寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

大阪の学校経営コンサル会社/株式会社ワイズコンサルティングが、学校経営に関する情報を収集し発信するブログです。

役所仕事、1400年分削減

記事表題のインパクトにやられました。

日経新聞より。

 

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(有料会員限定記事となっております。ご了承ください)

 

政府の電子化を急ぐ同国(エストニア)では税の申告から処方箋の発行まで公的手続きの99%がオンラインで済む。その結果、1人当たり年間で平均2週間分の時間の余裕が生まれた。不要になった役所仕事を試算すると、のべ1400年分だという。

 

なるほど、ここから「1400年分削減」という表題につながっているのですね。

つい先日まで、日本でも所得税確定申告の時期だったわけですが、

ここ数年の電子申告制度の普及によって、

確定申告業務はかなりの作業量が減ったと感じます。

1400年分、というのはあながち大袈裟とは言えないのかもしれませんね。

 

以前のクレーマーの言い分は

「お金を返してくれ」

だったのが、最近は

「時間を返してくれ」

に変化している、と先日のテレビで某専門家が語っていました。

それだけ、時間の感覚は研ぎ澄まされてきているのでしょう。

ものすごいスピードでものすごい量の情報が流れる現代において、

物事を決める時間の単位は「分」から「秒」へと

変わってきているのは間違いなさそうです。

 

18世紀、アダム・スミスは「国富論」で国民が消費できるモノの量を豊かさだととらえた。生活必需品にも事欠く、モノ不足の時代だったからだ。そして現在。豊かさの尺度はモノから時間へと移った。

 

時間短縮ばかりが価値を高める方法ではないでしょうし、

時間ばかりに囚われて過ごすことはむしろ大切なものを失うような気もしますから、

この風潮を必ずしも是であるとは思いません。

 

ただ、一方で学校での仕事は複雑化、多量化しているのも事実であって、

その意味で仕事の仕方は変化させていく、効率化していくことも必要でしょう。

1400年分の業務を削減することすらできる、技術の時代が来ています。

ゼロベースで学校の業務を再構築してみてもいいのかもしれませんね。

 

(文責:吉田)

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本離れ?向き合う学生も

読書量がかなり減ってしまっている、最近の私。

そういえば、学生の本離れについてのニュースを先日目にしましたが、

実態はどうなんでしょうか。

日経新聞にこんな頼もしい記事が掲載されていました。

 

www.nikkei.com

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大学生のほぼ半数は本を全く読まないとの調査もあり、学生の「読書離れ」がよく話題になる。大学生は読書嫌いになったのだろうか。学生たちの声を聞くと、様々な形で本と向き合う姿が浮かんできた。


記事に登場する早稲田大学の学生さんは、あるサークルに所属し、

経済学の専門書を仲間とともに読み進めているとのこと。

「読書リストには大学院レベルの本が並ぶ」と記事にありますので、

おそらく難易度も高いのでしょう。

ところが、読んでいるのは経済学の本だけではなく、

哲学書や文学作品、思想、歴史、公共政策など、相当幅が広そう。

読書や勉強に情熱を注ぐのはなぜか。安藤さんの答えは「読書は知性を涵養(かんよう)するための手段であり、目的ではない」、別の会員は「経済学を学ぶのは教養として身に付けるため」。

 

東京学芸大学には「読書マラソン委員会」があり、

大学生協と協力して読書の楽しさを伝える活動をしているとのこと。

そして同様な学生団体は他の大学にもあり、

リーダーズネットワーク会議」という連絡会議で交流を深めているそうです。

読書に意義を見出し、学生としての時間の一部をそれに使うことで、

おそらく彼らの学生生活は深みのあるものになっているのでしょう。

 

全国大学生協連の2018年の調査では、大学生の読書時間は1日平均30.0分、読書時間がゼロの学生は48.0%。読書離れは続いているが、読書に熱心な人との二極化の傾向もあると分析している。読書離れの原因とされがちなスマートフォンの利用との間には明確な関係は見られないという。

