寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

大阪の学校経営コンサル会社/株式会社ワイズコンサルティングが、学校経営に関する情報を収集し発信するブログです。

高校・中学新卒者の就職内定状況

これも毎度ご紹介している統計のひとつです。

厚生労働省HPより。

 

www.mhlw.go.jp

 

以下、概要をチェックしておきましょう。 

【高校新卒者】(第1表)
○就職内定率   94.3%で、前年同期比0.3ポイントの増。
○就職内定者数  約16万3千人で、同1.1%の減
○ 求人数      約 43万人で、前年同期比 11.9%の増
○ 求職者数    約 17万3千人で、同 1.5%の減
求人倍率    2.48倍で、同 0.29ポイントの増

【中学新卒者】(第2表)
○ 求人数      1,715 人で、前年同期比6.4%の増
○ 求職者数    907人で、同4.0%の減
求人倍率    1.89倍で、同0.18ポイントの増

高卒者、中卒者ともに傾向はこうです。

・就職内定率は上がっているが、内定者数は減少している。

・なぜなら、求人数は増えているのに、求職者数が減少しているから。

 

むむむ…少子化労働人口減少に強く影響していく流れが見て取れますね。

 

ちなみに、高校新卒者を地域別に見た場合、

求職者数が伸びている都道府県はどこだか分かりますか?

 

私自身の予想では「人口密集地」だったのですが…

掲載資料によれば、島根・滋賀・広島が増加率のトップ3です。

人口の増え方とは違った傾向がありそうな気配です。

ご当地の魅力、という要素もそこにはあるのかもしれません。

 

多くの私学の場合、進路の多くが「進学」になるのかもしれませんが、

その先にある社会とのつながり、すなわち「就職」という進路も意識しながら

教育活動がなされると、より有意義な学校生活になるような気がします。

ぜひご一考ください。

 

(文責:吉田)

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学校経営情報2018年4月号発行のお知らせ

いよいよ新年度がスタートしました。

 

本日は、駅の定期券売り場に並ぶ親子を見たり、

新入社員っぽい若者たちを見て

あんなに初々しい時期が自分にもあったのかと

ふと思ったりしました。

 

今週末の土曜日や、来週に入学式を実施される学校も多いのではないでしょうか。

早い所では明日に入学式を予定されている学校もあり、

学校関係者の皆様にとっては大忙しの季節ですね。

体調管理には十分留意していただきつつも、

生徒達のサポートをしっかりとしていただければと思います。

 

さて、弊社の学校経営情報2018年4月号を発行いたしましたので、

是非ご一読いただければと思います。

データはホームページよりダウンロードできるようになっております。

 

今月号からボリュームも2倍に。

内容のさらなる充実を図り、

皆さまへのお役立ち情報を満載にいたしました。

ぜひ、ご一読ください。

 

www.ysmc.co.jp

 

◆概要

1.偉人のことば

 

2.教えて、先生!

    「教育現場で残業ゼロを実現することは可能でしょうか?」

 

3.Y’s NEWS/吉田のことば

 

4.学校法人会計を読みこなそう(中級編)

 

5.School Management Review

    中学受験 大学付属校、高まる人気

 

本号では、残業ゼロを実現した

西須磨幼稚園の取り組みを副園長の船瀬様にお聞きしております。

また、学校法人会計や時事ネタなど、記事は盛りだくさんです。

 

では、4月も素敵なひと月になりますように。

 

(文責:長森)

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適切な労務管理のポイント

いよいよ年度末ですね。

今さら、と思われるかもしれませんが、この機会にぜひ一度確認しておきましょう。

 厚生労働省HPより。

www.mhlw.go.jp

 

この資料に掲載されている項目は以下の通りです。

1  賃金の支払

2  労働条件の変更

3  解雇・雇止め

4  個別労働紛争の解決を図るために

このように、あまり関わりたくない項目が並んでいますが、

それでも私の知る限り、私学でも労働契約を巡るトラブルは

かなり多く存在している印象です。 

この資料は法令の規定と裁判例を交えながら、

とても分かりやすくまとめられていると思いますので、

ざっとご一読されるといいのではないでしょうか。

 

