学校のICT化はかなり進んだ気がしていたのですが、
公立校ではそうではないのかもしれません。
日経新聞より。
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義務教育の子どもにパソコンやタブレット端末を1人1台ずつ持たせる「GIGAスクール」構想が空回りしている。国の予算でばらまかれた端末を持て余す現場からは「もう返したい」との声も出る。日本の教育ICT(情報通信技術)はもともと主要国で最低レベル。責任の所在がはっきりせぬまま巨額の税金を投じたあげく、政策が勢いを失いつつある。
この記事に登場している「できない理由」は以下の通り。
・紙と鉛筆でなければ頭に残らないから
・学年や教科で足並みがそろわなければ「保護者から『不公平』というクレームがくるかもしれない」から
・調べもの学習で子どもに自由にネット検索させると、授業の統率が取りにくいから
・ネットいじめが深刻な社会問題だから
「できない理由」が先に来てしまうと、それをどうすれば打破できるか、
という工夫や改善に向けた思考が停止しがちです。
このブログの冒頭で「公立校」とは書かせていただいたものの、
私学でも「紙と鉛筆」にこだわる学校があるのも事実です。
ぜひとも「できる方法」を見つけていただきたいところなのですが。
国から自治体、教育委員会、さらに学校という歯車はかみ合わない。それが露呈したのがコロナ緊急事態宣言下のオンライン授業だ。21年9月に夏休みを延長したり、時短授業をしたりした小中学校のうち文部科学省の調査に「実施する」と回答したのは約3割。国によって感染状況が異なり単純比較できないが、レノボ・ジャパンの調査ではインドネシアやフィリピンを下回った。
課題がまだまだある、GIGAスクール構想。
貴校園では今後の取組の進展をどう考えておられるでしょうか。
コロナが明けたら元通り、というのではなく、
ICT活用がどんどん当たり前になっていく今後の社会生活を見据え、
よりよい学びのために、ICTも存分に活用した教育環境を
整えていっていただきたいと思います。
最後に、今後スポットが当たるであろう、
「デジタル・シチズンシップ」についての記事を引用して
本日のブログを閉じたいと思います。
世界ではSNS(交流サイト)での公私の区別、フェイクニュースに振り回されないためのリテラシーといった「デジタル・シチズンシップ」の教育が盛んになっている。デジタル社会を生きる子どもたちに自律的なコミュニケーションや批判的な思考を教える。とりわけ米国はトランプ前政権下でネットを通じて陰謀論が広がり、社会の分断を招いた反省がある。
デジタル・シチズンシップの教材も多い。米国の非営利組織、ニュース・リテラシー・プロジェクトの「チェッコロジー」では、SNS上の個人投稿に似せた広告の存在や、報道記事と記事スタイルの広告との見分け方などを学ぶ。シンガポールの研究組織、DQインスティチュートはネットの潜在的リスクを教えるゲーム形式の「DQワールド」を手がける。
一方、日本の学校教育では、スマートフォンやゲームに依存することへの注意喚起が多い。デジタル・シチズンシップを教えるよりも、学習の妨げになるネットから遠ざけたいという意図がうかがえる。民間調査で保護者が「1人1台」のGIGAスクールに慎重なのも端末が「遊び道具になる」と懸念しているからだ。
いまや10代の主な情報源はSNSであり、「なるべく使わせない」という教育はむしろリスクを増幅しかねない。法政大学の坂本旬教授は「情報を疑う訓練が十分ではない」と警鐘を鳴らす。
(文責:吉田)