 

小中高においても、読書の時間を設けたり、読書を推奨したりと、

学校をあげてそのしくみを導入しているケースも多いように思います。

自分自身をふりかえってみると、小学校時代に、

当時の担任が読書感想文をなるべく多く書くように勧めてくれたことが、

本の面白さを知る機会になったように思います。

改めて、学校での読書の位置づけを再確認してみてはいかがでしょうか。

 

(文責:吉田)

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大学スポーツ協は目的を果たせるか

昨年は大学スポーツが大揺れに揺れた一年でしたよね。

その反省を踏まえて、ということになるでしょうか、

新たな大学スポーツに関する組織が発足しました。

日経新聞より。

 

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全米大学体育協会NCAA)を参考にし、3月1日に発足する統括組織「大学スポーツ協会」(UNIVAS)の設立準備委員会は25日、加盟手続きを済ませた大学が同日時点で設立時目標の200校に迫る196校だったと明らかにした。競技団体も28団体に達し、目標20団体を超えた。

 

学内の手続に時間がかかっているために加盟できていない大学もあるようですから、

今後その加盟数はさらに増える見込みです。

 

UNIVASは大学スポーツ全体の振興を目的にしており、「学業充実」「安全安心」「事業マーケティング」の3つが柱。試合出場のための成績基準の導入や、ガバナンス(組織統治)の向上、試合の映像配信や学生のデータを活用した大学スポーツの収益化を目指す。

 

学業充実、という目的もきちんと掲げられていて、

大学のスポーツの位置づけとして適切だと感じます。

おそらくこの理念・目的への共感もあり、

上々の滑り出しになっているのでしょう。

 

…と思いきや、別の記事を読んでむむむ、と頭を抱えました。

学生スポーツ界では存在感の大きな筑波大がなぜこの組織に加盟していないか、

その理由を学長が語っておられます。

日経新聞、そしてNIKKEI STYLEに記事が掲載されています。

 

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style.nikkei.com

 

スポーツ庁の肝煎りで3月1日に発足した大学スポーツの統括組織「大学スポーツ協会(UNIVAS)」。学業の充実、学生の安全・安心、スポーツの収益化を目的に掲げていますが、複数の有力大学が参加を見送りました。そのうちの一つ、筑波大の永田恭介学長は「競技団体が大学と同格で参加しているのはおかしい」と指摘します。背景には、学業よりも競技力の強化を優先してきた競技団体に対する不信感があります。

 

この記事を読んで、当然の疑問であろうと腑に落ちました。

目的の異なる組織の論理が新たな組織にも持ち込まれてしまうのではないか、

という危惧が記事から読み取れます。

 

大学生の本分は学業である。

しかし、競技団体の競技者としての本分は当該競技での勝利である。

この2つを同居させることは確かに難しいのではないでしょうか。

 

このことは、部活動ガイドラインが明示された中学、

そして高校でも起きがちな問題をも包含しているように感じます。

学校での部活動が、正課における各種活動を上回る位置づけになることは

あり得ませんよね。

学校でのスポーツのあり方とは、ということを

改めて考える機会にしていただければと思います。

 

(文責:吉田)

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教育への社会の信頼

高等教育無償化の議論が国会でも始まりましたね。

先日の日経新聞に、こんな記事が掲載されました。

 

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この記事では、これまでの高等教育無償化の議論の経過を

まとめた内容が掲載されています。

そのまとめをさらに簡潔に箇条書きで記します。

 

・近年、大半の政党が国政選挙のたびに給付型奨学金の創設を公約に掲げてきたが

 一向に実現の気配はなく、選挙が終わると忘れ去られた

・2016年3月、首相が「給付型の支援」を表明し、

 高等教育の無償化が文教政策の重要課題に浮上

・2017年度に公的給付型奨学金制度創設

・2017年5月、首相が「憲法改正案に高等教育の無償化を盛り込む」と宣言、

 10月の総選挙後に給付型奨学金の大幅拡充を提唱

・同年12月に「新しい経済政策パッケージ」の一環として、

 消費税率10%への引き上げを条件に、年額約8千億円とされる

 給付型奨学金と授業料減免の創設が閣議決定

・2018年6月、文部科学省の専門家会議が制度の骨格を提示

・2019年2月12日に「高等教育無償化法案」が閣議決定

・法案が成立すれば2020年度から実施

 

