学習環境の整備にChatGPT、という時代が来ています。
日経新聞より。
(会員限定記事となっております。ご了承ください)
教育各社で生成AI(人工知能)「Chat(チャット)GPT」を導入する動きが広がる。「東進ハイスクール」を運営するナガセは英作文の添削に生かす。生成AIは学習効率の向上を手助けする可能性がある一方、教育現場の導入には正確性や倫理面での懸念も強い。民間が先行し、効果的な使い方を模索する。
上記記事にはナガセが登場していますが、
実は英作文添削で先行しているのはスタートアップや中小塾とのこと。
大手塾にAI教材を提供するメイツは、5月下旬からまず直営塾で導入。
英検対策講座で、生徒の英作文をチャットGPTが添削しているそうです。
生徒はタブレット端末に自作の英文を入力。画面上に表示される「AIに添削をお願いする」というボタンを押すと、文法やスペルの間違いを指摘し、文脈に合わない表現の修正案を示す。難しい単語を使ったり、細かすぎる解説をしてしまったりすることもあり、生徒が一通り学習した後、添削内容を講師が確認するようにしている。
この塾に通う男子高校生(15)は「抽象的な指摘もあり、かみ砕いて説明してくれる先生の助けは必要だと思った。ただ、自分の解答に合わせて解説してくれるので模範解答よりも参考になる」と話す。
なるほど、英作文は確かに模範解答とは全然違う解答をしても、
正解に近い点数を得られるような作文ができていることも多いもの。
こういうのは学ぶ側には助かりますね。
そして他にも生成AIの活用が広がっている状況が、
記事本文、そして下の表にも書かれています。
こういう事例が増えてくると、学習塾がますます活況になるのか、
と思いきや、実際はそういう見通しではないようです。
生成AIは教育の質を高める可能性がある一方で、教育産業に打撃を与える恐れもある。米国では、チャットGPTへの関心の高まりが学生など顧客獲得の障害になるとして、オンライン教育を手掛ける企業の株価が40%以上下落した例もあった。教育各社は生徒のやる気を引き出す「コーチング」サービスなど、AIに代替されない分野に力を入れ、生き残りを図ろうとしている。
おっと、「コーチング」への言及が出てきましたね。
今後に向けて教育技術のひとつとしても重要性が高まるであろう、
コーチングについては先週末のブログでもご紹介しましたが、
来週末の弊社セミナーにて採り上げるテーマです。
ぜひご参加くださいね。
横道にそれましたが、生成AIをめぐっては先般、
文部科学省が学校での活用指針を公表しましたよね。
場面を選んで活用する方向性が示されましたので、
おそらく貴校園でもその活用法についてご検討されている、
あるいはすでに試行されているかもしれませんね。
第一生命経済研究所の柏村祐主席研究員は
「チャットGPTは問題を作れて、解答もできるほか、
解答に至ったプロセスまで説明してくれる。
暗記や計算など単純な学習の指導はAIに代替されるだろう」
との見通しを示しておられます。
人手不足、時間不足の教育現場に大きな効果をもたらすかもしれませんね。
ぜひとも上手な付き合い方を研究していきたいところです。
ちなみに、別の日の記事にはこんなのもありましたよ。
(会員限定記事となっております。ご了承ください)
学習塾が提供する難関大学の試験対策で人工知能(AI)の活用が広がっている。思考力を問う記述式の問題などにAIを導入することは難しいとされてきたが、最新の研究によって人間並みのきめ細かな指導が可能になった。講師不足の解消などにつながると期待されている。
どんどん発展するこの分野、貴校園でもぜひご研究を。
(文責:吉田)