寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

大阪の学校経営コンサル会社/株式会社ワイズコンサルティングが、学校経営に関する情報を収集し発信するブログです。

平成29年度教育委員会における学校の業務改善のための取組状況調査結果より

文部科学省が平成29年度教育委員会における学校の業務改善のための取組状況調査結果を発表しました。

 

 

平成29年度教育委員会における学校の業務改善のための取組状況調査結果:文部科学省

 

この調査では、運動部部活について所管の学校に対して休養日等の基準を設定している教育委員会の数を調べており、結果は以下のようになっています。

  • 都道府県:87.2%
  • 政令市 :70.0%
  • 市区町村:41.9%

都道府県や政令市と比較すると、市区町村の教育委員会の数値が極めて低くなっていますね。

教員の長時間労働が常態化していることは様々な調査結果からも明らかになってきており、その要因の一つには部活動が挙げられています。

それにも関わらず半数以上の市区町村の教育委員会が部活動の休養日を設定していないというのは取り組みが不十分であるとしか思えないのですが、何か特別な事情があるのでしょうか・・・。

 

私学のようにそれぞれの学校独自の取り組みも大切ですが、抜本的な是正を図るという観点では、まずは教育委員会がしっかりと方向性を示すことが必要ではないかと思います。

 

教員の多忙解消、生徒の過度な負担の解消という点で、部活動の休養日の設定は早急に進めていただきたいと思います。

 

(文責:木村)

大阪府・本社移転企業調査より

東京(首都圏)一極集中は加速するばかりで、それ以外の多くの地域は人口減少に歯止めがかからない状況です。

 

地方創生は一体どうなっているのでしょうか・・・

 

残念ながら、弊社が立地する大阪も東京から見れば所詮はただの地方都市です。

そんな地方都市大阪の状況を物語るデータを帝国データバンクが公表しています。

 

www.tdb.co.jp

 

調査結果を見てみましょう。

 

  1. 2007 年~2016 年に大阪府へ転入した企業は 1,502 社、大阪府から転出した企業は 2,308 社で、10 年間で 806 社の転出超過となった。転出超過は 1982 年以降 35 年連続
  2. 2016 年の大阪府への転入件数は 157 件。転入した企業の転入元は「兵庫県」が 75 件で最多。大阪府からの転出件数は 210 件。転出先は「東京都」が 66 件で最多
  3. 2016 年に大阪府へ転入した企業では「サービス業」が 48 社(構成比 30.6%)で最多。転出した企業も「サービス業」が 66 社(31.4%)で最多となっている。

 

なお、この調査での本社移転には、本社機能のみの移転も含まれています。

35年連続の転出超過、10年間で806社の転出超過ということで、その数の多さに驚いてしまうのですが、転出した企業の転出先の約3割が東京とのことです。

 

会社が大阪から東京へ転出するということは、当然、その会社に在籍する社員も会社とともに東京へ引っ越さなければいけません。

 

つまり、働き盛りの20代~50代が東京へ行ってしまうわけです。

 

働き盛りと言えば、ちょうど子育て世代にも該当します

ただでさえ少子化の加速により子どもの数が減少しているところに、毎年一定数の子育て世代が東京へと引っ越してしまう(単身赴任かもしれませんが)という、大阪府にとってはまさに二重苦が発生しているということになります。

実際に、大阪府では30歳~39歳を中心とした中堅世代の首都圏への人口転出が顕著になっているというデータもあります。

 

今後も大阪の企業の首都圏への転出が続くようなことがあれば、ますます人口減少が進むことも予想され、関西圏の私学の生徒募集はより厳しい局面を迎えることになってしまいます。

依然として苦しい状況に置かれ続けている大阪ですが、何とか状況が好転することを願うばかりです。

 

(文責:木村)

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メンタルヘルスへの配慮

乳児期あるいは幼児期における保育、教育。

現代においては様々な観点からその必要性が大きくなっています。

そんな中で、ちょっと気になる記事を見つけました。

日本経済新聞より。

 