こうやって進んできた無償化制度ですが、その大きな課題として、

記事にはこんなことが書かれています。

高等教育の無償化を巡っては、多くの課題・論点がある。最たるものは世論の支持が低いことだ。各種調査で、高等教育の無償化に総論は賛成でも、税の投入や増税には抵抗が強いことが明らかになっている。安倍首相は憲法改正に無償化を盛り込むと提起したが、たとえそうした改正案が国会を通過したとしても、国民投票で支持されるとは限らない。

教育の公的負担は教育に対する社会の厚い信頼が前提となるが、信頼は必ずしも高いとは言い難く、世論の支持が集まらない一因でもある。「大学教育は役にたつのか」という素朴な疑問を無視するわけにはいかない。

 

 

教育に対する社会の信頼を獲得するには。

 

とても重いテーマですが、各私学も当然、

教育機関の一翼を担う存在として、この問いに向き合わねばなりません。

学校の永続は最重要経営課題ですが、中身はどうでもいいから箱だけ残す、

ということが許されるはずもありません。

信頼獲得のために必要なこと、それは紛れもなく、教育の質でしょう。

今回の記事に付された記者のコメントを引用して、

今日のブログを閉じたいと思います。

 

 大学の学費負担は軽いものではない。親に頼らずに本人が社会に出てから返済すべきだという議論もあるが、大学を出たからといって安定的な収入が保証される時代でもない。数百万円の借金を抱えて社会人生活を始めることに不安は残る。
 一方、学ぶ意欲もないまま進学するモラトリアム大学生も少なくはなく、頭数がそろえば、"教育の質などお構いなし"の大学が皆無ともいえない。
 こうした甘えの構造がある限り、世論が"完全な無償化"に抵抗するのは当然でもある。大学教育の質の保証が問われている。

 

(文責:吉田)

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中小企業の2割、今春入社の新卒採用できず

人材採用の難しさは大企業よりも中小企業が深刻です。

学校法人も多くは中小企業ですので、

その苦しみはよくお分かりかもしれませんね。

日経新聞より。

 

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中小企業の新卒採用が厳しさを増している。日本商工会議所の調査によると、2019年春入社の新卒採用で、中小企業の24.4%が「募集したが採用できなかった」と答えた。1年前の調査と比べて8.7ポイント増えた。「採用できたが計画した人数には満たなかった」との回答も43.0%にのぼり、7割近い中小企業が新卒を十分に確保できない状況になった。

 

新卒はネームバリューのある大企業を第一志望にするケースが多く、

大企業でもなかなか採用目標を達成できない中、

中小企業ではさらに採用が厳しくなっているのでしょう。

 

 

中小企業の間では「社内業務の見直しや配置を工夫して何とかしのいでいる」(旅館)「従業員の年齢が上がっているため若手を採用したいが、給与や休日などの待遇を考えると余裕がない」(小売り)との声が出た。

 

学校でも人手不足が深刻になっているところもあるでしょう。

勤務時間や休日についてもこれまでより厳格な運用が必要となる中で、

上記にもあるように「業務の見直し」「配置の工夫」は

必須とも言えます。

 

貴校園ではどんな生産性向上策を実施しておられますか。 

人手不足をむしろチャンスと捉えて、業務全体の改善を進めていきましょう。

 

(文責:吉田)

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管理職の意識変革を

昨日からの続編のような話になりますが、

教職員のモチベーションアップのためにできること、

そのヒントがこの記事には隠れている気がします。

日経新聞より。

 

