寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

大阪の学校経営コンサル会社/株式会社ワイズコンサルティングが、学校経営に関する情報を収集し発信するブログです。

いじめ重大事態923件 小中高生の自殺411人

目を覆いたくなる数字です。

が、決して目を覆ってはならない、とも思います。

日経新聞より。

 

www.nikkei.com

(会員限定記事となっております。ご了承ください)

 

2022年度の「問題行動・不登校調査」によると、いじめの認知件数は68万1948件で21年度から1割増え過去最多となった。20年度は新型コロナの感染拡大を受けた一斉休校の影響で減少したが、全体として増加傾向が続く。

 

引用されている統計は昨日のブログでご紹介したものと同じです。

従来の文部科学省の定義を拡大した「いじめ防止対策推進法」の施行から

10年が過ぎ、学校現場で積極的な把握が進んだことで

件数が押し上げられていることは記事でも言及されています。

 

ただ、昨日のブログでも触れたとおり、

「重大事態」に至ればそうは言っていられません。

心身に重い被害を負ったり、長期欠席を余儀なくされたりするのが

「重大事態」で、923件というのは過去最多となっています。

 

そしてさらに気になるのは、以下の文科省の見解です。

 

「重大事態のうち4割がいじめとして認識されておらず、

 早い段階で対応していれば深刻化を防げた可能性がある」

 

いじめは確かに認識しづらいところから始まるものでしょう。

SNSなどを通じた「ネットいじめ」も増えていて、

こちらも2022年度は過去最多となっています。

見えにくいところにいじめの種は潜んでいます。

 

ですが、一瞬でも早く周囲が気づいてあげられれば、

その後の展開は大きく変化したはず。

その意味で、学校の役割は決して小さくないと思います。

 

悲しくも自殺に至ってしまった411人の中で、

要因として大きかったのは「家庭不和」「進路問題」だったそうです。

少しの変化に気づくことができるほど、

学校での教員と生徒の関係性は近いものがあります。

ぜひともその特徴をうまく生かしていただき、

声にならない叫びを拾ってほしいと願っております。

 

そして実はこの統計、問題点の指摘がなされています。

その問題点については明日のブログで。

 

なお今回の調査では、教員の体罰や、行き過ぎた指導を苦に自殺する

「指導死」についても初めて調査が行われています。

結果、小学生1人と高校生1人の計2人が該当すると確認されました。

絶対にあってはならないことであり、

今一度、各校園でチェックをしておいていただきたいと思います。

 

(文責:吉田)

www.ysmc.co.jp