中長期での改善が肝心です。
日経新聞より。
(会員限定記事となっております。ご了承ください)
教員の不人気に歯止めがかからない。2022年度実施の公立小学校の教員採用試験の競争倍率は2.3倍で、4年連続で過去最低となった。長時間労働の解消が進まないことなどが原因だ。国や自治体は試験時期の前倒しや社会人採用の拡大で人材の質の確保をめざす。
上のグラフを見ても、ずっと右肩下がりですね。
採用試験の状況を文部科学省がまとめたもので、
公立小の平均競争倍率は2.3倍で前年度(2.5倍)を下回りました。
2倍を切った自治体も計20県市、29%に上ったそうです。
ちなみに中学は4.3倍(前年度4.7倍)、高校は4.9倍(同5.3倍)。
本当に深刻な状況だと感じています。
競争倍率が低下すると優秀な人材の選抜が難しくなり、教員の質の低下を招く。文科省や自治体はここ数年の倍率の落ち込みは教員の労働環境の悪さが原因とみて働き方改革を進めてきた。
2022年度の調査によりますと、過労死リスクが高まるとされる
「月80時間」を超す水準の残業をする公立校教員の比率は、
前回調査(2016年度)に比べ、小中ともに減っています。
おそらく私学や貴校園でも、以前に比べれば
労働時間は減少しているのではないでしょうか。
ただそれでも、文科省が定める残業時間の上限基準である
45時間に達した教員は6~7割に上っています。
これもまた、貴校園でも同じ状況ではないでしょうか。
いくつかの私学で耳にする話の中には、未だに
「長時間働いてこそ、教育現場で仕事をしていると言える」
というご意見があります。
さらには、
「最近の若い人たちは、何かあるとすぐに休むから使えない」
という管理職のご意見を聴くこともあります。
もちろん私を含め、私たちは、自分が経験してきたことこそが
「是」であると思いたい、という気持ちが無意識に働きます。
そして私たちは、激務を乗り越えてきたから今がある、
とも思っています。
職場にはそういう厳しさが必要だし、教育現場であればなおのこと、
時間無制限でこどもたちに向き合わねばならない、
と心底思っておられる方もきっと多いでしょう。
ですが、そういう働き方をしてきたことで、
得たもの以上に失ったものの大きさを感じることはないでしょうか。
自分自身を高めるための時間、家族と過ごすための時間、
健康を維持するための時間、自分の満足が得られるための時間…
多くの犠牲を払いながら「24時間働けますか」と自分を鼓舞した
あの時代を、もう二度と舞い戻らせてはならないと私は思います。
学校での働き方を、根本から見直す機会が到来しました。
若い人たちのため、だけではなく、自分たちのためにも、
学校での仕事の仕方、そして学校での仕事そのものを、
ゼロベースで見直してみましょう。
残業を減らすことは、実のところ
それほど難しいものではないかもしれませんので。
(文責:吉田)