえれば、ちょっと元気がないだけで
家族はすぐに見抜いてくるもの、という印象があります。
そもそも子どもたちにとって家族、特に保護者との関係性が
希薄になっているのではないか、とも思わされる調査結果です。
さらに、相談相手が「学校の先生」と回答したのがそれぞれ13%と15%、
「学校にいるカウンセラー」は8%と7%となっています。
仮に不登校の一定数についてその原因が学校生活にあるとすれば、
これらの率は決して高くないと言えそうです。
そもそも、この調査は複数回答可になっているわけですから、
家族にも学校にも相談した、という子どもが大多数いるのが自然、
とも言えるかもしれません。逆に、そのような状況があれば、
不登校の子どもたちはもっと減るのでしょうね。
教員や学校にいるカウンセラーに打ち明けるケースが少ないことを受け、
文科省は相談体制を充実させる必要があるとしているそうです。
さて貴校園の状況はいかがでしょうか。
学校が苦しければ無理に登校する必要はない、と考える一方で、
学校の存在意義のひとつは集団生活にある、とも思います。
居心地が最高、となる必要まではないかもしれませんが、
学校生活が小さな社会を経験する場として十分機能することを願っております。
最後に、記事に掲載されていた調査結果のいくつかをまとめておきます。
運営のご参考になれば幸いです。
<休んでいる時の気持ち(複数回答)>
・「ほっとした・楽な気持ち」…小6:70%、中2:69%
・勉強の遅れや進路に不安を感じている割合も特に中2で高かった
<休んだことの感想>
・「もっと登校すればよかった」…小6:25%、中2:30%(いずれも最多)
・「仕方がなかった」「何も思わない」…中2でともに15%
・「自分にとってよかった」…中2:10%
<どんな学校なら休まなかったのか(自由記述)>
・「差別やいじめがない、個性を認めてくれる学校」
・「静かで勉強の進みがゆっくりな学校」
・「規則だらけではなく、定められたルールの中で自由にできる学校」など
(文責:吉田)