公立校だけなのか、それとも私学もそうなのか。
実態が気になるところです。日経新聞より。
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国が全小中学生に配った学習用端末の家庭での活用が進まない。学力や関心に応じた家庭での個別学習が期待され、国はデジタル教科書の普及も見据えて持ち帰りを推奨する。一方で不適切な利用や破損への懸念から、認めない地域もある。専門家は情報モラル教育を充実させる必要性を指摘する。
記事に登場するのは、横浜市立新治小学校。
夏休みに初めて端末を持ち帰らせ、
児童はそれぞれのレベルに合わせて問題が出題されるAIデジタルドリルを使って、
自宅で宿題に取り組んだとのこと。
校長は「集団授業でついていけない子もレベルに合った学習ができ、
デメリットよりメリットの方が大きいことが分かった」とコメントされています。
ところが、こうした取り組みは限定的、らしく…
学習用端末でゲームをしたり、不適切なサイトを閲覧したりしないかという懸念から、同市教育委員会は休校など非常時以外の端末の持ち帰りを認めていない。2023年度の調査では市内の小中学校の9割が「基本的に持ち帰っていない」と回答。新治小などの持ち帰り試行はまだ一部だ。
文部科学省が今年4月に実施した、
全国学力・学習状況調査の結果によりますと、
端末を毎日自宅で利用させているのは小学校で19%、
中学校でも24%にとどまっています。
基本的に持ち帰らせていない、という学校も2割ほどあったそうです。
この状況については地域差も大きくなっているようで、
小学校の都道府県ごとのデータでは、
毎日持ち帰っている学校の割合は1%以下もあれば70%超もあるなど、
幅がかなり広くなっています。
持ち帰りを認めない理由は様々だ。2022年度の同省の調査によると、小学校では「端末の破損などの不安がある」が52%を占めた。「通信環境が整っていない家庭への補助が困難」(40%)、「家庭での活用場面を想定していない」(29%)が続いた。ネットいじめなど「生徒指導事案の発生・対応に不安がある」との回答もあった。
ICTツールは使い方を間違えると、
いろいろなリスクが生じることは確かにそうでしょう。
が、臭い物に蓋をする、だけではいけない気がします。
学校が社会に出る前のリハーサルの場であるとすれば、
そこでこそ使い方を学ぶべきだとも思うのですが…
放送大の中川一史教授(情報教育)は「自宅でも学校と同じように協働ツールを使えるようにするなど、連続性を意識した仕掛けや工夫が必要だ。一律に禁止するのではなく、光と影の両面を意識した情報モラル教育の充実も重要になる」と話す。
私学では、BYOD型の端末活用がなされているケースも
多いように思いますから、家庭では使ってはいけない、
という指導はなされていないものと思いますが、
一事が万事、子どもたちが自ら考え、判断する力を弱めてしまうような、
リスクを遠ざけさえすればいいという指導は極力控えたいものです。
貴校園の端末の活用状況についても、この機会にぜひ一度確認をお願いします。
(文責:吉田)