今後、どのような改革がなされるのでしょうか。
注目度は高いはずです。日経新聞より。
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人気作家の林真理子氏(68)が7月1日、日本大の新理事長に就任する。日大を巡る一連の事件は前理事長に権力が集中するいびつな運営体制を浮き彫りにし、私立大のガバナンス(統治)改革の議論が進む契機の一つになった。少子化が進む中、大学改革のモデルケースとなるか注目が集まる。
すでに日本大学で起こった不祥事は世間に知られるところとなっています。
付属病院の工事を巡る背任。
前理事長は所得税法違反(脱税)罪で有罪が確定。
さらには元理事らが使うマンションの賃料負担、
前理事長の飼い犬の世話をしていた関係者の雇用など、
日大関連会社を巡る不適切な契約が明らかになり、
経緯を調べた第三者委員会は「日大を『食い物』にする行為」と非難しました。
本当に、あってはならないことです。
しかしながら、私学はここのところ、不祥事が絶えません。
本件の日大をはじめ、明浄学院の元理事長による横領、
東京医科大や順天堂大などでの医学部不正入試と、
私学には厳しい視線が注がれても仕方がない状況です。
ガバナンス改革も紆余曲折がありながら法改正へと進んでいますが、
制度がどうあれ、私学には公金が投入され、税制の優遇措置もあります。
運営に公正性や透明性が欠かせないのは当然のことです。
私たちは今一度、こういった基本中の基本に思いを致さねばならないでしょう。
そして上の記事が出た後に、こんな記事も日経新聞に掲載されました。
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日本の私立大はオーナーや教職員出身者が運営することが多い。外部人材主導による改革を進めるためには、現場の教職員らの理解や協力を得られるかがカギとなる。
日本私立学校振興・共済事業団の調査によると、大学を設置する学校法人の理事長の37%は創設者やその親族が占める。就任前の経歴をみると学内教職員が53%で最も多い。
以前から非常に興味深く感じていることなのですが、
弊社が関与させていただいている私学には、
上記にあるようなオーナー型の法人が全くと言っていいほどありません。
逆に言えば、オーナー型の学校法人さんはひょっとすると、
外部者による関与を避ける傾向があるのかもしれません。
そして、というか、やはり、弊社が関わる私学の関係各位は、
不祥事からは縁遠い、正直で愚直な経営をなさる方ばかりであると
常々感じています。
ただ、だからこその難しさがあるのも事実です。
学内の人脈や支持基盤がない中、自らの考えを浸透させるのは簡単ではない。神戸大の鈴木竜太教授(経営組織論)は「内部事情に詳しくない外部人材は意見が封殺されたり、『お飾り』になったりする恐れがある」と話す。
そうならないように、やはり内部人材とのコミュニケーション、
そして内部人材からの信頼獲得が非常に重要になります。
鈴木教授は外部人材による改革について「既存の組織の協力をどう引き出すかが重要だ。転換期のリーダーは考えや価値観を示すだけでなく、人々を巻き込んでいく手腕が求められる」と指摘。組織の将来像について理事会内で意思統一をはかることが不可欠としている。
学校法人における意思決定機関は理事会です。
理事会のたたずまいは、その法人の姿勢を示すものとなります。
これからも私学が日本社会において重要な存在であり続けられるよう、
改めて正直な経営を、そして永続可能な経営を実現していただきたいと
心から願う次第です。
(文責:吉田)