寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

大阪の学校経営コンサル会社/株式会社ワイズコンサルティングが、学校経営に関する情報を収集し発信するブログです。

「学校行事」とは

実際に学校で働いておられる方が書いておられる記事、「学びや発」。

日経新聞で定期的に掲載されています。 

先日、学校行事に関するものが挙がっていましたので、

ご紹介させていただきます。

 

www.nikkei.com

(有料会員限定記事となっております。ご了承ください)

 

コロナ禍で夏休みが短縮されたケースは、

私学でもかなりの数に上るのではないでしょうか。

長期休暇の短縮がなぜ必要なのか、と言えば、

それは何より、授業時数の確保にあると思われます。

 

この記事の筆者もそのような動機から、

年間授業時数がどのくらい足りなくなるだろうかと、

夏休み前に計算してみたそうです。そこで驚きの結果が。

 

来年3月までに実施できる理科の授業は100時間。

学校教育法施行規則で定められているのは年間105時間。

ほとんどが今からの時数で足りることになる、というのです。

 

例年と遜色ない授業時数を確保できるのは行事がなくなるためだ。音楽会や運動会、学年を超えた交流をする縦割り活動といった行事とその準備に、1年のうち実に2カ月弱を費やしていることが浮き彫りになった。ある同僚は同じ学年の若手教員に「行事がない分、授業時数が多くあるから慌てず学習を進めよう」と話したほどだ。

 

おそらく、どの学校においても同じような感想をお持ちかもしれません。

事実、私も先日某私学を訪問させていただいた際、

授業時数の問題はほぼない、なぜなら行事がなくなるから、

というお話を聞いたばかりです。

ただ、学校行事がそれほどまでに大きな割合を占めていることに、

今さらながら驚かれた現場教員の方も多いかもしれませんね。

 

となると、学校行事は本当に必要なのか?という議論も起こりそうです。

筆者はこうおっしゃっています。

誤解しないでほしいが、行事をゼロにせよというのではない。縦割り活動などは一人っ子が多い現代では重要だろう。学習で力を発揮できない子どもが運動や音楽で輝く機会でもある。

ただ、行事に目を向けすぎて学習をないがしろにしている部分がある。行事の効果とそれに要する時間・労力が見合っていないことも多い。そうした実態を見直すことなく行事を優先するのは「行事中毒」だと思う。

 

さて、貴校園の行事はいかがでしょうか。

実施されているそれぞれの行事について、教育目的や効果は明確か。

同一の目的によって、多数の行事が、あるいは負荷の大きな行事が、

見直されることなく続いてはいないか。

 

時間の捻出のためだけに行事を廃するのもまた、

やや短絡的と言えるかもしれません。

同様に、これまでやってきたのだから、伝統があるから、

というだけで行事を同じ形で続けるのも、

やや工夫が不足しているのかもしれません。

 

筆者はこの記事をこう締めています。

私も同感です。時間のあるうちに、じっくりと、考えてみたいですね。

図らずも行事の機会がなくなる今年度。じっくり腰を据えて授業や学級経営に取り組んではどうだろうか。そして、各行事が本当に必要かどうか考えたい。

 

(文責:吉田)

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