総務省統計局で実施、公表している「家計調査」をご存知でしょうか。
その名の通り、家計の収入や支出の傾向を知ることができる統計です。
なんと毎月実施されているこの調査。
以前、このブログでも採り上げたことがあるかと思います。
そして、この家計調査の結果を継続してチェックされている方はご存知かもしれない、
最近の強い傾向は
「消費は伸びない(むしろ縮小)」一方、
「通信費にかかる支出は大幅に伸びている」こと。
年に1~2度、この統計を覗いている私の強い実感が上記2点です。
携帯電話でデータをやり取りする人が増えたんだろうなあ。
…漠然とそんなことを思っていた私は、ある記事を見て赤っ恥をかきました。
その記事がこちら。日本経済新聞より。
(有料会員限定記事です。ご容赦ください)
少しだけ、引用させていただきます。
消費は統計上は回復感がみえない。総務省の家計調査(2人以上世帯)で世帯あたり消費支出が最大だった1993年と比べると、17年の「被服・履物」は51%減、「食料」と「住居」は10~11%減った。
異彩を放つのが「通信費」だ。17年は月額1万3271円と93年比で約2倍。スマホの普及が背景とされるが、通話やメールなど本来の通信費は実は、家計調査のようには伸びていない。
途中までは「知ってるよ」と思いながら読んでいたこの記事ですが、
最後の記述で驚きが走りました。
本来の通信費は家計調査のようには伸びていない、とは???
実際のところ、通話やパケット通信、ネット接続といったいわゆる「通信費」は、
2000年と比べて半減した(ドコモの場合)、と記事には書かれています。
ではなぜ家計調査の通信費が伸びているのか。
その理由がブログタイトルに掲げた「デジタル支出」だそうです。
要するに、電子商取引されたものがケータイ払いされると、
それは「通信費」にカウントされる、という仕組み。
服を買っても被服費にならず、通信費になってしまうんですね。
服を買えるのは小売店だけではないこの時代、
小売市場を介さない取引はこのように統計をも歪めてしまうようです。
さて今回のブログ、私学には何の関係もなさそうに見えるかもしれません。
しかし私は、この記事から
「支払手段の多様化」と
「支払先の変化」を感じました。
私学における学費等の支払手段は、
これまでどの学校にも大きな差はなかったでしょう。
ところがweb出願が出てきて、その流れで受験料等が決済され、
入学金などもクレジット決済などが可能になってきて…
その支払方法は近時大きく進化してきたように感じます。
さらに、モノやサービスの購買スタイルも近年大きく変化しています。
過去には
「誰しもが持っているものを、できるだけ安く購入する」
ことが多かったかもしれませんが、最近は
「自分が『これ!』と思ったものに惜しげもなくお金を注ぎこむ」
ことが増えてきたような印象があります。
いわゆる「プレミアム消費」ですね。
買い手に価値を見出してもらえるような働きかけが、
特に大事になってきている、と言えるのではないでしょうか。
さて御校では買い手にそのような訴求ができているでしょうか。
教育内容に直接関連のない話題かもしれませんが、
学校経営には関連の深い話題ではあります。
ぜひ一度お考えいただければと思います。
(文責:吉田)