最近、基金の話題が多くなっている気がします。
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デジタルや脱炭素など成長分野の人材育成に向け、文部科学省は3000億円の基金を設け大学の学部再編を促す。2022年度第2次補正予算案へ盛り込み、理工系やデジタル分野への学部転換を支援する。少子化が進行するなか、教育の質の低い大学の延命ではなく、高度人材の輩出に結びつける実効性を伴う制度設計が求められる。
国がお金の話を持ち出すときには、そちらに政策誘導したい、
という思惑の表れです。
この基金には大学の学部転換が意図されているようですね。
記事には、理系学部の卒業者割合について、
諸外国との比較グラフが掲載されています。
今回話題になっている基金は2023年度にも募集が始まるそうで、
対象は
・理工農学系学部への転換・拡充を計画する公私立大
・デジタル分野を拡充する国公私立大・大学院と高等専門学校
とする方向で調整しているそうです。
支援額は1校あたり最大20億~30億円規模が想定されているとのこと。
かなり大きな額のように感じますが、それもそのはず、
2021年度の私学助成金(総額2,925億円)を大学1校あたりの平均でみると
4億8千万円ですから、20億というのはやはり大きいですね。
基金の交付を受けられれば、複数年にまたがる財政支援としての規模は大きい。文科省担当者は「私立大などは多額の費用が学部再編の壁となっていたケースが多く、手を挙げる大学は一定数あるだろう」とみる。
以前にも、文系学部は実業に生きないといった議論が出てきて、
物議をかもしたこともあったと記憶しています。
今回の話が直接それに結びつくわけではありませんが、
ただ、直接的に産業に役立つことばかりを優先してしまうと、
大きな問題が起こり得るとも感じます。
一方で、将来の社会を見据えれば、理工やICTの知識を持って
活躍する方々が多く必要とされることもまた間違いないでしょう。
貴校園での学びが将来を見据えたものでありますようにと
願ってやみません。
(文責:吉田)