学校の試験のデジタル化もいよいよ進んでいくのか、
などと思わされるニュースもある中で、
試験をデジタル化することの難しさを示唆する記事が
日経新聞に掲載されていました。
(有料会員限定記事となっております。ご了承ください)
新型コロナウイルス対策として海外や民間資格の試験でデジタル化が進む中、国家試験の対応の遅れが目立っている。デジタル化には不正対策の構築などで時間がかかるという。2020年は多くの試験が延期や中止に追い込まれた。感染状況で試験の実施が左右されれば企業などの人材育成にも影響しかねない。
この記事で採り上げられているのは、
国土交通省が管轄する国家資格「運行管理者」試験。
この2月から始まるでは、従来の筆記に加え、
パソコンで受ける「CBT方式」を初めて導入する、とあります。
個人的に興味があったので、とある休日、
上記運行管理者試験のHPにアクセスしてみました。
するとそこに、「CBT試験のサンプルテスト」というボタンがあり、
試し受験ができるようになっていました。
そこにあったのは運行管理者の模試ではなく、雑学の試験。
あくまでも操作が試せるもの、イメージを確認するためのもの、
のようですが、実際にやってみると、
なるほどこんなにスムーズに進められるのか、
と感心しました。
もしご興味がある方はこちらからどうぞ↓
CBT試験新規受験申請|受験概要|公益財団法人 運行管理者試験センター
(ページの真ん中あたりにボタンがありますのでそちらから)
しかし、現時点でこのような対応をしている国家試験はごくわずかのようです。
厚生労働省によると、医師や社会保険労務士など同省所管の130種は21年も従来通りペーパー試験で行う。CBT方式やオンラインで受ける「IBT方式」の導入には替え玉やカンニングといった不正対策を試験ごとに整える必要があり、「検討に時間がかかる」(担当者)。
さらに、大学入試の関係者からはこんな意見も。
試験方法に詳しい大学入試センターの石岡恒憲教授は試験のデジタル化について「幅広い年代が受ける国家試験ではパソコン操作の慣れなど受験者のITスキルが合否に影響する可能性もあり、公平性の確保という検討も欠かせない」としたうえで、「感染リスク低減のため、できるものから進める必要がある」と指摘している。
入試を含め、学校の試験の場合には
年代の広がりはそれほどでもないかもしれませんが、
替え玉やカンニングをどうするかという課題はつきまといます。
が、もし今後の学習内容が知識だけではなく理解力にあるのであれば、
カンニングしようがない試験を作ることもできるのかもしれません。
そうなると、ますます各校園の作問力がカギを握ることも考えられます。
試験の形式や方法を考えることが、
教育内容を考えることにもつながりそうです。
ぜひ貴校園でもご一考を。
(文責:吉田)