教育におけるデジタル技術の活用は可能性を大いに広げてくれそうです。
日経新聞より。
(有料会員限定記事となっております。ご了承ください)
デジタル庁は小中学生などの学習をデータ分析する実証実験を6月に始める。自治体と協力してデータの抽出や分析の方法を検証する。教材の利用状況を調べ、生徒が理解に苦しむ箇所や関心を持つ分野の判定に役立てることなどを想定する。
今回の記事の概要は下の図の通りです。
これを見るだけで、生徒の状況に応じたきめ細かい対応が可能になることが
とてもよく分かります。
政府は紙媒体や対面が中心だった教育手段のデジタルシフトを進めてきた。ほぼ全ての小中学生にタブレット端末が配布され、教材のデジタル化という点で一歩前進した。
これからはデジタル媒体の長所をよりいかすことを重視する。データ分析に道筋がつけば生徒の理解度に応じて指導内容を変えるといった効率化につながる。
コロナ禍の当初、私学はオンライン授業のインフラが整っていた、
ということでずいぶんと人気を高めました。
ここ数年、各地の私学における生徒募集がそれなりに好調であったことは
こういったことの後押しもあったからと言えるのではないでしょうか。
ただここからは「中身」が問われてきます。
そもそものインフラが不十分、といったケースは論外となり、
ICTツールを使った学習に加え、
その学習成果に対する評価やフォローアップなど、
デジタルだからこそ蓄積されるデータを用いた活動が、
各校園の教育環境をより充実したものへと変えてくれる可能性が
非常に大きいように感じます。
例えば授業での演習や宿題で間違った問題を把握し、生徒個人やクラス全体で理解度が足りない点を導き出す。宿題で解くのにかかった時間などと合わせて生徒の状況を把握する。
生徒個人が教科書に引いた下線や自宅での学習に割いている教科の時間をもとに興味・関心がある分野も判定する。教員に得意分野を伸ばすための助言に活用してもらう。
教員の人手不足が叫ばれる中、こういった教員の支援ツール、支援データは
とても貴重なものになると思われます。
そして公立校がこのような活動を本格化させることもまた、
私学の優位性を脅かす…かもしれませんね。
そして、中身、という意味では、このようなデータにも注目したいところです。
MM総研(東京・港)が22年12月に実施した調査では端末を「毎日利用している」と答えた自治体は75%と、21年10月に比べて49ポイント増えた。
現場での端末の活用の度合いには現状、まだばらつきがあります。
上記グラフの通り、1200人の教員を対象にした調査では
「十分に利用できている」は4%にとどまっており、
「少ししか利用できていない」が37%を占めています。
貴校園ではいかがでしょうか。
未来の社会ではデジタルが当たり前、になります。
その中でたくましく生き抜いていく子どもたちを育てるために、
学校として何が必要なのか。
今一度、貴校園でも冷静に検討してみていただければと思います。
(文責:吉田)