その後、のニュースもいろいろ出ていますし、
つい先日には理事長の記者会見もテレビで流れていました。
ひとつの事例として刻んでおきたいと思います。
日経新聞より。
(会員限定記事となっております。ご了承ください)
日本大学は(11月)22日、臨時理事会を開き、アメリカンフットボール部の違法薬物事件を巡る対応が不適切だったなどとして、酒井健夫学長と沢田康広副学長に辞任勧告することを決めた。林真理子理事長については減給とする処分を検討している。3人は第三者委員会の報告書で、理事らへの報告義務を果たさずガバナンスが機能不全だったと指摘されていた。
私学のガバナンスが不十分という点を主たる理由として、
私学法改正が予定されていますが、本件ニュースを見るにつけ、
これは私学の中でもごく稀な法人の事案であることを理解しつつ、
やはり法的な規制も必要なのではないか、と思ってしまうような、
お粗末な経営があらわになっていることに失望を覚えます。
個人的には、私学経営は本来、公的な規制を最小限にし、
むしろ学校の自治を重視し、よりよい学びの環境を確保すべき、
と考えています。そんな私でも上のような感想を持つほどですので、
日大には十分な反省と解体的出直しが必要でしょう。
このニュースの後、アメフト部の廃部も発表になりましたが、
以前からの一連の事件を並べてみると、
経営陣、指導者、学生のいずれもが、事の重大さに対して
きちんと向き合えていない現状があると感じます。
私は幼い頃からラグビーとともにアメフト観戦も楽しんできましたので、
強かった時代の京大と対峙してきた日大のアメフト部がなくなることへの
深い悲しみを禁じえませんが、
例えば現在日大に在籍する教職員や学生の皆さん、そしてもちろん役員各位が、
どのくらい日大のあるべき姿を考え、そこに向かう努力をされているのか、
これほどいろいろな事案が出てくると信じられなくなってしまいます。
翻って、貴校園ではガバナンスが効いているでしょうか。
幸い、弊社が関わる私学ではいずれも、誠実で透明性の高い経営を目指し、
実践されていますので、その意味での心配はないのですが、
杜撰な経営の例が出るたびに、私学への制約が大きくなり、
学びの場が窮屈になっていくのではないかという点には
大いなる心配をしています。
おそらく大丈夫だと信じてはいますが、
貴校園も今一度、自らの経営の現在をふりかえってみてください。
そして、経営の健全性がまさに自校園の未来を創るということを、
改めて強くご認識いただければと思います。
(文責:吉田)