保育所の半数超、メンタル支援なし 厚労省研究班が調査 :日本経済新聞

 

保育所の半数超で保育士のメンタルヘルスを巡るサポート体制が整っていないことが18日、厚生労働省研究班の調査で分かった。特に民営の保育所で未整備が目立った。待機児童対策では保育士の人材難や離職が問題化しており、研究班は「サポート体制整備や、業務の負担軽減策が必要」と指摘している。

学校と同じくらい、場合によってはそれ以上に激務が続く、保育所

体力面はもちろんのこと、精神的にも厳しい環境の中で

保育士さんは頑張り続けていらっしゃいます。

ところが、その健康面への配慮は必ずしも十分でない、

そんな記事の内容です。

 

 研究班は今年2~3月、全国の保育所1万650施設に郵送で調査を依頼し、ウェブ上で2672施設(回答率25.1%)が答えた。

 その結果、2016年度にメンタルヘルスケアが必要だったり、実際に治療を受けたりした保育士が1人以上いた保育所は719施設(26.9%)で、保育士が強い精神的負担を抱えている現状が分かった。

 ただ相談支援やストレスチェックなどのサポート体制が「ある」と答えたのは1084施設(40.6%)で、「ない」(1540施設、57.6%)を下回った。体制がない施設のうち「作りたい」との回答が半数超の875施設だった。

なるほど、健康被害が発生していながらも、

それを改善あるいは解消するためのしくみが大幅に不足していることが分かります。

私自身も保育所の経営に携わらせていただいていますが、

上記サポート体制の必要性は理解できても、そこに回せるお金があるか、

と問われると途端に答えに窮します。

しかし、学校も幼稚園も保育所も、携わる先生方が元気でなければ、

本当の意味での質の高い教育・保育は実現しません。

私自身、肝に銘じなくてはなりません。

 

記事はこう続きます。 

 施設の運営形態などでみると、公設公営の認可保育所は77.4%でサポート体制が整っていたが、社会福祉法人や株式会社など民営の認可保育所は25.3~37.1%と低迷した。

ここにも私立の厳しさが見て取れます。

 

ストレスチェックが義務化されたのが一昨年。

ですが、その対象はあくまでも従業員50人以上の企業に限られます。

正直なところ、ストレスチェックでどのくらいのケースが救われるのかについても

疑問がないわけでなありませんが、それでも何もしないよりは可能性が広がります。

 

この記事には、業務効率化への指摘も同時になされています。

確かに、保育所の現場においてはICT活用が遅れている印象もあります。

日常の保育そのものの負荷を軽減しながら、

一方で健康管理のしくみを整えていくことが

幼少期の保育・教育環境を改善するために必須と言えそうです。

 

(文責:吉田)

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中1生の英語学習に関する調査より

中学、高校、大学で英語を勉強し続けてきたにも関わらず、私は英語をほとんど話すことができません。

学校の教え方が悪かったのか、私の学ぶ姿勢が悪かったのか。残念ながら後者の可能性が高いという自覚は十分にありますが・・・。

 

次期学習指導要領での小学校での英語の教科化・早期化を前に、ベネッセ教育総合研究所が全国の中学1年生1,170名を対象に「中1生の英語学習に関する調査」を実施しました。

 

berd.benesse.jp

 

この調査の目的は、中1生の英語学習や小中接続の実態・課題を把握することとのことですが、調査結果の主な内容は以下のようになっています。

 

1.「小学校英語は中学校で役立つ」という小6生の時の期待に対し、中1生では半数が「役に立たない」。
小学校英語に対する子どもの評価について、同一の子どもの小 6 生から中 1 生への意識の変化を見た。小 6 生の時には、82.6%が「小学校の英語の勉強は中学校で役に立つと思う」と肯定していた(「とても+まああてはまる」の%)が、中 1 生の終わりの時点で、実際に「小学校での英語の勉強は中学校で役に立っている」と肯定している比率は 53.9%と、小 6 生の時よりも大きく減少している。


