その答えははっきりしているような気がしますが、
いつからそうなるのか、に注目したいと思います。
日経新聞より。
(会員限定記事となっております。ご了承ください)
大学入試は今の高校2年生が受ける2025年度入試から出題範囲が新学習指導要領に切り替わる。教科「情報」の登場を機にパソコンを利用した試験(CBT)の導入に踏み出す大学が出てきた。節目の年はCBT入試の普及元年ともなるだろうか。
この記事に登場するのは東京都調布市の電気通信大です。
昨年11月、学園祭でにぎわう同大のキャンパスで、
高校生向けの「CBT体験会」が開かれたそうです。
電通大では2025年度入試の一部でCBTを活用する予定とのことで、
対象は情報理工学域1類の総合型選抜と学校推薦型選抜。
新教科の情報と数学の基礎学力を測る120分間の試験をCBTで実施します。
例年の受験者数は数十人規模だそうですが、
CBTで情報の入試を行う初めての取組で、
果たしてどのくらいの受験生が来てくれるのでしょうか。
「CBT」は「コンピューター・ベースド・テスティング」の略称。
パソコン上で実施される試験です。
紙の試験と比べた場合の利点と課題は下の表にまとめてありました。
CBTであれば、問題の中で音声や動画を使うこともできますし、
プログラムを作成・修正する課題を出すこともできます。
さらに、その場で自動採点し結果を示すことも可能になります。
一方で、パソコンなどの機材や問題を配信するネットワーク環境の整備には
紙の試験より費用がかかりますし、
万一機器に不具合が起これば、その受験生は再試験になるかもしれません。
以前、大学共通テストでのCBT導入も議論されたものの、
50万人規模の共通テストでは場所・機材の確保など課題の克服が
当面難しいと判断され、頓挫しています。
大学入試センターは国際規格に準拠し、無償で利用できるCBTシステム「TAO(タオ)」の活用を支援。タオで情報の問題を出題できるツールの提供を始め、電通大のCBT入試にも協力した。同大学の植野真臣教授は「電通大が成功モデルとなり、ボトムアップでCBTを広げていきたい」と意気込む。
佐賀大でCBTに取り組んできた西郡大副学長は「CBTはあくまで基礎学力のチェックにとどめるべきだ」と話す。共通テストのようにわずかな点差が大きな影響を及ぼす試験ではなく、推薦入試などで選考資料の一つを得る手段として用いるべきだと提言する。
一方で、現在もCBTは着実に広がっている、とも記事は指摘しています。
全国の小6・中3を対象にした全国学力テストは2025年度から
中学理科がCBTに移行する他、司法試験も2026年からCBT化されます。
「デジタルネーティブ世代の能力を測るのに最適な手段は何なのかを、
じっくり考える必要がある」と記事の筆者は書いていますが、
能力を測るという意図とともに、今後の社会で活用されるスキルを
「伸ばす」という観点からも、試験の方法は重要な検討課題だと感じます。
さて私学の皆さんはどうお考えになりますでしょうか。
そして、貴校園の入試や試験の中身と形態はどのようになるのでしょうか。
そのお取組みに注目したいと思います。
(文責:吉田)