寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

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Z世代の「育て方改革」

働き方改革、ならぬ、育て方改革。

確かに必要なのかもしれませんね。日経新聞より。

 

www.nikkei.com

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人手不足で人材獲得競争が激しさを増すなか、企業が若手の育成に苦労している。転職も含めて自分のキャリア形成を重視する「Z世代」の価値観が、伝統的なタテ割り組織とかみ合わないからだ。職場内訓練(OJT)で育てる従来のやり方には限界があり、企業も「育て方改革」に動き出している。

 

この記事に登場しているのは一般企業の例です。

2月22日に開催された、社員1200人が参加する交流イベント。

この参加者は入社5年までの若手に限定されているのですが、

そこから18人の実行委員を公募し、

イベントの企画・運営はこの実行委員にすべて委ねられたそうです。

 

このイベントの参加者はなぜ入社5年までなのか。それは、

「入社5年を境にやる気が低下する社員が多い。

 コロナ禍もあり、事前と事後の交流も含めて、

 コミュニケーションを通じた行動変容を促したいと考えた」とのこと。

下のグラフを見ると、3年以内の転職希望者は半数近く、

5年以内となれば6割に上りますので、

確かに「最初の3(5)年」は大切だということが分かります。

 

 

一般にZ世代と呼ばれるのは1990年代後半から2012年までの生まれ。

記事には「40代以上は一定の価値観で育っているが、Z世代の価値観は多様。

人事部もどうマネジメントすればいいか悶絶している」とあり、

以下4点の特徴が書かれています。

  1. 有給休暇の取得やリモート勤務を重視する。
    残業などで自分の時間を侵食される職場を選びたがらない。
  2. 就職時に最初から転職を視野に入れている。
  3. キャリア(仕事の専門性)は自分に蓄積され、
    転職しても持ち運ぶという意識が高い。
  4. タテよりもヨコのつながりを重視する。
    上司よりも異なる職場や違う会社の同世代が
    どう働いているかに関心が強く、副業にも意欲的。

 

さて、ここまでは一般企業での若手の様子を見てきましたが、

私学、貴校園の様子はいかがでしょうか。

おそらく、当該世代に対しては

よく似た感覚を抱く管理職やベテラン層が多いなど、

似通った状況が生まれているのではないかと思います。

 

では、その状況をどう打開するのか、については検討されていますでしょうか。

今日のブログの冒頭にあった、イベント企画にヒントをもらうとすれば、

学校や幼稚園は行事の宝庫ですから、そういったカリキュラムの一部を

年代を超えて任せてみる、といったことはあり得そうですね。

長く教職員を務めてもらうために、どんな環境が望ましいのか、

決して「甘やかす」ということではなく、

「育てる」という観点から考えてみていただきたいと思います。

 

学校という場は子どもたちを「育てる」「学ばせる」ための専門機関。

大人も学校という職場で「育てる」という意識さえ持てば、

その道のプロである先生方はきっと方策を見つけて下さるはず。

管理職やベテランは、信じて任せる、という意識を大切にしたいですね。

 

(文責:吉田)

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