寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

大阪の学校経営コンサル会社/株式会社ワイズコンサルティングが、学校経営に関する情報を収集し発信するブログです。

大阪府、府立学校における「働き方改革」に係る取組みについて

2017年、年間流行語大賞にもノミネートされた「働き方改革」。

今年も、スポーツ庁策定の「部活動の在り方に関するガイドライン」や、

勤務実態把握のためにICカード導入を決めた自治体などもあり、

働き方改革は、話題の中心となっています。

 

ただ、学校における働き方改革は、企業のそれと比べるとまだまだこれからの取り組みである感が否めません。

大阪府では、この3月に教育庁から「府立学校における働き方改革に係る取組み」が公表されました。

 

府立学校における働き方改革に係る取組みについて

 

概要を抜粋し、転載いたします。

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今回、公表された取り組みの中では、

定時出退勤日や、ノークラブ―デー(週休日)の導入の「検討」となっており、

具体的な対策を実施する、といった決定までは来ていませんが、

大阪府に先行して部活休養日を導入した市町村もあり、

今後、自治体の動きが更に活発になってくるものと考えられます。

 

働き方改革は、部活だけが問題ではなく、さまざまな要素が絡み合っていますので、

一朝一夕で解決できる課題ではありません。

自治体の後追いにならないよう、私立学校においても対応が必要ではないでしょうか。

 

そんな私立学校のみなさまの「働き方改革」の一助となるべく、弊社では

「学校における働き方改革と実践のポイント

 ~長時間労働を是正するための7つの段取力~」と題しまして、

セミナーを開催いたします。

www.ysmc.co.jp

 

このセミナーでは、学校や幼稚園の業務特性を踏まえ、

限られた時間で成果を上げるための方策について考えます。

他校の現状や、働き方を変える方法についても考えますので、

みなさま、せひご参加ください。

 

(文責:長森)

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和式が約6割!小・中学校のトイレ事情

学校施設の中でも、「トイレ」は重要です。

一日の中で、トイレは必ず利用するものですよね。

そんな学校のトイレ事情が新聞記事になっていましたのでご紹介いたします。

 

mainichi.jp

 

文部科学省が2016年の4月に実施した調査では、

全国の公立の小・中学校に設置されている便器、139万7,019個のうち、

洋式便器が60万5,322個、和式便器が79万1,697個で、

洋式トイレ率は43.3%でした。

 

公立小中学校施設のトイレの状況調査の結果について

 

公立の小・中学校のトイレの洋式化が進んでいるとはいえ、

正直、もっと洋式トイレが設置されているのではないかと思っていました。

半数以上が和式トイレであるという調査結果に驚いています。

 

記事にもあるように、学校のトイレというのは、

「5K(汚い、くさい、暗い、怖い、壊れている)」

の印象が強かったのですが、

2011年の東日本大震災以降は、

地域住民の避難所として活用されるようになり、利便性を求める声に応じ、

トイレの洋式化に力を入れる自治体も増えてきています。

 

1996年に発足した、トイレ関連企業でつくる「学校のトイレ研究会」では、

さまざまな学校トイレ事例が紹介されています。

 

大阪府立泉陽高等学校

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窓からの明かりが上手に取り込まれており、雰囲気が明るいですし、

床がタイルではなく乾式になっており、衛生にも気が配られています。

 

それ以外に、私立学校のトイレ事例もあります。

 

学校法人常翔学園常翔高等学校

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広い窓から差し込む日差しで、開放的で明るいトイレですね。

こちらは、高層階だからなせる業かもしれませんが…。

 

常翔学園の生徒の皆さんが、

トイレのアンケートに答えていますので、そちらもご紹介。

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このアンケートによれば、

全身鏡や自動で水が出る蛇口、擬音装置や温水洗浄便座など、

百貨店やホテルのトイレと同等の機能を喜んでいる生徒が多いようです。

 

トイレは、学校説明会などで児童・生徒だけでなく、保護者も利用する施設です。

学校の建替えや施設整備の際に、トイレのこともしっかり検討してみてください。

 

(文責:長森)

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大学等における「教職協働」の先進的事例に係る調査

まずは今週金曜日の弊社セミナーですが、昨日の時点で満席となりました。

お申込みいただきました皆様、ありがとうございます。

www.ysmc.co.jp

 