上記各項目の細かい目次はこんなふうになります。

1 賃金の支払
(1)賃金の確実な支払
(2)退職金・社内預金の確実な支払等のための保全措置
(3)休業手当の支払

2 労働条件の変更
(1)合意による変更
(2)就業規則による変更
(3)配置転換・出向

3 解雇・雇止め
(1)解雇の禁止
(2)解雇の効力
(3)解雇の手続
(4)解雇事由
(5)整理解雇
(6)退職勧奨
(7)勤務成績を理由とする解雇
(8)有期労働契約の雇止め
(9)採用内定取消し
(10)退 職 時 の 証 明

4 個別労働紛争の解決を図るために

おそらく、現時点の私学においては上記「3(8)」が

圧倒的にケースとして多いように思いますがいかがでしょうか。 

ここだけは一部引用しておきましょう。

有期労働契約の締結時には、契約期間とともに「期間の定めがある労働契約を更新する場合の基準」についても、書面の交付によって明示しなければならない事項となります。(労働基準法第 15 条、労働基準法施行規則第5条。(平成 25 年4月1日から施行。))
「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」の主な内容は、次のとおりです。
有期労働契約が3回以上更新されているか、1年を超えて継続勤務している有期契約労働者について、有期労働契約を更新しない場合には、少なくとも 30 日前までに予告をしなければなりません。
② 雇止めの予告後に労働者が雇止めの理由について証明書を請求したときには、遅滞なく証明書を交付しなければなりません。
③ 有期労働契約が1回以上更新され、かつ、1年を超えて継続勤務している有期契約労働者について、有期労働契約を更新しようとする場合には、契約の実態及び労働者の希望に応じて、契約期間をできる限り長くするよう努めなければなりません。

以上、すでにご承知だとは思いますが、念のため。

 

労務のトラブルは極力避けたいものです。

そのために、普段から労使間のコミュニケーションを密にすること、

そして法令の内容を予め把握しておくことが重要です。

ご参考になさってください。

 

(文責:吉田)

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年間180時間削減、長野県塩尻市教育委員会が着手へ

昨年、注目を集めた「働き方改革」。

2018年度は企業だけでなく、

学校においても負担減少に向けた具体的な取り組みが進みそうです。

 

www.kyobun.co.jp

 

記事によりますと、

長野県塩尻市教委は

16年度「教員勤務実態調査速報値」における

教員勤務時間の実態を受け、17年7月から、

教員が子供たちと向き合う時間を確保するための方策を検討してきた。

教員の授業以外の業務負担軽減と、

教頭の業務の分散などを中心に具体的な取り組みを定め、

先行分も含めて18年度から全面的に実施する。

 

とのことで、取組みの内訳は

①業務の簡素化、改善、明確化(△79時間)

②学校分権による業務の迅速化(△14時間)

教育委員会への業務移管等(△46時間)

④事務職員の学校経営参画強化(△42時間)

が挙げられています。

 

f:id:ysconsult:20180319091348p:plain

 

この中で、も特に④事務職員の学校経営参画強化、は重要な項目でしょう。

私立学校に置かれては事務長がいない学校の方が少ないかもしれませんが、

責任の所在を明らかにするためにも権限者を決めることは非常に重要です。

 

これらは新たな予算を伴うものではなく、権限を移譲することで成立します。

これらの施策の目的は業務時間削減はもちろんのこと、

権限移譲することにより、意思決定のスピードを上げ、

より良い教育環境をつくることが本当の目的ではないでしょうか。

 

将来の日本・世界を支える子どもたちのためにも、

そして、より良い教育環境を提供するためにも、

教員の働き方改革をぜひとも成功させましょう。

 

(文責:長森)

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増殖 デジタル支出

総務省統計局で実施、公表している「家計調査」をご存知でしょうか。

www.stat.go.jp

 

その名の通り、家計の収入や支出の傾向を知ることができる統計です。

なんと毎月実施されているこの調査。

以前、このブログでも採り上げたことがあるかと思います。

 

