寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

大阪の学校経営コンサル会社/株式会社ワイズコンサルティングが、学校経営に関する情報を収集し発信するブログです。

平成29年度英語教育改善のための英語力調査

みなさんは、英語4技能の「聞く」・「話す」・「読む」・「書く」の中で

どれが一番得意ですか。

 

私は全て苦手ですが、特に「話すこと」が出来ません。

というか英語があまり好きではありませんでした。

 

そんな英語を話せない大人は少なくないと思いますが、

一方で英語を話せる人が増えてきていることも事実です。

 

日本の英語教育について、

文部科学省より、全国の中学生と高校生を対象に、

英語4技能がバランスよく育成されているのか、

生徒の英語力や学習状況を把握・分析した調査結果が発表されました。

 

平成29年度英語教育改善のための英語力調査 事業報告:文部科学省

 

この調査によれば、英語の学習が好きと回答した中学生は54.6%と半数以上に上ります。

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この調査におけるA1、A2とはヨーロッパ共通参照枠(CFER)による国債指標で、A1は英検3~5級レベル、A2は準2級レベルと言い換えることができます。

 

中学生は英語が好きなんです。

 

にもかかわらず、高校生における調査では47.2%と半数を割ってしまいます。

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ただ、今回の調査に回答している高校生が、

中学校で英語学習が好きだったかどうかの質問には、

43.3%の生徒しか「好き」と回答していません。

高校での英語学習により英語学習が好きになった生徒の方が多いんです。

この調査結果は、英語嫌いの私にとっては衝撃でした。

 

これまでの取り組みにより、英語が好きな生徒が増えてきているんですね。

 

ここまで英語教育が進化してくると、

私学においては、英語教育による差別化が難しくなってくるかもしれません。

 

今後は、「特色ある英語教育」をどのように展開、アピールしていくかが、

生徒募集にも影響を与えそうです。

 

(文責:長森)

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これからの幼稚園施設の在り方について

本日は幼稚園に関するニュースをお届けします。

文科省HPからです。

 

報告書「これからの幼稚園施設の在り方について~幼児教育の場にふさわしい環境づくりを目指して~」:文部科学省

 

今回の報告書のポイントは題目の通り、

今後の幼稚園施設の計画及び設計における留意事項として

充実が必要な7つの視点を整理している点です。

以下、7つの視点を転載いたします。

<幼児教育の場にふさわしい豊かな環境づくり>
(1)幼児自身の興味や関心に応じて様々な活動が展開される屋内環境整備
(2)自然との触れ合いや体を使った遊びができる屋外・半屋外環境整備
(3)障害のある幼児など特別な配慮を必要とする幼児に対応した施設整備

<幼児教育の担い手を支え,家庭や地域と連携・協働を促す環境づくり>
(4)教職員の活動を支えるための施設整備
(5)家庭や地域等との連携・協働を促す施設整備

<その他の施設的配慮>
(6)安全を確保しつつ自発的な遊びを誘発する施設整備
(7)教育活動の変化に対応できる施設整備

言われれば当然のことが並んでいるようにも見えますが、

施設整備はいったん事が進むと簡単には軌道修正できませんので、

やはり準備段階からこれらのことを意識しておくことが大事なのだろうと思います。

 

そして、この報告書の基になっている指針が「幼稚園施設整備指針」。

この指針も改訂がなされています。

幼稚園施設整備指針の改訂:文部科学省

 

この資料の冒頭に、この改訂の趣旨がまとめられています。

引用します。

今般の改訂(平成30年3月)では,幼稚園教育要領の改訂や学校施設を取り巻く今日的課題に対応するため,「学校施設の在り方に関する調査研究協力者会議」における検討を経て,幼児教育の場にふさわしい豊かな環境づくり,幼児教育の担い手を支え家庭や地域と連携・協働を促す環境づくり,その他の施設的配慮の観点から記述の充実を行った。

(赤文字は筆者による装飾です)

 

先ほどの7つの視点の中でも気づかれた方がいらっしゃるかもしれませんが、

今回の最大のテーマは

・教職員の活動を支える

・家庭や地域等との連携・協働を促す

ということではないか、と感じます。

 

施設は当然それを使う「お客様」にとっての利便性や安全性を重視すべきもの。

ただ、それと同時に「職員」も便利であり、安全である施設であるべき。

さらに、幼稚園の場合には社会性の高さはもちろんのこと、

社会や保護者との連携が非常に重要です。

その方々にも使っていただきやすい施設にしていくことは

社会全体での子育て、という観点から、なくてはならないものでしょう。

 

先に紹介した資料には「参考資料」として実例も掲載されています。

今後、施設整備の必要がある各園におかれましては、

ぜひともご参考になさっていただきたいと思います。

 

(文責:吉田)

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平成30年2月の家計調査、教育費3カ月連続の減少

総務省は平成30年4月6日、

家計調査報告(2人以上の世帯)の平成30年2月分速報を公表しました。

 

www.stat.go.jp

 

