文系と理系。
私たちが馴染んできた分類ですが、その分類に意味があるのでしょうか。
日経新聞より。
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文系と理系の枠組みを超えた文理融合型学部の創設が国立大で広がっている。幅広い分野を学べる環境をつくり、社会での活躍に必要な「課題解決力」を育てる狙いがある。受験生の人気も高いが、就職などを見据えて専門分野も学びやすい仕組みを合わせて整えられるかなど課題もある。
文理融合型の学部例が表形式で示されていましたので
引用させていただきます。
社会人になってみて感じることは、
仮に理系学部を卒業したとしても、事務系の部署に配属されたり、
法律や経済に携わったりすることは決して珍しくない、ということ。
逆に、文系学部を卒業した私ですが、統計を読んだり解析したり、
ものづくりのしくみを知っておかねばならない場面があったりと、
文系だけでキャリアを積めるわけではないことも実感しています。
もっと早くにこのような動きがあっても良かったのかもしれませんが、
やはり既存の枠組を変えることが難しい、という一つの現れなのかもしれません。
文理融合型の学部新設の代表例は2018年4月、「共創学部」を設けた九州大だ。共創を「異なる観点や学問的な知見の融合を図り、ともに構想し、連携して新たなものを創造すること」と定義。課題構想力や国際コミュニケーション力などを育て、「共創的課題解決力」の獲得をめざすという。
所属する学生は「データサイエンス基礎」「共創デザイン思考発想法」「フィールド調査法」など必修7科目に加え、生命科学や歴史などの分野から好きな科目が選べる。文理どちらかだけの科目を選ぶことはできない。
英語力の育成にも力を入れる。1年生から、他学部よりも英語に触れる機会を多くし、3年生の討論、4年生の卒業研究発表は全て英語で行う。
この九州大学の例を見ますと、大学=専門課程という位置づけが少し変化し、
小中高では触れられなかった分野に新たに触れ、
それらに対する興味を確かめる、といった視点での学びの提供が
なされ始めているのかな、と感じます。
人生100年時代、ということを考えれば、
単一のキャリアではなく、いくつかの関心分野があって、
それらを並行し、あるいは時期を変えながら、
進んでいく人生がむしろ基本になるのかもしれません。
さてそうなると、学校での学びはどうなっていくのか。
今回は大学の学部の話でしたが、高校は、中学は…
これまでと同じでいいのか、はたまた変える必要があるのか。
結果はどうあれ、そのような議論を通じて、
学校のあり方を模索することは重要だと思います。
そして、これらの学部を卒業した後の進路についても
今後の動向を注視せねばなりません。
法学部や工学部などに比べると、文理融合型の学部は卒業後のキャリアを明確に示しにくい面がある。広島大高等教育研究開発センターの大膳司副センター長は「視野の広い人材が求められているのは事実だが、最終的には大学院などで専門性を身につけた方が将来有利になる可能性は高い」と指摘。「専門分野を少しでも深く学べるプログラムを組み、学生がこだわって勉強した経験をつくれる環境が必要だ」と語る。
より良い学びとは。
そして、そのために学校は何ができるのか。
教育の深化は続きます。
(文責:吉田)