学習における力点の置き方はこれまでと同じでいいのか。
何度も焦点が当てられてきたテーマですが、
今一度考えてみたいと思います。日経新聞より。
(有料会員限定記事となっております。ご了承ください)
まず、以下の指摘を皆さんはどのように感じられますでしょうか。
日大の佐久間邦友助教は「進学に際して東アジアは入試の点数、欧米は学校の成績を重視するという違いがある」と分析する。塾は日本や韓国、台湾など東アジアで普及する傾向にあるという。
私自身、欧米の進学のしくみをあまりよく知らないこともあり、
これが正しい分析なのかどうなのか検証することはできないのですが、
少なくとも日本においては、入試の点数が最大の要素になる、
というケースが一般的だと感じます。
このことが、学習塾への依存を深める、というのがこの記事の指摘のようです。
文部科学省の2018年度の「子供の学習費調査」によると、小学生の通塾率は公立に通っている場合で4割ほど、私立で8割近くにのぼる。中学生は公立で7割、私立で6割だった。
上のグラフを見ると、小5・6、中3の金額が特に大きくなっていますね。
やはり受験が近づくと塾通い、というのが通例になっているのでしょうか。
ちなみに、小学6年生の通塾者の学習塾への平均支出額は
公立で年18万7千円、私立ではなんと59万5千円にのぼります。
中学3年生は公立が39万3千円、私立では29万8千円となっています。
学校でかかる費用負担に加え、学習塾の分もとなると、
家計の格差が進学に影響するのではないか、という点も心配になります。
そしてそれ以上に気になったのが次の指摘です。
経済的に余裕があっても国際競争力と必ずしも直結していない。橘木氏は「良い学校に入るためだけに時間と費用をかけるより、IT(情報技術)や英語の力を磨くために使う方が世界で通用する人材を育てるうえで有意義だ」と語る。
2017年には、小中学校などの学習指導要領が改訂され、
主体的な学習「アクティブラーニング」が重視されるようになりましたが、
結局のところ筆記試験が進路を決めるという現実の手前、
受験対策が重みを持つ状況に大きな変化はないようにも見えます。
大学入学共通テストでも英語民間試験のみならず、
思考力を問う記述式問題の導入も見送られました。
さて貴校園の入試は今後も大きな変化は予定されていませんでしょうか。
教育の中身を本当の意味で変えていくためには、
入試が変わらないといけないような気がします。
本当に大切なことを学べる学校であっていただきたいと願うばかりです。
(文責:吉田)