2.「英語を勉強する上で大切だと思うこと」のうち、「発音」「たくさん会話すること」が小6から中1で減少。
・英語を勉強する上で大切だと思うことについて、小 6 生から中 1 生への意識の変化を見た。「発音をきれいにする」「英語でたくさん会話をする」といった「話す」ことに関連する項目が減少している。一方で、「問題をたくさん解く」「英語をたくさん聞く」「英語をたくさん読む」が増加している。


3.小学校英語に役立ちを感じている中1生は、中学校の授業で「話す」活動を多くしている。


小学校英語に役立ちを感じている中 1 生は、役立ちを感じていない中 1 生よりも、学校の授業で英語を使った活動を多く行っている。特に、「自分の気持ちや考えをその場で考えて英語で話す」(役立ちを感じている中 1 生 52.4%>役立ちを感じていない中 1 生 35.8%、「よく+ときどきする」の%、以下同)、「自分や家族や身近な人について英語で紹介する」(59.8%>46.0%)といった「話す」活動で差が大きい。


4.小学校英語に役立ちを感じている中1生は、「わかろうとする」「伝え合おうとする」意欲が高い。


小学校英語の役立ち感の有無で、コミュニケーションに対する意欲に違いが見られた「英語で話している人の気持ちや考えを理解しようとする」「聞いた内容がわからないときは、聞き返したり質問したりする」「お互いの気持ちや考えを伝え合おうとする」といったコミュニケーションに対する意欲は、小学校英語に役立ちを感じている中 1 生の方が、役立ちを感じていない中 1 生よりも高い。

 

どうやら、中学に入学した途端に英語の勉強で挫折している生徒が多いようですね。

小学校では「会話」を中心として楽しみながら勉強できていたにも関わらず、中学になると急に受験対策といった意味合いが強くなってしまい、楽しさを感じなくなってしまう生徒が多いのではないでしょうか。

 

なお、結果からの考察として、以下のようにまとめられています。

 これまでの調査から、中高の英語教育では音声練習・文法指導が中心で、「話す」活動が少ない傾向が見られます。しかし、今回の調査で、「わかろうとする」「伝え合おうとする」活動としての「聞く」「話す」活動が、コミュニケーションや学習に対する意欲を高める上でも重要な役割を担っていることがわかりました。音声や文法などの知識・技能面の指導ももちろん大切ですが、「聞く」「話す」活動をより充実させることも必要でしょう。このことは、今後、5・6 年生で行われる教科としての「英語」でも、3・4 年生の「外国語活動」でも、「聞く」「話す」活動を充実させる必要があることを改めて示唆していると考えられます。

 

確かに、私の学生時代の英語の勉強といえば、単語や構文を必死で覚えるばかりで、英語を「話す」ことなどほとんどなかったように記憶しています。

いわゆる高校受験、大学受験対策としての英語だったので、私には「英語=つまらない、難しい」といった印象が完全に刷り込まれてしまっています。でも、そんな大人は結構多いのではないでしょうか。

 

「何のために英語を勉強するのか」という目的を教える側も教わる側もまずは明確にしておかなければいけませんが、せっかく小学校から英語を勉強する訳ですから、「受験対策だけのための使えない英語」ではなく、「社会で実践的に使える英語」を身に付けることができるような楽しい授業を中学校や高校でも展開していただきたいと思います。

 

私のような英語嫌いを生み出さないためにも・・・ 

 

(文責:木村)

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将来構想部会

今、学校に求められていること。

それは「将来構想」です。

20年前であれば、少なくとも外部経営環境は現状よりもずっと恵まれていたため、

ある程度成行に任せて経営をすることができた学校業界。

ですが、同様の意識では経営が行き詰まることは明白な現代、

将来構想を明示し、組織の力を結集してそちらに向かうことが

重要、いや必須だと言えます。

 

