寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

大阪の学校経営コンサル会社/株式会社ワイズコンサルティングが、学校経営に関する情報を収集し発信するブログです。

セミナーをふりかえって

先月28日。G20大阪サミット初日。

交通規制のかかった大阪・梅田で、

本年度2回目の学校経営セミナーを実施いたしました。

 

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Good&Newで和やかムードに

今回のセミナータイトルは

「学校教職員のキャリアデザインを考える ~働き方改革を踏まえた組織づくり~」。

キャリアデザインという言葉は耳馴染みのあるような、ないような…

そして、今回のセミナーで中心的に扱った「キャリアパス」という言葉も、

聞いたことがあるような、ないような…というもので、

開始前は、どのくらい興味を持っていただけるだろうかと不安に思っていました。

 

ところが、それはまったくの杞憂でした。

学校でキャリアパス制度をお持ちであるケースはまだほとんどないと思うのですが、

ご参加いただいた方は皆さん積極的にこのテーマに挑まれ、

途中のグループワークも時間が足りず、大盛り上がりでした。

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自校園でのキャリアデザインを考えておられます

 

昨今、学校にとって特に大きな課題となっている採用と定着。

この課題解決に効果的と思われるキャリアパスの考え方は、

皆さんのご興味を引くものであったようです。

アンケートには

働き方改革の参考になりました。

キャリアパスというテーマの設定に大きく関心を持つことができました。

・キャリアデザインの考え方が具体的に示されて、よく理解できました。

といった嬉しいコメントが並びました。

そして恒例のグループワークも、各校園の事情を共有する機会として、

皆様ご満足いただけたようです。

ご参加いただいた方々に、この場を借りて改めて御礼申し上げます。

 

昨日のブログでもお伝えしましたが、

次回セミナーは今回の続き、と言ってもいい内容。

いよいよ人事制度の本丸、

評価制度と給与制度について考える機会としたいと思っています。

皆様のご参加をお待ちしております。

 

(文責:吉田)

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7月がスタートしました

夏至を過ぎ、G20も過ぎ、7月がやってきました。

 

1学期も気づけば最終盤ですね。そして梅雨、暑い夏…

ここのところ、暑い夏に災害が付き物のようになっております。

この週末も、熊本などでは雨量がかなり多くなっているとの報道があり、

今後もまだ続くのでは、との予報をとても心配しています。

各校園におかれましては、施設設備の安全確保に努めていただき、

風水害をはじめとした自然災害がないことを祈念したいと思います。

 

さて月初のこのブログでは、情報誌の発行、

そしてセミナーの告知をさせていただいておりますが、

7月はいずれも予定がございません。

そこで、少し先の予定になりますが、9月のセミナーについて

ご連絡をさせていただきます。

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明日のブログでお伝えする予定ですが、

先週末に開催させていただきましたセミナーも

人事制度に関するものでした。

人事制度には「等級」「育成」「評価」「給与」の4種類があるのですが、

前二者が先週のセミナーで、後二者が次回のセミナー、

というふうに区別しています。

 

未来型人事制度。

特に評価と給与の制度について、ぜひご一緒に考えてみませんか。

少し気が早いですが、受付はすでに始まっています。

(すでにお申込もいただいております)

定員が少ないですので、ピンときた方はこちらからお申し込みください。

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それでは今月も素敵なひと月になりますように。

 

(文責:吉田)

中小企業、脱・新卒頼み

まずは本日午後、大阪・梅田で弊社主催の

学校経営セミナーを開催いたします。

前回を超える方々にお申し込みをいただいておりますが、

大阪市内はG20サミットの影響で道路の規制が多くなっております。

電車でのご来場をよろしくお願いいたします。

 

さて本題。

本日のセミナーにも深く関係している、人事・採用の話題です。

日経新聞より。 

 

www.nikkei.com

(有料会員限定記事となっております。ご了承ください)

 