現在、キャンセル待ちでの受付とさせていただいております。

どうかご容赦ください。

 

 

さて教職協働、という言葉をお聞きになったことがあるでしょうか。

恥ずかしながら私、耳馴染みがありませんでした。

が今回、文科省HPにこんな調査結果の報告が掲載されました。

 

「大学等における「教職協働」の先進的事例に係る調査」調査報告書

 

この報告書はなかなかのボリュームですので、

ざっとご確認いただくには「概要版」が便利です。

 

「大学等における「教職協働」の先進的事例に係る調査」概要版

 

まずは結論から見ておきましょう。

概要版には「まとめ(先進事例の特徴)」というページが入っていますので、

そちらを引用してみます。

 教職協働の方向性,事務職員像
・「提案力」「マネジメント力」「経営感覚」
・教員が大学という組織の中でチームとして働くための「つなぎ役」

 教職協働の進んでいる業務分野
(1)従来の教員業務を事務職員が行うケース
(2)大学における新しい業務
(3)事務職員が行っていた業務に教員が参加

 教職協働を促進する上でのポイント
・教職協働の促進する体制づくり
 ⇒方針決定のための会議に事務職員が参加
  教職協働によるチーム編成で大学運営業務にあたる
・教職協働に関する働きかけの方法
 ⇒「学生のために」を軸に共有
  教員には「根拠」を示すことが重要
  成果を上げて信頼を得る
・事務職員の育成手法
 ⇒OJT(ローテーション,実践型研修),教職協働による研修の実施,社会人大学院入学

これだけを見てもあまりよく分からないところも多いですが、

今回のレポートの特徴は、実例からあるべき姿を導いているところです。

実例として、以下の各大学での取組が紹介されています。

【国立大学】
東京大学「プロフェッショナル人材の育成・確保」
愛媛大学「教職員が協働して研修を企画・運営」
公立大学
国際教養大学「教職協働で学生に深くコミット」
首都大学東京「管理職育成を見据えたキャリアパス
【私立大学】
共愛学園前橋国際大学「教職一体ガバナンス」
桜美林大学「提案型職員が活躍できる体制に」
芝浦工業大学「教職協働トップランナー
武蔵野大学「全学プロジェクトを教職協働で実施」
早稲田大学「プロジェクト型研修によるマネジメント力開発」
日本福祉大学「経営と教学をつなぎ,意思決定を支援」
立命館大学「事務職員の計画的力量形成と全学意思決定への事務職員の参画」
追手門学院大学「アサーティブプログラム・アサーティブ入試」
森ノ宮医療大学「経営的視点をもつ教職員の育成」
【参考事例】
・ある事務職員の教職協働に関する事例(愛知教育大学

実例を個別に見ていきますと、「教職協働推進のポイント」が書かれています。

その中には、

  • 事務職員主体での意思決定に抵抗がある教員もいる
  • 事務職員が実力をつけることが重要。教員から見て「彼・彼女に任せておけば大丈夫だ」と思ってもらうことが必要
  • 話し合いのルール作りを行うこともある。例えば「相手を否定しない」「建設的な意見を言う」など
  • 教員の思考法(仮説を立てて実証・検証する)を理解し,事務職員側も,物事を進める際は根拠となるデータを提示して教員の理解を促すことが重要

といったコメントが見られ、教員と職員の協働には壁があるケースが多い一方で、

それを打破するための様々な工夫も見られます。

 

病院では医師と事務職の間に溝があるケースが多いように、

学校でも教員と職員の間にいろいろな隔たりがあることも多いものです。

 

しかしながら、学校法人の存在意義はあくまでも

「子どもたち」「家庭」「地域」「社会」

といった、組織外部とのかかわりや繋がりの中にあるはずです。

 

とすれば、その目的に向かって組織が一丸となることは必要不可欠。

教職協働、という意識が大学のみならず高等学校等にも広がっていくことを

強く願っております。

 

(文責:吉田)

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「STEM教育」とは? プログラミングだけじゃない教育改革