本日ご紹介するのは、まさにこの名の付いた部会。

中教審の大学分科会の中に設けられているこの部会の名称、

読者の皆様はご存知でしたでしょうか。

 

将来構想部会(第9期~):文部科学省

「第9期」なんですね。

ずいぶん前から開催されているのでしょうか。

そして、本年度は5月に第1回の会合が開かれました。

その際の資料も上記リンクから閲覧できます。 

 

本日のブログでは、第1回の内容を見るより先に、

そもそもこの部会に諮問された内容を見ておきましょう。

ここに、将来構想がなぜ必要なのか、その理由が記載されています。

我が国社会のあらゆる側面において,かつて経験したことのないスピードで大きな変化が進行しています。例えば,IoT(Internet of Things),ビッグデータ人工知能等を活用する「第4次産業革命」は,既存の産業構造,就業構造,さらには人々の生活を一変させる可能性があることが指摘されています。
また,我が国の高等教育機関への主たる進学者である18歳人口の推移を見ると,2005年に約137万人であったものが,2016年には約119万人にまで減少しています。今後18歳人口は2030年には約100万人にまで減少し,さらに2040年には現在のおよそ3分の2に当たる約80万人となるという推計もあります。

このような経済社会の変化やグローバル化の急速な進展,本格的な人口減少社会の到来の中で,一人一人の実りある生涯と我が国社会の持続的な成長・発展を実現し,人類社会の調和ある発展に貢献していくためには,人材育成と知的創造活動の中核である高等教育機関が一層重要な役割を果たすことが求められます。とりわけ,今後の人材育成においては,新たな知識・技能を習得するだけでなく,学んだ知識・技能を実践・応用する力,さらには自ら問題の発見・解決に取り組む力を育成することが特に重要となっています。このことを通じて,自主的・自律的に考え,また,多様な他者と協働しながら,新たなモノやサービスを生み出し,社会に新たな価値を創造し,より豊かな社会を形成することのできる人を育てていかなければなりません
このような要請に応え,高等教育機関が求められる役割を真に果たすことができるようにするためには,各機関の役割や機能の強化と,教育研究の質の一層の向上が必要です。また,人口減少社会において一人一人が変化に対応する力を身に付け,より高い能力を発揮することができるよう,高等教育の機会の確保を図っていくことも重要です。さらにこれらを実現するための財政支援の方策についても検討する必要があります。

人口減、そして産業構造の変化…

もう聞き飽きた、という内容が並んでいるかもしれません。

しかし、これらの時代変化に応じた学校の変化は、

まだスタートラインについたところ、のような気がしてなりません。

 

特に近時感じるのは、公立校の変化に比べると、

私学は外見上(法人格・学校種・男女共学…)の変化こそあれ、

中身の改革が進んでいる印象がそれほど強くない、ということです。

未来の社会を念頭に置いて、その中で自校がどのような役割を果たすのか。

私学各校の在り方と教育内容が問われているように思えてなりません。

 

ちなみに、ご紹介した将来構想部会においては、

次のような事柄が審議される予定です。

 

第一は,各高等教育機関の機能の強化に向け早急に取り組むべき方策についてであります。
第8期の中央教育審議会大学分科会においてまとめられた「今後の各高等教育機関の役割・機能の強化に関する論点整理」の中で,各高等教育機関の今後の機能強化の方向性とその実現のために検討すべき事項が示されています。この論点整理を踏まえ,大学,大学院,短期大学,高等専門学校,専門学校それぞれの機能の強化に向けて,教育課程や教育方法の改善,学修に関する評価の厳格化,社会人学生の受入れ,他の機関と連携した教育の高度化などの様々な観点から,早急に取り組むべき具体的施策や制度改正について検討をお願いします。

