先週も採り上げさせていただいた、日経新聞の連載「教育岩盤」。
今回は私学にとって深刻な指摘と捉えました。
(有料会員限定記事となっております。ご了承ください)
自宅でタブレット端末に表示された問題を解き、解答を送る――。東京都品川区にある私立青稜中学校の今年2月の入試は、こんな光景になるはずだった。試験会場での新型コロナウイルス感染を懸念する受験生向けのオンライン入試だ。
「柔軟対応こそが私立の強み」(青田泰明校長)と昨年4月から導入を探ってきたが、日の目を見ることはなかった。東京私立中学高等学校協会が「不正防止が困難」と自粛を申し合わせ、同校も従わざるを得なかったからだ。
東京都の隣県にあたる千葉県や神奈川県では、
オンライン入試は各校の判断に任され、
導入した中学校もあった、とのこと。
なぜ東京ではダメなのか。
そして同様の問題が起こった他の自治体もあったことでしょう。
この記事には教科「情報」を各大学の入試で採用するか、
という点についても指摘があります。
デジタルにたけた若者の育成を求める声は教育界にも強い、
にもかかわらず公平性の確保を前にすると足踏みが続く、と。
教育界に漂う新しい試みへの拒否感と平等主義。IT(情報技術)で社会が激変しても「黒板とチョーク」「紙とペン」を信奉する学校文化がアップデートされる気配はない。
国の政策で全児童生徒に学習用端末が配られた公立小中学校。神奈川県で端末の活用法を教える40代女性は「紙と鉛筆の方が頭が良くなると言って端末を使わない先生もいる」と"アナログ信仰"を嘆く。
何度もこのブログで書かせていただいていることですが、
よりよい教育のため、最適なツールを選ぶことはそれなりに重要ではないか、
と考えるのはおそらく教員の皆さんも同じでしょう。
しかしながら、トラブルを避けるため、もっともな理由を盾に
それを検討すらしないというのは本当に残念なことです。
私学はICT活用の面では国内で先んじている、とは思います。
しかしながら、それは十分な水準と言えるのでしょうか。
よりよい教育を目指して、常に方法論をアップデートできている
私学やその教員はどのくらい存在しているのでしょうか。
今回の記事はこう締められています。
固定観念がしみついた学校文化の中で、進取の精神に富む人材が育つのだろうか。
特に私学は進取の精神を大切にしたいものですね。
(文責:吉田)