少し前には「○活」という言葉が流行ったような気がしましたが、
今は「○育」が流行っているんでしょうか。
眠育、という言葉をこの記事で初めて知りました。日経新聞より。
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子どもに睡眠の大切さを教える「睡眠教育(眠育)」に取り組む小中学校が広がっている。新型コロナウイルス禍で生活リズムを崩した子どもが増え、心身の健康増進を図るために注目された。早寝する児童や生徒が増えたケースもあり、生活習慣の改善や不登校の減少といった効果が期待されている。
記事に登場するのは、福岡県春日市の公立中学校です。
こちらでは2023年11月下旬、筑紫女学園大の大西良准教授が授業を行い、
「寝る前にスマートフォンを見ると良い睡眠が取れなくなります」
といった内容の注意を生徒約600人に対して呼びかけたとのこと。
中高生は最低7時間の睡眠が必要であること、
平日と休日で睡眠時間をずらさないこと、
などをポイントとして伝えたそうです。
春日市では、生活習慣を改善し不登校の減少につなげることを目的に、
2019年度から小中学校で眠育を始めていて、
大西准教授が同市立小中学校18校すべてで年1回、眠育の授業を行ったうえで、
生徒らに就寝と起床の時刻のほか、自分で起きられたかなどを
「睡眠日誌」に記入し、担任教諭が改善に向け指導しているとのこと。
変化が表れつつある。市内4小学校への調査で、21年度は平日午後10時以前に就寝する児童が75%となり、19年度より15ポイント増加した。小学校で不登校気味だった子どもが生活リズムを立て直し、中学校に通えるようになった例もある。
コロナ禍を経て、不登校の例は一段増えたという学校も多いように思われます。
行動制限をきっかけに、在宅時間やインターネット利用が増え、
子どもの睡眠や生活リズムに乱れが生じる結果となり、
国立成育医療研究センターの2020年秋の調査では、
就寝時間がコロナ前に比べ「遅くなった」「不規則になった」との回答が
小学校高学年、中学生ともに計3割を超えました。
記事には、睡眠不足は心身の成長への影響が大きい、とあり、
慢性化すると脳の発達や免疫機能に支障が生じ、
コミュニケーション能力が落ちて対人関係に影響が及ぶそうです。
「睡眠は重要であるにもかかわらず、大切さを学べる機会が少ない」
との指摘もなされています。
私学の場合、学校が睡眠の指導をするというのは少々現実離れしている、
と捉えられるかもしれませんが、
これが不登校や転退学につながることであるとすれば、
子どもの育ちにとってはもちろん、
教育上も経営上も重要性が高いことと言えるのではないでしょうか。
眠育、ちょっと意識してみてもいいかもしれませんね。
(文責:吉田)