生成AIをいかに活用するか、
は教育機関としてぜひ積極的に検討したいですね。
日経新聞より。
(会員限定記事となっております。ご了承ください)
大学が授業での生成AI(人工知能)活用を拡大している。日本経済新聞の調査に回答した520校のうち3割が活用を始めた。就職後をにらんでAIを使いこなす力を育てる動きが目立つ。思考力を損なうといった懸念も根強く、指導者の確保や不正防止策づくりが求められる。
昨日のブログでも紹介した、
日経新聞が9~10月に実施した全国の大学学長への
アンケート結果のひとつがこれです。
31%(164校)が活用中、
11%(61校)が活用予定、
検討中や未定が43%(224校)、
未活用や予定がない大学は13%(68校)となっています。
「ChatGPT」が登場したのは2022年11月。
記事は、約1年で急速に浸透した、と評価しています。
取扱いや運用が決して簡単ではないツールですし、
変化が歓迎されにくいとされる学校という場において、
1年で31%が活用中、というところまできたのは
確かに相当の広がりと言えるかもしれません。
活用中の大学に用途を複数回答で聞くと「AIを使いこなす方法の教育」が66%と最多だった。「英文の翻訳やプログラミング補助」が54%、「リポート作成などでの情報収集」が51%に上った。
ただし、活用状況はかなりばらつきがあるようで、
活用中とした164校のうち、ほぼ全学で活用中、なのは9%に過ぎません。
「ごく一部の教員が活用」が74%を占めていますので、
学校全体の変化につなげるにはまだ時間がかかりそうな気もします。
今回は大学が調査対象でしたが、学校種や学年が下がると、
AIの活用はますます難しさを増すでしょう。
ただ、これからの社会はAIの存在が前提となっていくことは間違いありません。
高校、中学、小学校での学びにおいて、AIとの接点がない、
というのは社会と整合しなくなってくるのではないでしょうか。
おそらく、教育現場では「できない理由」も多く言われていると思います。
活用予定などがない68校に理由を複数回答で聞くと「不適切な利用を防ぐ準備教育ができていない」が42%、「生成物が誤用・悪用される恐れがある」が25%に上った。
全大学を対象に聞いた利用時の懸念(複数回答)でも「リポートや論文への不正利用」(56%)、「思考力や創造性が損なわれる」(53%)が上位だった。「活用方法を適切に指導できる教員が不足」も8%あった。
さらに、利用するとなれば、評価にも工夫が必要です。
生成AIが普及するなか、学修成果の測定は難しさを増す。利用した旨を明記させる大学が26%、口述試験などを併用する大学が25%あった。西日本の私大は「AIが生成した内容のみでは対応しにくい課題を設定する」とした。
生成AIの活用は始まったばかりです。
その活用のプラットフォームを作ること自体、容易ではないでしょう。
しかしながら、というか、だからこそ、
今始めることに意味がある、とも思います。
新しいことへのチャレンジが自由にできる、
そんな私学が増えることを期待しております。
(文責:吉田)