大学付属小学校の強みのひとつ、ということになりますでしょうか。
いやいや、私学もきっとできるはずです。日経新聞より。
(会員限定記事となっております。ご了承ください)
大学が子どもの才能や能力を高める取り組みを進めている。付属の教育機関と連携し、研究の知見も生かして、子どもへの教育活動の幅を広げる狙いだ。学内で突出すると、学校になじめなかったり、つらさを感じたりする例も少なくないという。子どもの個性を尊重しながら、得意分野を伸ばす方法を探る。
上の表にある3つの大学はいずれも、
「特定分野に特異な才能のある児童生徒への支援」を行うため、
文部科学省から指定を受けた大学です。
記事にはまず、三重大学と付属小学校の例が紹介されています。
三重大学は付属小学校と連携し、6月から月1回程度、総合学習の枠組みを使って児童の関心を深める授業を実施している。対象は6年生。将来の進路希望を調べた上で、関心のある分野から講師やテーマを選定。対面講義のほかに、録画をクラウド上にアップし、児童に視聴してもらっている。
特別講義は全6回で、1回目は「遺伝子は環境によって変わる」、2回目は「法と医療の接点」など。一般に小学校で教える水準を超えた高度な内容だ。児童には動画を見る前や見た後にアンケートを実施するほか、動画を見た回数や視聴時間などを把握し、心理的な変化について様子を観察するという。
小学6年生くらいになると、将来の進路は少しずつ現実味を帯びてきます。
少なくとも、自分の関心のある分野は見えてくる頃、かもしれません。
小学校の水準を超えた学習内容とはいえ、
興味のわく分野であればのめり込む可能性は十分あるでしょう。
以前、さかなクンの講演会に参加した際、
彼からそのエネルギーをとても強く感じたのが私の印象に残っています。
東京学芸大学は子どもの能力に関する事例を集める。付属小金井小学校と連携、総合学習の時間を使った宇宙工学に関する特別授業や、土日を使ったキャンプなど、様々な環境で児童の特性を探る。
筑波大学は付属駒場中・高等学校と連携し、これまで育んだ校風の言語化に取り組む。付属駒場中学校の真梶克彦副校長は「特異な才能を持つ生徒が少なからずいると認識している」と話す。生徒が能力を認め合い、伸ばし合う校風の根源を探る。
校風の言語化、というのは、
私学各校園でもぜひ取り組んでいただきたい事柄です。
それを生徒の力を借りて実際に展開しているというのは
個人的に興味津々です。
なおこちらの例では、教師と生徒のやりとりだけでなく、
生徒同士で意見を交わす時間を多くとるようにしているそうで、
学業や学校行事、部活動で、多様な才能をもつ生徒たちが
関心のある活動にリーダーや協力者として参加できる時間も
多く用意しているとのこと。
中高生ともなれば、指導する側に回ることも十分あり得るのでしょうね。
いかがでしょうか。
むしろ私学にこそ、こういった取り組みがマッチするのではないか
と思うものがいろいろあります。
一方で、こんな記事も上がっていました。同じく日経新聞より。
(会員限定記事となっております。ご了承ください)
子どもの「特異な才能」を定義するのは簡単ではない。言語や理数系の科目に秀でるだけでなく、芸術やスポーツに突出した能力を示す場合もある。現れ方も一様ではない。特別な教育を施す難しさの理由もそこにある。
まさにアナログ対応が必要、というわけですが、
そうなると鍵になるのは学校の先生方、ということになりますが…
とはいえ、教員にとっても対処は簡単ではない。標準的な教育水準にとどまらない能力を、自身の経験値で評価するのは困難だ。子どもとの接し方に迷い、つらさを感じてしまう恐れもある。
文部科学省は2025年度を目標に実証研究を踏まえた指針を示したい、
としています。
私学の各校園でも、いろいろな研究が進むことを願っております。
(文責:吉田)