第二は,変化への対応や価値の創造等を実現するための学修の質の向上に向けた制度等の在り方についてであります。
我が国の大学政策については,現在,学部・学科や研究科といった組織に着目した在り方を中心に構成されていますが,学問の進展や社会の変化に対応した教育や学生本位の視点に立った学修の実現していくためには,学位を与える課程(「学位プログラム」)に着目した在り方をより重視していく必要があるとの指摘がかねてからなされています。こうした「学位プログラム」の位置付けや学生と教員の比率の改善,ICTの効果的な利活用など,学修の質を向上させるための課題について,設置基準,設置審査,認証評価,情報公開の在り方を含めた総合的かつ抜本的な検討をお願いします。検討に当たっては,大学設置・学校法人審議会における審議や認証評価機関における取組との連携の確保にも御留意くださるようお願いします。
また,グローバル化や第4次産業革命が進む中での学位等の国際的な通用性の確保,高等教育機関の国際展開,外国人留学生の受入れや日本人学生の海外留学の促進,地域の産業界等との連携による人材育成,社会に出た者が何度でも学び直せる環境の整備,高等教育機関間あるいは企業等との間での教員・学生の流動性の向上,効果的な運営のための高等教育機関間の連携などの在り方についても検討をお願いします。

第三に,今後の高等教育全体の規模も視野に入れた,地域における質の高い高等教育機会の確保の在り方についてであります。
前述のように,2016年の我が国の18歳人口は,2005年と比較して大きく減少しています。その間,高等教育機関全体としての数や入学者数は減少する一方,四年制大学の数は,726校から777校へと増加しており,入学者数も約60.4万人から約61.8万人に増加しています。また,2014年の我が国の大学学士課程への進学率は49%であり,OECD平均の59%と比べると低いという評価もできる一方,専門学校等も含めた高等教育機関全体への進学率は80%であり,OECD平均68%を上回っています。
さらに,我が国では,他のOECD諸国と比べて,学生に占める留学生や社会人学生の割合が低いという状況もあります。また,地域によって高等教育機関への進学率や進学者収容力(ある地域に所在する高等学校卒業者で高等教育機関に進学する人数に対する当該地域に所在する高等教育機関の入学定員の比率)が異なるとともに,少子化の中で,地方の私立大学ほど厳しい経営状況に陥る傾向にあるなど,地域によって高等教育の置かれている状況も異なっています。
こうした状況等も踏まえ,今後の高等教育の構造の在り方について考える必要があります。特に,各機関の使命や社会のニーズを真に踏まえた高等教育の実現に向け,今後の高等教育全体の規模も視野に入れながら,既存の学部・学科等の構成や教育課程の見直しを促進するための方策はもとより,高等教育機関間,更には高等教育機関と地方自治体・産業界との連携の強化に関する方策も含め,地域における質の高い高等教育機会を確保するための抜本的な構造改革の在り方について検討をお願いします。
その際,分野別・産業別の人材育成の需要の状況についても十分に考慮するとともに,国公私の設置者別の役割分担の在り方や国公私の設置者の枠を超えた連携・統合等の可能性なども念頭に置きつつ御検討くださいますようお願いします。

第四に,高等教育の改革を支える支援方策の在り方についてであります。
厳しい財政状況の中,各機関においては,十分な人件費や研究費の確保が困難となり,教育研究活動に大きな影響を与えかねない問題が生じているとの指摘があります。第一から第三までの検討事項も踏まえ,教育研究を支える基盤的経費,競争的資金の充実,透明性の確保の観点も踏まえた配分の在り方等について検討をお願いします。
その際,学ぶ機会の保障のため,学生への経済的支援の充実など教育費負担の在り方に関してもあわせて検討をお願いします。 

これらの問いは、教育施策としては国家あるいは政府として、

または文科省として考えるところのものではありますが、

各私学においても考えてみるべきテーマだと感じます。

なぜなら、私学は独自にシナリオを作り、実践することができる、

あるいはそうすべき機関であるからです。

もちろん、大きな国家施策に従う必要はありますが、

私学は建学の精神を中心に据えた教育を行うのがその本質です。

 