8.62倍と1.83倍――。2つの数字が新卒採用の断面を示す。いずれも2020年3月卒業予定の大学生・大学院生対象の求人倍率だ。前者が従業員300人未満の企業、後者が全体の数字。大手企業が通年採用に乗り出すと、人材確保に苦しむ中小にしわ寄せが及びかねない。仕事を社外に任せたり、定着しやすい組織をつくったりする動きが広がり始めている。

 

 

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上の文章とグラフをご覧になって、どうお感じになるでしょうか。

企業規模が採用に与える影響はここまで大きくなっているのかと、

私自身、大変驚きました。

 

このような現実の中で、中小企業はどんな工夫をしているのでしょうか。

記事に出てくる内容をまとめてみますとこんなふうになります。 

  1. デザイナー不足の解消のため、インターネットを通じて個人に仕事を発注する
  2. 新しい人材を採用できなくても会社を回していけるよう、「定着しやすい組織」作りを進める
  3. 大卒の採用が厳しくなり、高卒に門戸を広げる

 

2点目については、「Employee Tech(エンプロイーテック)」

という調査が紹介されています。

この調査では「他の人に自分が働いている会社を勧めたいか」を社員に尋ね、

その推奨度が低い人が感じている不満をあぶりだし、

その不満が解消されるように経営改善を進めるもののようです。

 

調査はともかくとして、学校においても同様の方法、

すなわち現存の教職員が不満を感じていることを知ることで、

業務改善や処遇改善を行い、それが中長期的に採用環境の改善につながる、

といったこともあり得るかもしれません。

 

学校法人の場合、賃金水準は大企業並みであっても

規模の上では中小企業、というケースは決して少なくありません。

そして、給与を上げれば人が来てくれる、

という時代はすでに終わっているようにも思います。

働き方をどうするのか。将来に向けた取り組みが求められています。

 

(文責:吉田)

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私大 学部譲渡しやすく

私学の経営再編がいよいよ進んでいくのでしょうか。

こんな記事が日経新聞に掲載されていました。

 

www.nikkei.com

 

文部科学省は6日までに、私立大学間の学部の譲渡をしやすくするため関連法令を改正し、内容を全国の学校法人などに通知した。従来は学部を一度廃止して譲渡先の大学が改めて新設する必要があったが、より少ない手続きで可能になる。18歳人口の減少で大学経営は厳しさを増しており、同省は私大の再編・統合を後押しする効果があるとみている。

 

ある大学の学部を別の法人に移管させる場合、これまでは

  • 移管元の大学法人で学部廃止の手続をとる
  • 移管先の大学法人で学部設置の手続をとる

という、2つの手の込んだ手続きが必要となっていました。

経営状況や校地・校舎、教員数、教育課程などの審査も必要で、

大学側の負担が大きかったのですが、

今回の改正でそれがずいぶんが軽くなりました。

 

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この改正によって、単に学部を譲渡するだけでなく、

大学全体を吸収合併することもできるようになります。

記事には、関西国際大と神戸山手大が2020年4月に

関西国際大」として統合される予定であることが記されています。

このケースでは、神戸山手大に唯一設置されている現代社会学部を

関西国際大に譲渡するため、実質的に吸収合併されることになるようです。

 

このような仕組みが整備される、ということはつまり、

学校法人の再編を国が促進している、ともいえるでしょう。

それだけ学校法人の経営は難しさを増しているということです。

将来を見据え、自法人はどうあるべきか、

今こそ考えるべき時なのかもしれません。

 

(文責:吉田)

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初任給上げ、中高年は嘆息?

