寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

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首都圏の中学受験 多様化進み勢い戻す

先月発表された記事です。

私立中学をめぐる市場動向に関する、興味深い内容です。

日経新聞より。

 

www.nikkei.com

(有料会員限定記事となっております。ご了承ください)



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低迷が続いていた首都圏の中学受験は、直近の4年で緩やかに受験者数が回復し、今年の受験率(公立小学校の6年生在籍者数に対する2月1日の実受験者数の割合)はリーマン・ショック直前の14%台には届かないものの、13.9%とほぼ復調した(受験率に着目するのは、私立中学の多くは入試を複数回設定するため、"本命校"を受験する2月1日の受験者数が実態を最も正確に把握できるからである)。

 

このブログは私学向けに書かせていただいておりますので、

私立中学関係者もいらっしゃることと思います。

そしておそらく、自校が立地する地域での私立中学受験市場が

縮小しているとの間隔をお持ちの方も少なくないのではないでしょうか。

 

今回の記事には、いくつかポイントとなる事実が記載されています。

 

まずは上記、東京での受験率の上昇。

そして、この現象が東京一極集中と無関係ではないこと。

他地域からすると羨ましい限りですが、

首都圏の小6人口は今年度から増加に転じ、

しばらくこの傾向が続くとのことです。

 

ちなみに2018年度の公立小学校卒業生の進路調査では、

東京都は18%、神奈川県は12%が私立中学に進学した、

との結果が出ているそうです。

一方で、近隣の千葉・埼玉では私立中学への進学率に大きな変化はない、

とのこと。

東京における私学マーケット人口増が背景にあるのは間違いなさそうです。

 

 

ただ、東京であればどの私立中学でも受験生が増えているわけではなく、

偏差値50を境として傾向が異なっているようで、

上位校は今年の入試でリーマン・ショック以前の水準まで回復する一方で、

偏差値50以下の学校を第1志望とする受験生数は

リーマン・ショック前の「半数程度」にまで落ち込んだまま、

と報じています。

 

さらに気になる傾向も見られます。入試の中身を変化させるケースです。

下位校の中にもここ数年、受験生を急速に増やしている学校がある。そのけん引役が「適性検査型入試」で、私立のような学力試験を課せない公立中高一貫校が採用している「適性検査」を模した入試である。

公立一貫校は1都3県で22校が開校、受験生は1万4千人を超えるが、競争率7倍以上の学校も多く、入試日も統一されていて併願できないため、不合格者が圧倒的に多い。その受け皿役を狙ったのが一部私立中学の適性検査型入試なのだ。

(中略)

適性型検査以外にも、「思考力系」といわれる学力一辺倒ではない多様な入試が生まれており、その受験者数は延べ5千人ほどになる。これらの入試は20年度から始まる大学入試改革への対応を強調していることもあり、3年前から着実に増加している。

 

さて、貴校園でも参考になるような情報はありましたでしょうか。

この記事には「付属志向」「入試回数増」「入試日程や教科の工夫」

「立地」「帰国子女入試」といった特徴についても言及があります。

貴校園が求める子ども像を明確にして、

それに見合った入試を実現していただければと思います。

 

(文責:吉田) 

www.ysmc.co.jp