寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

大阪の学校経営コンサル会社/株式会社ワイズコンサルティングが、学校経営に関する情報を収集し発信するブログです。

業務・時間・意思疎通を透明に

長時間労働 是正の条件」というタイトルで掲載された記事です。

そこにはいくつかのポイントがあるようです。

日経新聞より。

 

www.nikkei.com

(有料会員限定記事となっております。ご了承ください)

 

この4月から、中小企業でも長時間労働の上限規制が始まりました。

つまりほとんどの国内事業者について、原則的な残業時間の上限は

「月45時間、年360時間」となります。

これまで以上に必要性が高まる残業削減。

さて、そのためにどうすればいいのか、というのが今回の記事のテーマです。

 

記事の最初に登場するのは、残業発生のメカニズム。

「集中・感染・麻痺・遺伝」という4つのキーワードで

それが説明できる、と筆者はおっしゃいます。

 

1つ目の「集中」とは、一部の特定の優秀な人材に業務量が集中しがちなことだ。スキルが高い社員に残業が集中している。「優秀な部下に優先して仕事を割り振る」と答える管理職は6割を超える。短期的な成果を追求するには、優秀なメンバーに仕事を割り振る方が効率的というわけだ。

 

できる人に仕事が集まる、というのは証拠のある話なのですね。

ちなみに、働き方改革が進むと中間管理職の業務量が増えるそうです。

これもまた「できる人がやる」という一形態かもしれません。

 

2つ目の「感染」とは、職場でまだ働いている人がいると帰りにくいという雰囲気だ。先に帰ってはならないという同調圧力が最も残業に影響している。こうした同調圧力は若い人ほど感じやすく、20代は50代の2倍近くも帰りにくさを感じている。また上司の残業時間が長くなるほど、上司のマネジメントの質が低いほど、部下の帰りにくさは増していく。

 

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やはり上司は早く帰るべき、そしてマネジメントを軽視するな、

ということですね。なるほど。 

 

3つ目の「麻痺」とは、心理的状況と身体的状況がちぐはぐになり、客観視できなくなる状況だ。月60時間未満までは残業時間が増えるほど主観的幸福感が低下していくが、60時間を超えると幸福感の増加に転じることが明らかになった。残業への没入感、他者から頼られているという実感がそれに関係する。だが長時間の残業は重篤な病気などのリスクを高める。「本人がやる気を出して残業しているから」といって放置するのは非常に危険だ。

 

これも私には経験があります。

ある程度を超えると感覚がマヒして、慣れっこになってしまうのです。

長時間労働が是正されない人はこうなっているケースが多いように思います。

 

4点目の「遺伝」とは、上司の過去の残業経験が部下の残業時間に強く影響するということだ。新卒入社時に残業が当たり前という文化に染まっていた人は、上司の立場になっても部下に残業をさせやすい。こうした傾向は転職後の会社でも消えずに残る。つまり残業習慣は上司と部下という世代だけではなく、組織さえまたいで受け継がれる。

 

これもまた、確かにその通り、と思わされますね。

癖づいたものは抜けにくいということなのでしょうか。

 

さてこのような要因を確認できれば、

長時間労働を抑制する方法についても考えることができそうです。

記事に書かれた方法について整理してみると、概ね以下のようになります。

1.時間制限型の施策

 残業そのものをやめさせる、残業時間に制限をかける

2.職場ぐるみの対話による働き方の改善

 職場の働き方の状況や職場のコミュニケーションの状況を従業員調査などで「見える化」して、その内容を基に上司を交えて職場ぐるみで対話することで効率的な対処策を考える

3.管理職のマネジメント能力を高める

 (1)状況に応じて判断・指示できるジャッジ力

 (2)現場の状況・進捗具合を把握できるグリップ力

 (3)オープンで風通しの良いコミュニケーションができるチームアップ力

 

そして、今日のブログタイトルとさせていただいた、

3つの「透明性」が重要とのことです。

 

A.業務の透明性

 誰が・いつ・どんな仕事をしているかの情報が社員間で明確になっている

B.時間の透明性

 どこからどこまでが仕事の時間であるか明確である

C.コミュニケーションの透明性

 言いたいことが言えない職場では感染が起きやすい

 

 

さて、貴校園の長時間労働抑制のヒントはありましたでしょうか。

何か1つ、まずは実践してみるのもいいかもしれませんね。

 

(文責:吉田)

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