大卒初任給、上昇してきているようです。

日経新聞より。

 

www.nikkei.com

 

厚生労働省によると、2018年春入社の大学卒業者の初任給は前年比0.3%増の20万6700円と5年連続で増加し、過去最高を更新した。新卒採用が学生優位の「売り手市場」となっているのを背景に、人材獲得のため初任給を引き上げる企業が増えている。

 

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リクルートの20年新卒採用見通し調査では初任給の引き上げを、すでに実施か予定している企業が約半数に達した。例えば、みずほ証券は20年春の大卒初任給を1万円引き上げて25万5000円にする予定だ。ただ外資系などに比べて国内企業の初任給を含む処遇がなお見劣りするとの指摘もある。

 

近年は海外企業との人材の取り合いも激化していますから、

国際的な賃金水準を確保する目的もあって

初任給や中途採用者の給与も上がってきているのかもしれませんね。

 

ところが、このニュースにはこんなおまけがついてきました。

同じく日経新聞より。

 

www.nikkei.com

 

初任給を引き上げる動きが産業界で急速に広がっている。若年層やデジタル人材を取り込もうとする企業が処遇改善を競い合う。企業が成長を続けて収益を増やし続けない限り、中高年の給与にしわ寄せがいく。業績が低迷する電機メーカーや構造変化に見舞われる製薬などでは中高年の厳しさが増している。人手不足が年功序列を前提とした賃金制度を崩し始めている。

 

AIの登場により、現在の職種とは大きく様変わりしそうな今後の職場。

当然、未来に向けた人材確保が必要になる各企業においては、

若年層やAI時代に活躍が期待される人材層をめがけて人事施策を展開します。

初任給を上げると、その原資をどこから持ってくるのか?

この問いを考えれば、既存人材への配分を減らす、ということになるのは

当然の帰結かもしれません。

 

収益が伸び悩む大手電機メーカー。初任給は上昇しているが、全体の平均年収は低下傾向にある。50代男性社員は「働き方改革で残業代も減った。10年前の50代と比べて給与が少ないのは正直悔しい」と話す。

  

厚労省の賃金統計表をもとにした分析では、1000人以上の企業で働く40~44歳の男性の平均年収は、08年の797万円から18年は726万円に減少。45~49歳も50万円ほど下がった。一方で18年の25~29歳は08年より17万円、20~24歳も15万円増えている。

 

 

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私も各校園の賃金制度改正のお手伝いをすることがありますが、

その際にはどうしてもこの課題にぶつかります。

しかし、その給与水準が生活を脅かすものであれば問題ですが、

ある程度の上昇カーブを描いた後の金額なのであれば、

制度そのもののつくりを変えていくことに消極的であってはならない、

とも思います。

 

高度経済成長を終えたこの時代に、

自分たちよりも上の世代と比較してどうこう、という考え方よりも、

未来に向けて考えをめぐらすことの方が建設的ですし、

きっと気持ちよく仕事ができるでしょう。

 

実は、若手への処遇改善を目的とした制度改編で

マイナスの影響を受けるのはちょうど私と同世代の方々です。

第2次ベビーブーム世代は人生のあらゆるシーンで

ツキが回ってこないんですよね。。。そのお気持ちは本当によく分かります。

 

ですが、少なくとも、若手と年配とが対立する構図では何もまとまりません。

40代の方々の未来志向に立ったご高察こそ、

未来をつくる原動力になる気がするのですがいかがでしょうか。

 

(文責:吉田)

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人事が見る大学イメージランキング

いろんな学校のランキングがありますが、

一喜一憂しないように、と思いながらも、

ついつい気になってしまうのが人の世かもしれません。

今回は、産業界から見た大学ランキング、

それも人事担当者によるイメージを聞いた調査結果が

日経新聞に出ておりましたのでご紹介いたします。

 

www.nikkei.com

(有料会員限定記事となっております。ご了承ください)

 

日本経済新聞社は就職・転職支援の日経HRと大学イメージ調査を実施した。上場企業と有力非上場企業の人事担当者に、採用した学生から見た大学のイメージなどを聞いた。総合ランキングでは九州大学が首位になり、京都大学が2位だった。上位14校が国公立となり、国公立優位の傾向が目立つ。新たな研究領域の開拓や組織の見直しなどを求める一連の国立大学改革の政策も奏功しているようだ。

