寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

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学習端末データ、授業改善に活用

学びの環境をよりよくする、という観点で重要な視点だと感じます。

と同時に、個人情報をきちんと守るという観点も忘れてはなりませんね。

日経新聞より。

 

www.nikkei.com

(有料会員限定記事となっております。ご了承ください)

 

文部科学省は(3月)22日の有識者会議で、小中高生が学習で使うデジタル端末に蓄積された情報の取り扱いについての初の指針を公表した。児童生徒の学習データに基づき、教員の経験に頼る授業を改善する狙いがある。膨大な情報を生かせる人材は教育現場には少ない。ビッグデータの分析力を備えた外部機関との連携が求められる。

 

上記指針のポイントは以下の通りです。

 

 

記事によりますと、デジタル端末はすでに公立小中学生約900万人に配布済み。

公立高校生約200万人にも2024年度までに配備される予定です。

この指針は端末に記録される学習状況やテスト結果等のデータについて、

法律上の位置づけや第三者へ提供する場合の留意事項を示しています。

 

重視するのはデータに基づく教育の質の向上だ。大きく分けて教育現場での利用と、ビッグデータ分析の2つの活用法を想定する。

教育現場では児童生徒の理解の定着度や苦手分野の把握に役立つと期待される。例えばペーパーテストでは個々の設問の解答に要した時間は分からないが、端末では記録できる。文科省は研修や好事例の周知により日常的にデータ活用できるよう促す。

多数の端末から集めたビッグデータの分析からは、学習状況と学力向上の関連性が浮かび上がる可能性がある。効果的な指導方法を示せれば、各教育現場で参考にしやすい。

 

データの大きさでは公立校にはかないませんが、

私学でも同じ視点でデータを活用することが期待されます。

この記事では、ビッグデータの分析ができる人材が不足している、

との指摘がありますが、貴校園ではいかがでしょうか。

まずは安全にデータを収集、保存し、その内容を分析し、

未来の教育活動に活用できるようにしていきたいものです。

当然、情報管理体制もしっかり整える必要があることもお忘れなく。

 

ちなみに、首都圏版の記事にはこちらも掲載されていました。

www.nikkei.com

(有料会員限定記事となっております。ご了承ください)

 

小中学生に配布したタブレット端末への入力情報を集約し、グラフや表にして一覧画面で表示する東京都渋谷区の「教育ダッシュボード」が注目を集めている。出欠状況や学習記録に加え、自宅でウェブ検索した言葉などを可視化することで、子どもの心の変化を素早く察知して指導に役立てている。教員の経験や勘が頼りだった従来の指導を補完するツールとしてデータの活用が進む。

 

下図が、渋谷区が開発した教育ダッシュボードのサンプル画像です。

 

 

子どもたちはタブレット端末を毎日持ち帰り、自宅でインターネットを利用する。児童の一人は「自殺」というキーワードで複数回検索していた。渋谷区の小学校の教員がダッシュボードを見ていて気づき、その児童とのコミュニケーションを手厚くするなど様子を注意して見守った。すると、友人との関係に悩んでいたことが分かり、関係の改善につなげられた。

渋谷区では、子どもがタブレット端末に自身の心理状態を「こころの天気」として晴れや雨など天気マークで日常的に記録している。2カ月に1回は学校が楽しいかどうかなど学校生活に関するアンケートに答える。学習記録とともに、そうした子どもたちの心境の変化をダッシュボードは見える化する。

 

こういった取り組みは興味深く、活用の余地が広がる印象があります。

せっかく端末が導入されたのですから、このデータを活かさない手はありません。

ぜひとも活用に向けた取組を積極化していただければと思います。

 

(文責:吉田)

www.ysmc.co.jp