そして、この家計調査の結果を継続してチェックされている方はご存知かもしれない、

最近の強い傾向は

「消費は伸びない(むしろ縮小)」一方、

「通信費にかかる支出は大幅に伸びている」こと。

年に1~2度、この統計を覗いている私の強い実感が上記2点です。

 

携帯電話でデータをやり取りする人が増えたんだろうなあ。

…漠然とそんなことを思っていた私は、ある記事を見て赤っ恥をかきました。

その記事がこちら。日本経済新聞より。

 

www.nikkei.com

(有料会員限定記事です。ご容赦ください)

 

少しだけ、引用させていただきます。

 消費は統計上は回復感がみえない。総務省の家計調査(2人以上世帯)で世帯あたり消費支出が最大だった1993年と比べると、17年の「被服・履物」は51%減、「食料」と「住居」は10~11%減った。

 異彩を放つのが「通信費」だ。17年は月額1万3271円と93年比で約2倍。スマホの普及が背景とされるが、通話やメールなど本来の通信費は実は、家計調査のようには伸びていない

途中までは「知ってるよ」と思いながら読んでいたこの記事ですが、

最後の記述で驚きが走りました。

本来の通信費は家計調査のようには伸びていない、とは???

 

実際のところ、通話やパケット通信、ネット接続といったいわゆる「通信費」は、

2000年と比べて半減した(ドコモの場合)、と記事には書かれています。

ではなぜ家計調査の通信費が伸びているのか。

その理由がブログタイトルに掲げた「デジタル支出」だそうです。

 

要するに、電子商取引されたものがケータイ払いされると、

それは「通信費」にカウントされる、という仕組み。

服を買っても被服費にならず、通信費になってしまうんですね。

服を買えるのは小売店だけではないこの時代、

小売市場を介さない取引はこのように統計をも歪めてしまうようです。

 

さて今回のブログ、私学には何の関係もなさそうに見えるかもしれません。

しかし私は、この記事から

「支払手段の多様化」と

「支払先の変化」を感じました。

 

私学における学費等の支払手段は、

これまでどの学校にも大きな差はなかったでしょう。

ところがweb出願が出てきて、その流れで受験料等が決済され、

入学金などもクレジット決済などが可能になってきて…

その支払方法は近時大きく進化してきたように感じます。

 

さらに、モノやサービスの購買スタイルも近年大きく変化しています。

過去には

「誰しもが持っているものを、できるだけ安く購入する」

ことが多かったかもしれませんが、最近は

「自分が『これ!』と思ったものに惜しげもなくお金を注ぎこむ」

ことが増えてきたような印象があります。

いわゆる「プレミアム消費」ですね。

買い手に価値を見出してもらえるような働きかけが、

特に大事になってきている、と言えるのではないでしょうか。

さて御校では買い手にそのような訴求ができているでしょうか。

 

教育内容に直接関連のない話題かもしれませんが、

学校経営には関連の深い話題ではあります。

ぜひ一度お考えいただければと思います。

 

(文責:吉田)

www.ysmc.co.jp

 

平日の学校案内・オープンキャンパスが狙い目

オープンキャンパスや学校説明会と言えば、

土曜日か日曜日の開催がほとんどではないでしょうか。

生徒募集のために、児童・生徒と保護者が一緒になる土曜日や日曜日に

学校説明会やオープンキャンパスを開催することは理にかなっていると思います。

 

ただ、土曜日や日曜日の学校は

普段と違う雰囲気が出ていると感じるのは私だけでしょうか。

 

学校がオープンキャンパスを開催する目的は、

相談会やパンフレットだけでは伝え切れない、

リアルな雰囲気を受験生や進学希望者に

体験してもらうことにあると思います。

 

とすると、平日の学校の風景をそのままお見せすることも、

学校の魅力を伝える方法のひとつだと思うのです。

そんな普段の学校や生徒の様子を伝えようと

平日の学校説明会&学校案内のイベントを実施している学校があります。

 

www.yomiuri.co.jp

 

事前予約が必要ですが、定員10名の少人数で学校紹介や見学会を行うとのことです。

活動中の教室の中には入れないとのことですが、学校を一回りするとのことで、

学校の雰囲気が感じられるイベントだと思います。

 

小学校や中学校受験においては

本人の意思以上に保護者の意思が反映されることも多いように感じます。

保護者に向けたイベントとして採用を検討されてみてはいかがでしょう。

 

(文責:長森)

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残業が少ない職場が好まれる?!