 

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この調査、各大学の学生のイメージについて

「行動力」「対人力」「知力・学力」「独創性」

の4つの項目で評価されたものとなっています。

 

総合ランキング1位の九大は「行動力」「独創性」でトップだったそうです。

 

九大は昨年、伊都キャンパスへの移転を完了。広大な敷地を生かし、あらゆるモノがネットにつながる「IoT」や人工知能(AI)など、先端技術の実証実験を進めている。2014年度からは自律的に学び続ける人材育成を目的とした基幹教育を導入した。

企業担当者からは「他大学にはあまりない専攻科目がある」(製造)、「留学生と一緒に生活をする学生の数が多いと感じた」(電気機器)などの声があった。

 

全体的に国立大学が上位を占めていて、

私学の奮起を求めたいランキングになっているのですが、

私立で唯一、項目別3位以内に入ったのが神田外語大学(「行動力」で2位)。

同大では

「語学力、専門スキル、異文化を理解する心を持ち、

 あらゆるシーンで臨機応変に対応できる」人材の育成を目指している、とのこと。

やはり目標設定は大切ですね。

 

一方、「採用を増やしたい大学」というランキングも発表されており、

こちらは西日本の私立大学が頑張っています。

1位は福岡工業大学

学生の主体的学習の促進に力を入れている。学生が自由に集まって、議論やグループワークができるよう共有スペースを設置している。「学生支援が手厚い」(機械)との声もあった。

 

ちなみに「採用を増やしたい大学」の上位は地方大学が多くなっています。

地方にも優秀な学生はたくさんいるはず、ですが、

これまでは積極的に採用することが少なかったのかもしれません。

ここにも採用難の現実が映し出されているのでしょうか。

 

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大学の取り組みに関する質問でトップにランキングされたのは、

 

「就職支援に熱心に取り組んでいる」→広島修道大学

「授業の質の改善に熱心に取り組んでいる」→昭和女子大学、続いて京都女子大学

 

でした。

各校園で力点を置くべきことを明確にし、

それを外向けにしっかり伝えていくことが重要ですね。

 

(文責:吉田)

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待機児童3割減

子育て支援施策が広がってきています。

都市圏で大きな問題だった待機児童の存在も、

少しずつ解決に向かっているのであればいいのですが。

そんな記事が日経新聞に掲載されていました。

 

www.nikkei.com

(有料会員限定記事となっております。ご了承ください)

 

「3割減」という表題に喜んだものの、そう単純な話でもなさそうです。

記事冒頭にはこう書かれています。

 

全国の政令指定都市と東京23区で、2019年4月に保育所に入れなかった待機児童数は計約3300人と、前年に比べ約3割減ったことが日本経済新聞の調査でわかった。保育所の定員数を増やすなどし、34市区で減少したかゼロとなった。ただ、6市区は増加し、都市部では保育需要の伸びから新たな待機児童が生じる状況が続く。

 

最も待機児童が多かったのは東京都世田谷区(470人)。

世田谷区は2018年度に保育定員を約570人増やしたそうなのですが、

保育の需要はそれを上回ったのですね。

さいたま市(393人)、岡山市(353人)、神戸市(217人)が

世田谷に続いて待機児童が多くなっています。

 

一方で、増加率が高いのは東京都北区で、なんと前年比で約3倍に急増。

全体としては減少傾向であっても、自治体によっては保育士不足等で

対応が追い付かず、むしろ増加している自治体もあるようです。

 

今年10月からは幼児教育・保育の無償化施策がスタートします。

こうなると、保育のさらなる需要喚起につながる、

という見方もあり、待機児童は増加する懸念も持たれています。

 

各園では無償化後の保育・教育の体制整備は進んでおられますか。

次年度以降も見据えつつ、定員管理、教職員配置、場所の確保等、

再度ご確認いただければと思います。

 

(文責:吉田)

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