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まず、働き方改革について、その段階を以下の3つに分けて説明されています。

コンプライアンスの徹底

 残業を減らし法定労働時間を守ること

②既存業務の最適化

 業務量自体を減らしたり、効率化したりすること

イノベーション

 効率化で生まれた余剰をイノベーションに振り向けること 

この整理は非常に分かりやすいですね。 

そして、多くの学校・幼稚園は①の段階ができていない状況にあり、

③まで進もうとしている企業と比較した場合の

人材獲得力はやはり低いと言わざるを得ないでしょう。

 

一方で、管理職がいくら「早く帰れ」と言っても聞いてくれない、

という悲痛?な声もあちこちから聞かれます。

この記事で語っておられる田中氏は、こんなふうにおっしゃいます。

働き方改革のカギになるのは管理職で、従業員の多様性をどうマネジメントしていくかが大事だ。マネジメントの高度化が求められる。部下とコミュニケーションを取り期待値を擦り合わせる。もっと働きたいのか余裕が欲しいのか、話し合って部下の希望を聞く。勝手に思い込まないことだ。

 

部下の要望は当然部下から具申すべきもの、と思いがちですが、

むしろ上司の方からその情報を求めていくことが重要、なのかもしれませんね。

意識のミスマッチが起きないように行動することが、

現代の職場には必要なことなのでしょう。

 

少し話はずれてしまいますが、以前の内閣府の調査で、

上司が残業する部下をどんなふうに思っているのか、

例えば「仕事熱心」「頑張り屋」といったプラス評価をしているに違いない、

と部下が思っていればその部下は長時間労働をしがち、という結果が出ていました。

上司や管理職の評価は部下の働き方をも左右するものだということを、

管理職サイドは知っておくべきでしょう。

 

こうやってみてくると、管理職のなり手が少ないのも分かる気がします。

しかし、裏を返せば、組織にとって管理職はそれだけ重要で、

裁量と権限を持つべき役割だともいえます。

管理職の皆さんにはぜひとも自負をお持ちいただき、

その職務に邁進していただきたいと思います。

 

(文責:吉田)

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やる気後進国?

日本が「やる気後進国」?

そんなはずは…と思いながら読み始めた記事です。

日経新聞より。

 

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「周囲に不満をまき散らしている無気力な社員」が24%。

「やる気のない社員」が70%。

そして、「熱意あふれる社員」はわずか6%。

これが本当に日本の姿なのか…と、

疑ってしまうのは古い世代の証拠なのでしょうか。

 

このような事態を受けて、

「1年後の意欲予測」なるものを実施している企業もあるようです。

 

全社員の7年間の考課や残業時間、異動回数など46種類のデータを盛り込んだアルゴリズムを使い、1年後のやる気を4段階で測る。一部の職種では社員が持ち味を発揮できる部署を自動提示するシステムも導入。3カ月に1度の本人の満足度調査も踏まえ、上司が最適な職場や働き方を示す。

これをやっている企業名がリクルートであることに驚きます。

リクルート起業家精神あふれる人材が特に多い企業のイメージがありますが…

それでもこのような方策が必要とされるのですね。

 

学校や幼稚園の人材はどうでしょうか。

各校園の管理職の皆様から漏れ聞こえる声の中には

「簡単に休む」

「ストレス耐性が低い」

「言われないとやらない」

「好きなことばかりに時間を使う」

といった厳しい内容のものもあります。

確かに、個々の教職員のやる気を高めることは簡単ではありませんし、

個人差が大きいだけに、

「あの先生はできるのに、なんであいつは…」といったふうに、

「個人の能力の問題」で片づけられることも多いのかもしれません。

 

しかし、数々の個性を集めて組織を運営していく必要がある以上、

やる気のすべてを個々の教職員のせいにしてはいられません。

人材育成、モチベーションアップの方法の模索としくみ化を

少しずつでも進めていき、自校園と教職員との信頼関係を高めていきたいですね。

 

(文責:吉田)

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