具体的な運用がどうなるのか、注目したいと思います。
日経新聞より。
(会員限定記事となっております。ご了承ください)
文部科学省が2024年度から中小規模の私立大学を念頭に経営改革支援を始める。18歳人口の減少で、地方の中小規模の大学は経営環境が厳しさを増している。安定経営に向け、観光や医療といった地元のニーズに合わせた専門人材育成など構造転換を促す狙いだ。
この新たな制度による支援期間は2024~28年度の5年間。
支援を受けたい私立の大学や短大、高専を公募し、
日本私立学校振興・共済事業団(私学事業団)に設置する有識者委員会が
提出された複数年度にわたる将来の経営計画を審査するそうです。
この記事には
「現状分析をはじめ、地域を支える専門人材の育成や学部再編により
改善が図れるかなどを評価する」と書かれているのですが、
将来計画だけでなく現状分析まで評価されるんですね。
何だか、私学事業団の言いなりになってしまうのではないかと
少々心配にもなるのですが…
それはさておき。
この制度では、中小規模の大学などを中心に45校が採択され
(校数が決まっているのだとすれば相対評価になるんでしょうかね)、
1校あたり年間1,000万~2,500万円の補助金が支給されるそうで、
さらには私学助成の一般補助も増額されるとのこと。かなり手厚いですね。
具体例として、観光業が盛んな地域で不足するマネジメント人材を育成するため、観光に特化したカリキュラムの新設や留学生・社会人の受け入れ強化などで地域に根ざした大学とする計画が挙げられる。観光、農林水産業、医療など地域ごとのニーズを把握するために自治体や産業界と協力するコンソーシアムの設立なども考えられる。
そして上記とは別に、財務体質の強化推進という目的のもと、
複数の大学が連携して事務などの運営機能を共同利用できる取り組みに対し、
2024年度から5年間補助金が支給されるという制度も導入されます。
同年度中に5グループを採択し、支給額は1グループあたり年間3,500万円。
こちらもそれなりの規模ですね。
私学をめぐっては、大学の苦境が報じられることはそれなりにありますが、
それよりも早く、高校以下の学校種において少子化の影響が現実化します。
大学ですら、2023年春の入学者が定員割れした私大は53%(320校)と
5割を超えています。
補助金のしくみが高校以下にも求められるところですが、
それがないからといって無策を続けてはならないとも思います。
自律財政に向けた取組を積極的に進めていただければ幸いです。
(文責:吉田)