新年が始まってすでに2週間以上が過ぎましたが、
お正月の日経新聞に恒例の記事が掲載されましたので、
今後の見通しのために再確認しておきましょう。
(有料会員限定記事となっております。ご了承ください)
2021年は学校教育のデジタル化が動き出す「教育のICT(情報通信技術)元年」となる。国は全ての小中学生への学習用のパソコンやタブレット端末の配備を終え、子ども一人ひとりに合わせたきめ細かい指導やプログラミング教育の充実を進める。デジタル人材などの育成に向けた体制整備は待ったなしで、教員の指導力向上も必須になる。
デジタル化の原動力は21年3月末までに全小中学生に学習用端末を配り、校内の通信ネットワークを整える文部科学省の「GIGAスクール構想」だ。ICTで各教科の習熟度を細かく把握し、個々に応じた指導をしやすくする狙いだ。
コロナ禍によって前倒しされている、教育のデジタル化。
記事では2021年がその元年になると書かれています。
今後、どんなふうに制度が進んでいくのか、という点について、
日経新聞では以下の図にまとめてくれています。
ちなみに普及を目指している端末は、
公立校では2020年3月時点で児童生徒4.9人に1台の配備。
これがコロナ禍における学習の継続に大きな影響を与えてしまい、
2020年4~6月の休校中、同時双方向型のオンライン指導を実施した
公立校の設置者は15%にとどまりました。
皮肉なことではありますが、このときに公私の差を実感したというご家庭が
かなり多くあったものと推測されます。
その後、公立校でも端末が充実していく中で、
公私間におけるインフラの差は縮小、あるいは解消に近づいていることでしょう。
今回の記事には、こんなイメージ図も掲載されていました。
端末を使った学びが広がり、学習の進み具合をコンピューター上で記録する仕組みが整えば、学校は子ども一人ひとりの理解度を把握しやすくなる。文科省は個別の学習履歴を記録・蓄積し、指導改善に生かす活用方法を全国に拡大する方針。
毎年小中学生を対象に実施する全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)は将来、パソコンやタブレット端末で解答する「コンピューター・ベースド・テスティング」(CBT)方式に切り替える。
新しい教育環境は私学が先んじて整備が進みました。
今後は「中身」が問われます。
経済協力開発機構(OECD)の調査によると、2018年時点で「デジタル端末を授業に取り入れるために必要な技術や指導力をもつ」と校長が評価する学校に通う日本の15歳生徒の割合は、参加79カ国・地域で最下位の27・3%だった。
東北大の堀田龍也教授(教育工学)は「授業はもちろん、校務や保護者とのやりとりなどで積極的に使わなければ慣れることはない」と指摘する。
こういったことへの危機感があるのでしょう、
政府は学校でのデジタル機器活用の指南役として、
自治体に派遣するICT支援員に加え、
ICT関連企業のOBらを「GIGAスクールサポーター」として
最大1万1千校に派遣できるよう、
2021年度予算案に関連費を盛ったと記事に書かれています。
私学は各校園がそれぞれ知恵を絞って、中身の充実を図らねばなりません。
ぜひとも貴校園なりの解を見つけていただきたいと思います。
教育においてICTが必須、という状況は目前です。
2021年度をどんなふうに過ごすのか。
各校園の取組みに期待したいと思います。
(文責:吉田)