人工知能やロボット技術の登場で「第4次産業革命」とも呼ばれるこの時代、

理数系教育はこれからの子どもたちにとって不可欠な教育ではないでしょうか。

そんな科学技術の発展に伴い、「STEM教育」の取り組みが増えています。

 

そもそもSTEMとは、

Science(科学)・Technology(技術)・Engineering(工学)・Mathematics(数学)の

頭文字を取り、統合的・体系的に学習するプログラムのことです。

最近では、Art(芸術)を加えた「STEAM教育」、

Robotics(ロボット工学)を加えた「STREAM教育」など、

さまざまなバリエーションが生まれ、概念を拡大しています。

 

みなさんもご存知の通り、教育界でよく引用される二つのキーワードがあります。

 

一つ目は、米ニューヨーク市立大学のキャシー・デビッドソン教授が、

2011年8月のニューヨークタイムズ紙インタビューで語った

「2011年度にアメリカの小学校に入学した子どもたちの65%は、大学卒業時に今は存在していない職業に就くだろう」

二つ目は、英オックスフォード大学のマイケル・オズボーン准教授が、

2014年の秋に発表した論文「未来の雇用」の中にある

「今後10~20年程度で、アメリカの総雇用者の約47%の仕事が自動化されるリスクが高い」

 

どちらも2030年までに大きな変化が訪れることを予想しています。

 

ちょっと、

「後10年程度しか残っていないじゃないですか…」

心の声が漏れ出てしまいました。

 

この二つのキーワードは文部科学省産業競争力会議ワーキンググループに提出した資料にも引用されており、学習指導要領の改訂の際にも議論されています。

 

産業競争力会議 文部科学省提出資料

 

これ以外にも、少し前にご紹介したブログでも触れましたが、

さまざまな取り組みが、事業者や学校から発表されています。

ysconsult.hatenablog.com

 

日本においては、

2017年10月に「日本STEM教育学会」が発足しています。

www.j-stem.jp

 

上記学会で3月に行われた研究発表会でも、

「STEM教育」は、教科を限定するのではなく、STEMリテラシーを育て、

大学やその後の職業に活かすことが提案されています。

 

今後はどの学校種においても、

文系・理系を超えて「STEM教育」が必要になる…とも言えるかもしれません。

ArtやRoboticsも含め、特色ある教育内容を検討されてみてはいかがでしょう。

 

(文責:長森)

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平成29年賃金構造基本統計調査 結果の概況

人手不足が著しい昨今ですが、賃金の状況はどうなのでしょうか。

昨年の賃金構造基本統計調査の結果概況が出ておりましたので

ご紹介させていただきます。

 

www.mhlw.go.jp

 

まずは概要から。

1 一般労働者(短時間労働者以外の労働者)の賃金(月額)

(1) 男女計の賃金は304,300 円(前年比0.1%増)、男性では335,500 円(同0.1%増)、女性では246,100円(同 0.6%増)となっている。女性の賃金は過去最高となっており、男女間賃金格差(男性=100)は、比較可能な昭和51 年調査以降で過去最小の73.4 となっている。

(2) 年齢階級別の賃金の対前年比は、男性では、39 歳以下の各層で増加、40 歳以上では 55~64 歳層を除いて減少となっている。女性では、30~34 歳層を除くいずれの年齢階級も増加しており、男女ともに年齢階級間格差は縮小している。 

(3) 企業規模別にみると、男性は、大企業(常用労働者1,000 人以上) 383,300 円(前年比0.4%減)、中企業(常用労働者 100~999 人) 318,300 円(同 0.6%減)、小企業(常用労働者 10~99 人) 293,600円(同0.9%増)、女性は、大企業270,800 円(同0.8%増)、中企業241,400 円(同0.4%減)、小企業223,000 円(同1.8%増)となっている。

2 短時間労働者の賃金(1時間当たり)

男女計1,096 円(前年比2.0%増)、男性1,154 円(同1.8%増)、女性1,074 円(同1.9%増)となっており、いずれも過去最高となっている。

景気がいいような話があふれているように見えて、

賃金水準は決してそのようにはなっていないようです。

男性の40代以上では賃金水準が下落しているケースが多いという事実、

皆様はどのようにお考えになるでしょうか。

 