学校経営は永続が必須です。

御校の教育内容を求めて、学校と相思相愛の子どもたちが集う学校で

あり続けていただきたいと願っております。

 

(文責:吉田)

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「働くルール」を学ぶ

高校や大学を卒業すれば、ほとんどの学生は就職して社会人として働くことになりますが、実際は在学中にアルバイトとして多くの学生が既に社会で働いています。

ただし、「ブラックバイト」に代表されるように、労務に関する様々なトラブルに巻き込まれる事例も多くあるようです。

 

労働法に関する知識が全くないと、初めてのアルバイトで過酷な労働やサービス労働を強いられても、「アルバイトってこんなもんなのかな・・・」と何となく受け入れてしまうこともあるかもしれません。

また、これがエスカレートすれば学業に支障を来すことにもなりかねません。

 

私は10年ほど前に某大手ファーストフードチェーンに勤務していた頃は、高校生を含む多くの学生を雇用していました。

「ブラックバイト」と正反対の「ホワイトバイト」でしたから、労働基準法違反が発生することのないようにアルバイトの労務管理をきっちりと行っていました。

ただし、学生には労働基準法の知識はないので、採用して雇用契約を交わす際には、必ず契約書の内容や労働基準法の大まかな説明を行っていました。

また、採用時の説明だけで理解してくれる訳がありませんので、法定労働時間、休憩時間、休日などの知識は定期的に確認を行っていましたが、なかなか覚えてくれなかったり、当人のうっかりミスによる違反が発生することもしばしば・・・

労基法の基本的なことくらい、学校で教えておいてくれたらいいのに・・・」と思うこともありました。

 

そんな私の要望に応えて!という訳ではないに決まっていますが、厚生労働省が、労働法教育プログラム「『はたらく』へのトビラ~ワークルール 20のモデル授業案~」を作成し、全国の高校などに冊子を配布したそうです。

 

www.check-roudou.mhlw.go.jp

 

 

このプログラムには労働法に関する教育方法として20のモデル授業案が掲載されており、対象教科も、公民科だけでなく、地理歴史科、家庭科、総合的な学習の時間、特別活動など、さまざまな教科で活用できるようになっているとのことです。

是非とも各校で活用していただきたいと思いますが、この冊子の冒頭には以下のような記載があります。

 

 教育を担う側について見ると、社会保険労務士等の労働法や制度に詳しい専門家が学校教育に関わってくださる場合もありますが、各学校で必ずそれらの専門家と協働できるとは限りません。また、主として高等教育を担っている教員の方々については、大学時代に専攻として学んだ方以外は、労働法に詳しくない場合が多いと思いますので、労働法に特に詳しくない教員の方々でも取り扱い易い授業案も用意していますし、「教員と生徒とで一緒に学ぶ」というスタンスでぜひ取り組んでいただきたいと思います。

 そもそも、一般社会人の方々でも、労働法や制度について詳しいとは限らないわけですから、例えば生徒が学校で学んだあと家庭で話題にしてもらい、家族で労働法や制度について関心を持っていただくようなことも期待したいと思います。

 

確かに、教員の方々や一般的な社会人でも労働法について詳しく知っている方は少ないかもしれませんね。

ただ、労働法を知らない=労働法を気にしていないことが恒常的な長時間労働を招く一因になっている可能性があるのではないかと思っています。

 

このプログラムに掲載されている授業案を参考に、子どもだけでなく教員の方々も、働く上のルールである労働法をしっかりと認識する必要がありそうですね。

 

(文責:木村)

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子どもの自己肯定感を高めるためには?

