ランキングはともかくとして、
子どもたちの体力改善という意味では
ヒントがありそうな記事です。日経新聞より。
(会員限定記事となっております。ご了承ください)
全国の自治体が子どもの体力低下に歯止めをかけようと知恵を絞る。小中学生の全国体力テストの平均点は2022年度に過去最低だった。大分県は子どもが自主的に運動に取り組めるようにした授業改革を通じて改善を進める。
スポーツ庁は2008年度から全国の小学5年生と中学2年生を対象に、
「全国体力・運動能力、運動習慣等調査(全国体力テスト)」
を実施しています。実施種目は上の図にある8種目です。
私が小中学生だった頃にも似たような体力テストがあったことを
覚えていますが、微妙に種目が変わっているようですね。
3年ほどの間見舞われたコロナ禍によって子供たちの体力は落ちているようで、
2023年度の総合点は前年度に比べてわずかに改善したものの、
コロナ禍前の水準には戻ってはいないそうです。
スマホの普及もあり、遊ぶ場所や遊び仲間が減っているのは
負の影響を与えているようです。
そのような中で、飛躍的な改善を遂げたのが大分県。
このテストが始まった2008年は40位だった順位も直近では2位と、
結果を見れば大躍進ですね。
なぜ改善が進んだのか。理由がちゃんとあるようですよ。
大分県は08年度の結果などを踏まえて、体育の授業改革を進めてきた。キーワードは「わかる」「できる」「楽しい」。09年度からモデルとなる小学校に体育専科教員を配置。担任と一緒に授業を進めることで、一般の教員の運動に対する理解を深めることにもつなげる。
臼杵市の体育専科教員、藤澤貴紀さん(35)は「子どもがみな同じゴールに向かうのではなく、自発的にやってみたいと思わせることが重要」と話す。跳び箱もただ置くのではなく、配置を工夫するなどアスレチックのような要素を加えるだけで、子どもたちの目の色が変わるという。
休み時間にも体を動かしてもらおうとビンゴゲームも取り入れた。一輪車や縄跳びなど自分で選んだ遊びを通じてビンゴを完成させる。県は13年度から授業外の運動を「一校一実践」として推奨し、体を動かすことの習慣化を目指している。当初は6人だった体育専科教員は23年度には24人に増え、県内各地の小学校でも指導にあたる。
体力増強、というテーマを見た瞬間に、
クラブ活動などの課外活動を想像してしまった私ですが、
実際には授業や休み時間の仕掛けで実現できるものなのですね。
先日は中学のいくつかの運動部の全国大会をやめる、
というニュースでざわめきが起こっていましたが、
基礎体力をちゃんと付けるという意味ではやはり、
授業の工夫に注力することがまずもって大切だということが分かります。
記事には、全国トップを維持している福井県の例や、
最下位から18位まで順位を上げた高知県の取組も掲載されていますが、
いずれも授業と休み時間の工夫が功を奏しているようです。
貴校園では体育の授業にどんな工夫があるでしょうか。
また、休み時間に体を動かすための仕掛けはあるでしょうか。
教員の働き方を改善しながら、子どもたちの体力を付ける方法は
成功例に学べばいくらでもありそうです。
ぜひともこういった取組を広げていきたいですね。
(文責:吉田)