もう1点気づくこととして、女性の賃金が上昇していることが挙げられます。

これまで学校は男女の賃金差がない職場として、

女性の就業が比較的多かったように思いますが、

一般企業でも賃金改善が進むとこの傾向がどう変化するか。

注意深く見ていく必要があるかもしれませんね。

 

近時の人手不足を受けての事象としては、

短時間労働者の賃金水準が上がっている点を指摘できるでしょう。

学校においても、専任・常勤・非常勤のベストミックスについて、

今後に向けた再検討が必要になってくるかもしれませんね。

 

人材募集の観点でも厳しい状況に置かれている小規模の組織。

大学法人はともかく、学校法人も企業規模で言えば

中堅~中小であることがほとんどです。

その中で効果的な人事施策を打てるよう、

本統計をご活用いただければ幸いです。

 

(文責:吉田)

 

★今週金曜日のセミナー、残り2席となりました!

 お申込みはお早めにどうぞ。

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7割以上の保護者が「不安」と感じる大学入試改革

大学入試改革に不安を感じている保護者は7割以上。

これは、栄光ゼミナールを運営する栄光による調査、

「大学入試改革に関する意識調査」により分かった。

 

大学入試改革に関する意識調査

 

この調査は、高校受験を検討している新小学6年生~

新高校1年生の子どもを持つ保護者(栄光モニター会員)を対象に、

インターネットで実施したもので、421人から回答を得たものです。

 

 

以下、調査結果資料の抜粋です。

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この調査をまとめると、

  • 保護者の92.9%が2020年度から大学入試が変わることを知っている。
  • 新高校1年生の保護者の92%が子どもと大学入試について話したことがある。
  • 保護者の7割以上が大学入試改革に不安がある

と集約されるのではないでしょうか。

 

ただ、個人的に一番気になった点として

大学入試改革が変わることに備えて、

子どもに取り組ませている具体的な取り組みがあります。

この取り組み事例の中には、

「高校受験の際に大学付属高校を目指す」、や

「大学付属系の高校に進学させることにした」など、

入試改革に関わらない取り組みも記載されています。

 

これらは保護者の安全志向を表す調査結果ではないでしょうか。

大学の付属校である私立校でなければ、大学入試改革に対する対策や説明を、

これまで以上に保護者に実施しなければならない、とも感じます。

2019年度の生徒募集を成功させるためにも、

大学入試改革に対する対策をどのようにPRするかが重要なポイントとなりそうです。

 

(文責:長森)

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決算の時期、だからこそ

年度初め、ですね。

この時期の学校法人さんは新入生の受入でいろいろと気を揉まれることと思います。

と同時に、手続的に昨年度の総括をする時期でもありますよね。

その代表例が「決算」ではないでしょうか。

 

決算を担当される職員さんは百も承知でしょうが、

決算処理というのは面倒かつ気を遣うものです。

なにせ、年度内の細かな取引のすべてを記録したうえで、

決算特有の処理もしなくてはならないですから…

その後に控える行政への報告や面談等も、

気の重い要因のひとつではないでしょうか。

 

さてそんな決算情報を、御校ではどのように活用されているでしょうか。

当然、決算理事会でその情報を共有されてはいると思いますが、

さて決算理事会では決算の内容について白熱した議論がなされますでしょうか。

場合によっては、決算はあくまでも「報告」事項であって、

それを基に「審議」することはあまりない、

という法人さんも少なくないように感じております。

そして、決算理事会以外では、決算情報を用いる機会すらほとんどない、

とすればとてももったいないことです。 

 

決算はどの法人でも必ず経るべき事象。

だとすれば、その情報をフル活用したいものです。

というわけで、そんなテーマで、来週金曜日にセミナーを開催いたします。
www.ysmc.co.jp

 

このセミナーでは、決算書の読み方や財務分析(経営分析)の方法について

お伝えすることに加え、会計情報を「未来」に向けて活用する方法についても

しっかり考えてみたいと思っております。

 

管理職の皆様、リーダー格の皆様には

この機会にぜひご受講いただきたい内容です。

残席は…多少ございます。

お申込みがまだ、という方はぜひこちらから、お早めにどうぞ。

www.ysmc.co.jp

 

(文責:吉田)