最近の若者は自己肯定感が低いとよく言われます。

国立青少年教育振興機構平成27年に行った「高校生の生活と意識に関する調査」においても、日本の高校生の自己肯定感は他国と比較し極めて低いという結果が出ています。

自己肯定感とは「自分の良いところも悪いところも含め、全てを受け止められる前向きな感情」のことですが、自己肯定感が弱いと、劣等感を抱きやすく、また自己嫌悪に陥りやすく、つまり「へこたれやすい」人であるということになります。

 

若者には無限の可能性がありますので、何事にものびのびと楽しみながらチャレンジしてほしいのですが、日々の生活に息苦しさを感じているのでしょうか・・・。とても残念なことです。

 

さて、どうすれば自己肯定感を高めることができるのでしょうか。

国立青少年教育振興機構が、20~60代の5,000人の男女を対象に、子ども時代の体験と現在の資質がどう関係しているかを調査しました。

 

http://www.niye.go.jp/kanri/upload/editor/117/File/290425gaiyou.pdf

 

調査結果の概要を見てみましょう。

  1. 「家族行事」(家庭)、「友だちとの外遊び」(地域)、「委員会活動・部活動」(学校)を多くしていた人ほど、社会を生き抜く資質・能力が高い。
  2. 「お手伝いや家族行事といった体験が多く、家族との愛情や絆を強く感じていた人」や「外遊びを多くし、遊びに熱中していた人」ほど、社会を生き抜く資質や能力が高い。
  3. 親や先生、近所の人から「褒められた経験」が多かった人は、社会を生き抜く資質・能力が高い。そのうち、「厳しく叱られた経験」が多かった人はより社会を生き抜く資質・能力が高い傾向がみられる。
  4. 「家族との愛情・絆を強く感じていた人」ほど結婚願望や子育て願望が強く、「遊びの熱中度が高かった人」ほど自己啓発やボランティア活動を行っている人が多い。
  5. 子どもの頃、家庭の教育的・経済的条件に恵まれなかった人でも、「親や近所の人に厳しく叱られた経験が少なく、褒められた経験」が多かった人、「家族でスポーツしたり自然の中で遊んだこと」や「友だちと外遊びをしたこと」が多かった人は自己肯定感が高い。
  6. へこたれない力が高い人ほど、恋人に理由もなく突然ふられた時は「落ち込んだが、これも人生の肥やしと思った」、スポーツ競技で補欠に回ってしまったときは「監督を見返してやろうと思い、再び練習に打ち込んだ」など、物事を前向きにとらえ、あきらめずにがんばろうとする意識が高い。

 

ちなみに、社会を生き抜く資質・能力として、①意欲、②コミュニケーション力、③自己肯定感、④へこたれない力 の4つが挙げられています。

 

さて、ここで結果2について少し詳しく見て行きましょう。

 

子どもの頃に先生に褒められた・叱られた経験と現在の自己肯定感の関係を検証した結果、それぞれのケースにおける現在の自己肯定感の高さは以下のようになっています。

 

  • 褒められた回数は多く、叱られた回数も多い   = 50.3%
  • 褒められた回数は多く、叱られた回数は少ない  = 50.0%
  • 褒められた回数は少なく、叱られた回数は多い  = 26.2%
  • 褒められた回数は少なく、叱られた回数も少ない = 16.4%

 

上位の二つはほぼ同じ数値になっていますが、やはり先生に褒められると自己肯定感は高まるようですね。

一方、褒められた回数が少ないと自己肯定感が低くなることは理解できますが、叱られた回数が少ない方がより自己肯定感は低くなる傾向にあるようです。

褒められようが叱られようが、子どもにとっては先生に自分のことをいっぱい見て欲しいという思いがあるのでしょう。

つまり、褒められも叱られもしない子どもは、それだけで疎外感を抱いてしまっているのかもしれませんね。

 

先生が全ての生徒の様子に目を行き届かせるのは大変なことだと思いますが、子ども達の自己肯定感を高めてへこたれない大人になってもらうためには、保護者の日々の接し方はもちろんですが、先生の子ども達への細やかな気配りや目配りも重要な要素であることを調査から感じました。

 

 

(文責:木村)

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