今回の調査では2人以上の世帯の消費支出は、26万5,614円と

前年同月比で実質0.1%の増加となりましたが、

変動調整値込みでは、実質0.9%の減少となっています。

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この消費支出の内訳は10項目に分類されており、

減少率が高かった項目として「住居」「教育」などが挙げられます。

中でも「教育」は3ヶ月連続の実質減少で、

2月は実質15.8%の減少となっています。

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「教育」の中でも、実質減少に寄与した主なものとして、

私立大学・私立中学校の授業料等が挙げられています。

 

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ただ、減少している品目は「私立大学」「私立中学校」の授業料等で、

増加している品目もあります。

 

「補助教育」です。

 こちらは増加傾向にあります。

 

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こちらは 「通信」も大きく関わっているのではないかと個人的に考えています。

というのも、以前、ご紹介したようにデジタル支出が増加しているからです。

 

増殖 デジタル支出 - 寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

 

今では、スマートフォンや個人型端末を利用した教育教材の利用が増え、

いつでもどこでも好きな時に勉強ができる環境になりました。

それにより、これまでとは違った消費傾向が表れているのだと思います。

 

ICT教育は「授業提供の場」としてだけでなく「授業視聴の場」としても

考えていかなければならないのかもしれません。

 

(文責:長森)

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平成28年度公立学校教職員の人事行政状況調査について

恒例の統計のひとつです。

少し情報が古いですが、ご容赦ください。

文科省HPより。

 

平成28年度公立学校教職員の人事行政状況調査について:文部科学省

 

公立校の人事に関する概況です。

まずは「調査結果の概要」を見てみましょう。

1 教育職員の精神疾患による病気休職者数平成28年度)
○教育職員の精神疾患による病気休職者数は、4,891人(全教育職員数の0.53%)で、平成19年度以降、5,000人前後で推移し、ここ3年は連続して減少

2 教育職員の懲戒処分等の状況平成28年度)
○懲戒処分又は訓告等(以下「懲戒処分等」という。)を受けた教育職員は、8,038人(0.87%)で、 平成27年度(6,320人(0.69%))から1,718人増加

・わいせつ行為等により懲戒処分等を受けた者は、226人(0.02%)で、平成27年度(224人)から微増。

体罰により懲戒処分等を受けた者は、654人(0.07% 懲戒処分162人、訓告等492人)で、平成27年度、721人(0.08% 懲戒処分174人、訓告等547人)から減少。

3 女性管理職(校長、副校長及び教頭)の割合(平成29年4月1日現在)
○女性の管理職(校長、副校長及び教頭)は、11,618人で、平成28年4月1日現在から385人増加

○女性管理職の割合は16.7%で、過去最高を更新(これまでの最高は平成28年4月1日現在の16.0%)。

4 教育職員の育児休業等及び介護休暇の取得状況平成28年度)
育児休業

育児休業の取得割合は、男性は1.9%、女性が96.6%

育児短時間勤務の取得割合は、男性は0.03%、女性は1.4%。

・地方公務員(平成27年度)と比較すると、女性の育児休業と育児短時間勤務の取得率が高い状況が見られる。

○介護休暇

・介護休暇取得状況は、男性が243人、女性が1,014人、合計1,257人。

 

ご参考までに、この調査対象となっている「教育職員」とは、

公立の小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校

特別支援学校における校長、副校長、教頭、主幹教諭、指導教諭、

教諭、養護教諭栄養教諭助教諭、講師、養護助教諭

実習助手及び寄宿舎指導員を指しており、

総計920,058人(平成28年5月1日現在)となっています。

ちなみに、前年の教育職員総数は920,492人、さらにその前年は919,253人と、

大きな変化はないようです。

 

今回の調査結果をざっと見てみると、

・病気休職者は減少傾向

・懲戒処分は増加(ただし2年前からは減少)

・女性管理職は増加傾向

育児休業は多くの女性が取得

・介護休業取得者は前年より減少

といった具合です。

 

さて、御校はいかがでしょうか?

 

個人的に気になるのは、今後、介護休業の必要性が高まるのでは、

という点です。

将来に向けては親族の介護という事象が

多くの教職員に立ちはだかるような気がします。

そして、子育てに関しては育児休業が一般化してきている一方、

介護休暇はまだまだ、といった印象です。

そして、育児についてはその時期がある程度事前に判明しますが、

介護はそうはいきません。

これは教職員を雇い入れる法人にとっても大きなリスクとなります。

介護休業のあり方、そして介護する側となった教職員のフォロー体制について、

自校園内で早急に議論を整えておくべきではないでしょうか。

 

(文責:吉田)

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制服は好きですか?学生服に関する意識調査

制服は好きですか?

 

自分の思い出を紐解くと、

「なんで高校になってまで背負いかばんやねん」

という負の感情が真っ先に思い浮かんでしまいました。

 

当時は、腰パンやルーズソックスなど

着崩したファッションが流行していた時代だったので

自分も何とか流行に乗っていたい、という気持ち一心だったんでしょう。

 

さて、皆さまは制服にどんな思い出をお持ちでしょうか。

そんな制服に関する意識調査を、

学校の制服の株式会社トンボが実施しています。

 

prtimes.jp

 

この中でとても興味深い調査結果だなと感じたのが

 

「制服のお気に入り度」と「学校好き度」には相関関係がある!

