先週も新学習指導要領の話題を採り上げたのですが、
本日は来年度、2023年度からの高校教科書の話題です。
日経新聞より。
(有料会員限定記事となっております。ご了承ください)
文部科学省は(3月)29日、2023年度から主に高校2年生が使う教科書の検定で239点が合格したと発表した。新学習指導要領に対応し、生徒自らの「主体的な学び」を促す内容が増えた。教育界では理念先行による改革の失敗が繰り返されてきた。高校教育を変えるには教科書だけでなく、大学入試の改善や教員の指導力向上なども求められる。
今年度から適用される新学習指導要領は、
暗記重視から思考力、表現力重視へと転換するところが
大きな目玉になっていますよね。
数年前から一般的な用語になってきた
「主体的・対話的で深い学び(アクティブラーニング、AL)」
が進められることになります。
各教科の教科書でも探究型学習を行うための記述が増えているようで、
記事にもいくつかの例が書かれています。
ところが、これが本当に進んでいくのか、といえば、
「大学入試」が変わらなければそうはならない、という見方もあります。
思考力や表現力を測るには記述式問題が有効とされる。国公立大2次試験は記述式問題が多いが、大学入学共通テストへの導入は採点の公平性などへの懸念が出て頓挫。私立大の個別試験は約半数が選択式のみとなっている。
ALは生徒が社会に出た後に自ら考えて行動する土台を養う狙いがある。全ての高校生が大学に進むわけではないが、暗記力で合否が決まる入試が多ければ探究型学習の本格展開は難しくなる。
そして、教員の指導力向上も課題だ、と記事は指摘しています。
早稲田大の田中博之教授(教育方法学)は「物事を提案したり解決したりする力を身につける上で主体的な学習は重要だが、高校のモデル授業の蓄積はまだ不十分だ」と指摘する。
先行する神戸大付属中等教育学校は教科ごとに探究型学習のリーダー役となる教員を配置し、授業計画などを練る。
さて貴校園での新指導要領への取組はどうなる予定でしょうか。
進学実績が次年度の生徒募集に少なからぬ影響を与える中で、
大学入試を意識しないわけにはいかないと思いますが、
生徒の生きる力を養うという観点で必要なカリキュラムが
実践されるように工夫が必要なのかもしれませんね。
(文責:吉田)