もうすぐ4月。新人さんが職場に配属される時期ですね。

 

公益財団法人日本生産性本部が行った、

2017年度 新入社員 秋の意識調査」には、

興味深い結果がいろいろ掲載されています。

 

レポートの冒頭に<主なポイント>が記載されていますので、

まずはそちらを見てみましょう。

1.【過去最高】男性の79.5% 子供が生まれたときには育休を取得したい
Q7(m)「子供が生まれたときには育児休暇を取得したい」との問いには、男性の 79.5%が「そう思う」と回答。質問をはじめた 2011 年から、春秋通じて過去最高となった。女性は 2011 年から 95.0%以上でほぼ変わらず、今回は 98.2%が「そう思う」と回答。
2.【2017年新設質問】91.6% 外国人上司でも問題なし
Q5(f)「あなたの上司が外国人になりました。あなたの正直な気持ちは・・・」との問いには、46.6%が「上司が外国人であろうが日本人であろうが関係ない」、45.0%が「日本語でよいなら上司は外国人でも構わない」と回答。これらの回答を合計すると、外国人上司も問題なしとする割合は 91.6%になった。
3.残業少ない職場が良い 82.5%
Q6(d)「残業が多く、仕事を通じて自分のキャリア、専門能力の向上に期待できる職場」と「残業が少なく、平日でも自分の時間を持て趣味などに時間が使える職場」と、どちらを好むかとの問いには、82.5%が「残業が少ない職場を好む」と回答。最高値だった 2016 年秋(86.3%)は下回ったものの、引き続き高水準を維持している。
4.自分には仕事を通じてかなえたい「夢」がある 40.4%
Q7(g)「自分には仕事を通じてかなえたい「夢」があるか」との問いには、40.4%が「そう思う」と回答。この割合は、昨年過去最低を記録したが(37.8%)、今年は上昇した。春の調査でも 2015 年から少しずつ上昇してきている。
5.条件のよい会社があればさっさと移るほうが得である 44.0%
Q7(e)「条件の良い会社があればさっさと移るほうが得だ」と思うかとの問いには、44.0%が「そう思う」と回答。昨年は過去最高を記録したが(54.6%)、今年は低下している。

職業観は確実に変化している、そんな結果になったのではないでしょうか。

 

仕事「以外」での自己実現を優先したい、だから職場での滞在時間は短めに。

家庭の存在感は高まり、職場を移ることへの心理的な障壁は高くない。

上司の話す言語よりも、居心地のいい職場であることが重要。

 

私自身、そして私にとっての諸先輩方にも想像しにくい結果でしょう。

ただ、これが統計値≒現実です。

しっかりと受け止めたうえで、職場環境を整備していかねばなりませんね。

 

ちなみに、結果の中で特に気になったものはどれでしょうか?

最近は残業のことが特にニュースになりやすいのかもしれませんが、

日本経済新聞には先日こんな記事も掲載されていました。

 

www.nikkei.com

(有料会員限定記事となっております。ご容赦ください)

 

労組の要求もベアから勤務時間短縮へと力点が移っているのかもしれませんね。

 

教員確保が難しくなる中で、私学でも労働条件の見直しが求められています。

給与水準のみではなく、勤務時間を含めた全般的な検討が必要でしょう。

どんな私学であれ、「労働を供給してもらう組織としての意識・風土」が

存在しているはずです。

この機会にその風土自体に着目し、本当の意味で教職員が働きやすく、

力を発揮しやすい組織へと発展されることを願っております。

 

(文責:吉田)

www.ysmc.co.jp