 

ということです。

 

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「制服が好きな生徒は学校も好きである可能性が高い」、もしくは

「学校が好きな生徒は制服も好きである可能性が高い」と言い換えられるかもしれません。

 

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また、制服の着こなしは時代の移り変わりとともに、

世相を反映したものにもなっています。

 

皆さまはどの着こなし世代ですか。

どの着こなしも「確かに流行っていたな!」と納得するものではないでしょうか。

 

制服は学校らしさを表現するとともに、

生徒自身のアイデンティティーを表現する大切なツールです。

学校評価アンケートなどで思うような評価が得られない、

募集に困っているなどのお悩みをお持ちの皆さま、

「その学校らしさ」と「学生の流行」を上手く取り入れた制服づくりを

検討してみませんか。

 

(文責:長森)

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平成30年度 文部科学省税制改正の概要

新年度が始まりましたので、文部科学省関連の税制についても

ざっと見ておきましょう。

 

平成30年度 文部科学省税制改正の概要

 

特筆すべきものは見当たらない、というのが正直な感想です。

一応、項目を列挙しておきます。

要望が認められたもの

(1)独立行政法人日本学生支援機構に係る指定寄附金の給付型奨学金への対象拡充【法人税等】
(2)国立大学法人等に対する評価性資産寄附へのみなし譲渡所得税の非課税承認を受けるための要件の緩和等(内閣府厚生労働省との共同要望)【所得税等】
(3)国民の健康の観点からたばこの消費を抑制することを目的とした、たばこ税の税率の引上げ(厚生労働省との共同要望)【たばこ税等】
(4)2019 年ラグビーワールドカップ大会の開催に向けた税制上の所要の措置【法人税等】
(5)美術品・文化財に係る相続税の納税猶予の特例の創設【相続税
(6)障害者に対応した劇場・音楽堂等の固定資産税等の特例の創設【固定資産税等】

(参考)その他要望していたもの

ゴルフ場利用税の廃止【ゴルフ場利用税
○ 2020 年東京オリンピックパラリンピック競技大会の開催に向けた税制上の所要の措置【所得税等】
○ 私立学校等への寄附に係る寄附金控除の年末調整対象化【所得税等】

 

こうやって見てみると、寄付金にかかる税制が変化していることが分かりますね。

上記(1)(2)の概要を以下に示しておきます。

 

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寄付に関する環境整備がなされれば、

寄付しようとする個人、法人が増えること、あるいは

寄付している個人や法人がさらなる寄附をしようとする動機づけになることが

期待されます。

国家財政の逼迫が根底にあるのか、どうやら文科省

私学への補助を寄付に変えていきたいという意向を持っているように感じます。

各私学でも、収入確保策として寄付金について正面から検討する必要が

出てきつつあるのではないでしょうか。

 

ちなみに、今回は通りませんでしたが、

「私立学校等への寄附に係る寄附金控除の年末調整対象化」

も要望に挙がっていますね。

確定申告の手間を考えれば、これはひとつの寄付促進策になるものと思います。

 

以上、税制改正の内容を概観いたしました。

寄付の話ばかりになってしまいましたがご容赦ください。

 

(文責:吉田)

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2018年問題を改めて考える

私が普段から意識していることは、弊社のミッションでもある

 

「未来へつなぐ、夢がある」

 

ということです。

 

私たちが学校経営に積極的にかかわる理由はただ一つ。

それは、誰しもが持つ母校を失わせてはならないという想いです。

 

 

www.sankeibiz.jp

 

2018年問題は、大学が直面する問題として取り上げられていますが、

それより先に生徒、児童を送り出す幼稚園、小学校、中学校や高校の皆さまにとっては

 

「何を今さら…」

 

といったところではないでしょうか。

 

記事にもありますように、

2009年以降120万人前後で推移していた18歳人口は、

2018年以降から再び減少し始め、2024年では約106万人まで減少し、

2032年には18歳人口が98万2,000人まで減少すると予測されています。

 

2017年度の志願動向調査によると、

定員割れした私立大学は229校にのぼり、

私立大学の約40%で生徒集めに苦労している状況です。

 

高等学校進学者は2015年に約115万人で、私立高校進学者は約35万人です。

幼稚園入学者はこども園を含めても約68万人で、1975年の約131万人の半分です。

(※いずれも文部科学省公表の文部科学統計要覧(平成28年版)より)

 

また、新学習指導要領により、小学校では英語教育とプログラミング教育が必修となりましたし、新大学入試も2020年からの実施です。

 

本当にいろいろなことが重なっていますよね。

 

そんな変化の大きな時期だからこそ、

さまざまなことにチャレンジできる時期ではないでしょうか。

 

種の起源」で有名なダーウィンは言いました。

 

「強い者、頭の良い者が生き残るのではない。変化するものが生き残るのだ」

 

小泉元首相も所信表明演説で引用した有名な一節ですね。

 

諸説ありますが、生き残った「種」は結果的に変化していたわけです。

私も、変化を恐れず、チャレンジする一年にしたいです。

 

(文責:長森)

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